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米国産牛肉、発がん性のホルモン剤残留濃度が国産の6百倍…今後急増の恐れ
http://biz-journal.jp/2017/02/post_17937.html
2017.02.04 文=郡司和夫/食品ジャーナリスト Business Journal
「米国第一主義」を掲げるドナルド・トランプ政権がスタートし、米国産牛肉の輸入急増が非常に懸念されます。
米国は環太平洋連携協定(TPP)を離脱し、今後、日本に自由貿易協定(FTA)の締結を迫ってくるでしょう。
FTAは2国間協定で、当事国の利害や力関係が大きく影響します。実際、米国と2012年にFTAを締結した韓国では、米を除いた農産物は牛肉も含めすべて無関税になり、農業が壊滅的な打撃を受けています。米国とFTAを締結すれば、日本も韓国同様の事態になるのは避けられないでしょう。FTAを締結しなくても、米国が重要な戦略品目である牛肉の大幅な輸入制限緩和(関税、BSE対策の月齢制限、肥育ホルモン剤の使用など)を日本に迫ってくるのは確実です。
しかし、米国産牛肉の安全性は、世界中で大問題になっています。米国では90%以上の牛が肥育ホルモン剤(合成ホルモン剤)を使って飼・肥育されています。合成ホルモン剤が残留している牛肉を食べ続けると、乳がんなどにかかるリスクが高くなることから、EUでも日本でも牛豚などへの合成ホルモン剤の使用は認めていません。米国産牛肉の輸入を禁止しているEUとの間で、10年近くも論争が繰り広げられていますが、米国は合成ホルモン剤の使用を止めようとはしません。
一方、日本の厚生労働省は、貿易摩擦が生じることを恐れて、輸入時の検疫で合成ホルモン剤のチェックはほとんど行っていません。もし、検疫を厳しくすれば、90%近くの輸入米国産牛肉は食品衛生法違反で廃棄処分か積戻し処置となるのは確実といわれています。
現状でこの状況ですから、トランプ大統領の圧力に屈し、現在、枝肉で50%の関税がゼロになったら、米国産牛肉は雪崩を打って日本市場に押し寄せ、日本人の健康を今以上に脅かすことになります。
■ホルモン残留濃度は国産牛肉の600倍!
米国産牛肉がいかに危険な食品なのか。次の報告書を読めば、納得できるでしょう。
09年に開催された日本癌治療学会学術集会で、北海道大学医学部の半田康氏・藤田博正氏らが、「牛肉中のエストロゲン濃度とホルモン依存性がん発生増加の関連」という研究報告をしています。
これは、日本において乳がんや前立腺がんといった「ホルモン依存性がん」の増加に、牛肉に残留する肥育ホルモンが関連しているのではないかという視点から、国内で流通する米国産牛肉と国産牛肉の肥育ホルモン残留濃度を調べた研究報告です。
その結果、驚くべきことに赤身肉部分で米国産牛肉は国産牛肉の600倍、脂肪においては140倍ものホルモン残留が確認されたといいいます。ちなみに、国産牛肉に残留しているホルモンは、牛本来が持っている天然ホルモンと考えられます。
牛の肥育ホルモンに使われる合成ホルモン剤はエストロゲンで、乳がんや前立腺がんの原因になるといわれています。エストロゲンを治療で人体に使うときは、医師は患者に対して、将来、乳がんになる可能性があることを告げます。そんなホルモン剤が、国産牛肉の600倍も米国産牛肉には含まれているのです。EUが米国産牛肉の輸入を禁止しているのも当然といえます。肉牛は、日本では生後25カ月まで飼育されますが、米国では生後20カ月で出荷されます。短期間に急成長させるために合成肥育ホルモン剤を使用し、エサ効率を高めているのです。
外食の激安ステーキなどは、100%米国産牛肉と思って間違いありませんから、いくら安いからといっても、飛びつかないほうが安全です。
(文=郡司和夫/食品ジャーナリスト)
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