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東芝の本社ビル (c)朝日新聞社
「売れるものは何でも売る」東芝は生き残るも解体か…〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170131-00000132-sasahi-bus_all
週刊朝日 2017年2月10日号より抜粋
東芝は1月27日の取締役会で、半導体部門の分社化を決めた。新会社の株式のうち2割ほどを売ることで、2千億円前後の利益を確保したい方針だ。キヤノンや米投資ファンドなどが関心を示している。
半導体事業はスマートフォンなどに使われるNAND(ナンド)型フラッシュメモリーが好調で稼ぎ頭。本体で抱えておきたい主力事業だが、「売らざるを得ない状況に追い込まれた」(大手証券アナリスト)。
綱川智社長は同日の会見で原発事業について、「ご迷惑をおかけしている」と謝罪。組織を社長の直属とし、管理体制を強化すると説明した。チェック体制の不十分さが数千億円と見込まれる巨額の損失につながったことを認めた格好だ。
会見では「原発事業から撤退すべきでは」との質問もあった。成毛康雄副社長は「新規受注は考え直す」としたが事業は続けるという。原発ビジネスを担う米子会社の債務を東芝本体が保証している部分もあり、撤退は難しそうだ。
損失額は7千億円超との見方がある。自己資本は2016年9月末時点で、約3600億円。半導体事業の一部売却で利益を確保しないと、17年3月期で「債務超過」に陥る恐れがある。すぐに経営が行き詰まるわけではないが、財務体質の大幅な悪化を示す債務超過は避けたい。
グループ会社の株式や東芝病院(東京)など、資産の整理も検討している。将来性が見込まれた医療機器子会社の東芝メディカルシステムズは、7千億円弱でキヤノンにすでに売った。高値が期待できる資産は残り少なく、「売れるものは何でも売らなければならない状況」(大手証券アナリスト)だ。巨大グループは今後、ばらばらになる恐れがある。
連結従業員数は約19万人。取引先も多く、「大きすぎてつぶそうにもつぶせない」(金融関係者)という。メガバンクは資金繰りを支援する方針で、経営が行き詰まる可能性は低い。
だが、存続しても大幅な事業見直しやリストラは避けられそうにない。半導体と原子力に集中する立て直し戦略にもリスクがある。半導体は多額の設備投資が必要なうえ、利益は市場の変動に大きく左右される。原発は福島の事故を受け、国内での新設はめどがたたない。太陽光発電の普及や原油価格の低迷もあって、世界的にも逆風が強まる。「売るべきは半導体ではなく原子力のはずだが買い手がつかない」(アナリスト)。危機を乗り切っても、名門企業として復活するのは長い道のりとなる。
ここまで追い詰められたのはなぜか。話は06年にさかのぼる。米国の大手原発メーカー、ウェスチングハウス(WH)買収だ。約6千億円の買収額は国内電機メーカーとして異例の規模で、原発事業で世界のトップランナーに躍り出た。
ニッセイ基礎研究所の百嶋徹上席研究員は「国際競争が激しくなるなかで、事業の選択と集中のため買収に踏み切ったこと自体は、当時の経営判断として間違いでなかった」と評価する。
問題はその後だ。福島の原発事故を機に、経営環境は急速に冷え込んだ。WHの価値は買収額に見合わず16年3月期に約2500億円の損失を計上したが、東芝は原発事業にさらにのめり込んでいった。
WHは15年末、原発建設を手がけるCB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)を買収。原子炉の設計から燃料製造、建設まで一貫して担うことにした。S&Wは米国での原発建設に伴う債務などがあり、契約上の買収額は0円。「タダより高いものはない」との言葉通り、これが数千億円の損失につながる。膨らんだ建設費を電力会社などにまわせず、S&Wがコスト増をかぶるためだ。
問題が東芝経営陣に正式に伝わったのは、16年12月中旬という。綱川社長は12月27日の会見で謝罪し、「リスクをチェックした時期が遅かった」と述べた。東芝は不正会計の発覚などで、管理体制の甘さがたびたび指摘されていた。改善が不十分だとして、東京証券取引所から「特設注意市場銘柄」に指定されている。
米格付け会社S&Pグローバル・レーティングは1月24日、投機的水準だった長期会社格付けを1段階下げ「CCC+」にした。財務改善に時間がかかるうえ、「戦略遂行やリスク管理といった能力が損なわれており、想定以上に深刻」としている。原発事業のリスクを経営陣がしっかり把握できず、社内の相互チェックも機能していなかった。
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