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黒田総裁悩ます「トヨタとトランプ大統領」
By WILLIAM PESEK
2017 年 1 月 30 日 17:15 JST
日本銀行の黒田東彦総裁にとって、30?31日に開催する金融政策決定会合は形だけのものだ。出席者を見渡し、そのインフレと経済成長に関する評価を聞いた上で、超金融緩和政策を維持するだろう。
なぜなら、黒田総裁が目を向けているのは、日銀のはるか西にあるトヨタ自動車の本社だからだ。その理由の1つは賃金だ。日本中の企業幹部は慣例をこよなく愛しており、トヨタが160億ドル(約1兆8300億円)以上に上るとみられる利益を社員と分け合うことほど、日銀を含め多くの企業に感動を与えることはないだろう。黒田総裁がいまいち浮かない顔をしているのは、歴史的な金融緩和の恩恵を受けているトヨタをはじめとする大手企業が利益の分配を渋っているためだ。
黒田総裁の胸算用でトヨタが中心となっているもう1つの理由は、ドナルド・トランプ米大統領の存在だ。
メキシコを巡るドタバタ劇は、東京や大阪、そして(トヨタの本社所在地である)豊田市では見過ごされることはなかった。トランプ政権はメキシコからの輸入品に20%の関税を課す方針を示したかと思ったら、心配する必要はないと述べた。トランプ氏が貿易戦争をちらつかせているもう1つの経済大国が権勢を振るうアジア地域はどうなるだろう。たとえ貿易摩擦が起きなくても、中国の先行き不透明感は黒田総裁にとって懸念材料の1つだ。だがトランプ氏はツイッターでたたくブラックリストにトヨタを加えるなど、個別攻撃の色彩を強めている。
トヨタはすぐに白旗をあげ、トランプタワーにはせ参じた安倍晋三首相を見習った。同社は(マイク・ペンス副大統領の地元である)インディアナ州の工場に6億ドルを投じ、新たに400人を雇用すると発表した。しかし、トヨタの品質と価値に対する定評は今年と来年、「日本株式会社」を危険にさらす可能性がある。日本は米国車に関税をかけていない。だがトランプ氏は、日本は「われわれが日本で車を販売するのを不可能にする行動を取っているにもかかわらず、私がこれまでに見た中で最も大きな船に数十万台の車を乗せて米国で販売しているのは不公平だ」と述べた。
日本政府はこのような「代替的事実(alternative facts)」にどのように対処するのだろう。安倍首相はどんなに頑張っても、日本国民に米国車を購入するよう説得することなどできない。たとえトランプ氏がドルを積極的に切り下げても、米国車は「フォルクスワーゲン」や「ミニクーパー」「フィアット」に負けるだろう。正直言って、米自動車メーカーの2015年の日本での販売台数が1万9000台近くだったと知ってちょっと驚いた。実は、もっと少ないと思っていたからだ。
安倍首相がその数字にすぐに0を1つ加えることができないことをトランプ氏が知ったら、腹を立てるだろう。日本に対する大統領の見方は昔のままだ。トランプ氏は、1980年代の日本企業による米国企業の買収や市場進出などを描いたマイケル・クライトン氏の小説「ライジング・サン」をノンフィクションとして読んだようだ。
当然のことながら、トランプ氏が中国政策をどのように展開するか考えている投資家は、過去の日米貿易摩擦について学んでいる。1990年代にはビル・クリントン大統領が、十数種類の日本車に100%の関税を課すと脅しをかけたこともあった。
黒田総裁が今週取るべき行動はバランスをとることだ。たとえ総裁が追加刺激策を打ち出さなくても、日銀はそれが円高につながらないよう気を付けなければならない。トランプ氏が大統領選で当選してからの円安は、日本の量的緩和政策の狙いの1つだ。さらに市場では、日銀が大規模な債券購入プログラムを縮小するのではないかとの臆測が広がっている。10年物国債利回りが急上昇し、円相場を押し上げ、すでに弱気に傾いている銀行関係者をろうばいさせる恐れもある。
[訂正]第4段落の「豊田市ではほとんど注目されなかった」を「豊田市では見過ごされることはなかった」に訂正します。
原文(英語): Bank of Japan Has a Toyota Problem
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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjtwa6AgurRAhWJfrwKHX0HDfwQqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11303642310634324165204582590754147471174&usg=AFQjCNGAf5zNLMTpc6KySwVhV16SH-PkBA
消費増税、物価目標達成後が望ましい=シムズ米プリンストン大教授
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1月30日、金融政策の限界論を提唱し、注目されている米プリンストン大のクリストファー・シムズ教授(写真)は都内でロイターの取材に応じ、財政・金融政策の一体運営の重要性を強調し、消費増税は財政再建のために必要であっても、2%の物価目標達成後に実施するのが望ましいと主張した。写真は30日、都内で撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 30日 ロイター] - 金融政策の限界論を提唱し、注目されている米プリンストン大のクリストファー・シムズ教授は30日、都内でロイターの取材に応じ、財政・金融政策の一体運営の重要性を強調し、消費増税は財政再建のために必要であっても、2%の物価目標達成後に実施するのが望ましいと主張した。
日銀も当面、現在の低金利継続が必要と強調した。今回の来日中に安倍晋三首相と会う可能性は否定しなかったが、現時点で予定はないという。
シムズ教授は、2011年にノーベル経済学賞を受賞した米経済学者。昨年夏に米ジャクソンホールで、ゼロ金利制約下では金融政策のみでは物価を十分にコントロールできず、財政政策が重要な機能を果たすという趣旨の講演を行い、世界的に注目を集めた。
同教授は「ゼロ金利制約下では金融政策が機能しないため、財政政策と金融政策が連携するのが望ましい」とし、「2%の物価目標を達成するまで、消費税率引き上げのような財政緊縮策は取るべきでない」と提言した。
このためアベノミクスは「2014年の消費増税がなければ、もっとうまくいっていた」と述べた。
20年間続くデフレから脱却するためには「財政政策を物価目標の達成と連関付けるべきだ」とした。「財政拡大とは、単に支出を増やすということではなく、人々に債務の一部は物価上昇で相殺されるとの期待を認識させることだ」と指摘した。
物価目標達成までに日本がとるべき財政刺激策の具体策については「専門ではない」として明言しなかった。
ただ、「物価目標との関連から消費税(増税延期)の方が所得減税より説明は難しくないだろう」と指摘した。
<PB黒字化より物価目標達成を>
日本政府が2020年度の達成を掲げる基礎的財政収支(PB)の黒字化は「大切だが、2%インフレ目標の達成を優先すべき」と主張。デフレが経済的に悪であるか「理論的に説明するのは難しい」とする一方、「歴史的にデフレが経済成長に望ましくないことは知られている」とし、デフレ脱却の必要性を強調した。
日銀の金融政策運営をめぐっては「2%の物価目標達成まで利上げは望ましくない」と指摘した。消費増税が遅れることなどで、急激なインフレが起こる可能性については「日本ではこの質問が多いが、米国ではボルカー議長時代のFRB(米連邦準備理事会)による利上げの経験から、中銀の物価コントロール力が知られており、急激なインフレは起こらないだろう」との見方を示し、「むしろ物価上昇が、なかなか実現しないことが問題」との認識を示した。
今回の来日でシムズ教授は、現時点で安倍首相と会談することは決まっていないとしたが、首相の経済アドバイザーである内閣官房参与の浜田宏一米イエール大名誉教授とは意見交換する機会があると述べた。
*写真を追加して再送します。
(竹本能文、スタンレー・ホワイト、麻生祐司 編集:田巻一彦)
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FRB、巨大バランスシートへの対応を検討
FRBのイエレン議長は、利上げが「軌道に乗れば」保有債券を減らす方針を示している
By MICHAEL S. DERBY
2017 年 1 月 30 日 16:05 JST
米連邦準備制度理事会(FRB)当局者らは追加利上げをいつ行うべきか熟考しつつ、別の重大な政策判断について検討し始めている。その判断とは、FRBが大量に保有する住宅ローン担保証券(MBS)と米国債の規模縮小を2017年中に始めるかどうかだ。
FRBが保有する長期債などの資産規模は、金融危機直前の07年には1兆ドルを下回っていたが、現在は4兆4500億ドル(約510兆円)まで膨れ上がった。これら資産を大量に買い入れたことで、長期金利の抑制を通じて経済成長を後押しできた、というのがFRBの考えだ。
米経済が金融危機やリセッション(景気後退)の後遺症を克服しつつあることを受け、FRBは既に利上げを開始している。FRBのジャネット・イエレン議長は、利上げが「軌道に乗れば」保有債券を減らす方針を示している。FRBの資産規模を危機前の正常とされる状態に戻したいと考える当局者は多い。
この決断には大きなリスクが伴う。保有債券を減らせば、金融市場に動揺が広がり、米国債やMBSの利回りは上昇しかねない。そうなれば、経済全体に影響が拡大する。
FRB当局者はバランスシートを縮小した経験がないため、それに市場がどう反応するかは知る由もない。だが、投資家の変わり身の早さはよく知っている。FRBが13年に債券買い入れの終了を示唆した際、金利は上昇し、新興国市場が打撃を受けた。これは今「テーパリングかんしゃく」として知られる出来事だ。
FRBは1月31日?2月1日に開く次回の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を据え置き、債券買い入れも現状維持とすると予想されている。
FRBのバランスシートを巡る議論はまだ初期段階だが、イエレン議長はこれを念頭に置いている。議長は19日のスタンフォード大学での講演で、FRBの債券保有による景気刺激効果は、保有債券の規模を縮小する時期が近づくにつれて薄くなっていくと指摘した。議長はこの講演原稿の脚注で、FRBが保有債券の規模縮小を始めるとの期待が高まれば、長期金利は上昇する可能性があると述べている。それこそが慎重に事を進めなければならない理由だ。
ニューヨーク連銀が昨年12月に行ったプライマリーディーラー(米政府公認証券ディーラー)調査では、FRBがあと1年半はバランスシートの規模を維持するとの見方が示された。
だがこのところ、バランスシートの縮小を始めるのは17年中が妥当との発言が一部のFRB当局者から出ている。セントルイス地区連銀のジェームズ・ブラード総裁は12月に行われたウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで、17年はバランスシートの縮小を開始する時期として「ふさわしいかもしれない」と述べた。
フィラデルフィア地区連銀のパトリック・ハーカー総裁は20日、FRBは「年内に」政策金利を1%超まで引き上げるべきだと述べた。そこまで利上げすれば、バランスシートの縮小開始を容認することが「次の措置」になるだろうと述べた。
ボストン地区連銀のエリック・ローゼングレン総裁もバランスシート縮小に前向きな考えを示している。
イエレン議長は12月、バランスシートの縮小を始める時期について「われわれはまだ明確な決定を下していない」と述べた。
FRB当局者は、政策手段として最も慣れ親しんだ政策金利の引き上げを当面は優先する考えを示している。また、景気が再び悪化した際に、景気刺激のため必要に応じて利下げする余地を十分残しておきたいとも考えている。
当局者らがバランスシートに関する計画について議論を始めた理由はいくつかある。
一つは、バランスシートをこれ以上拡大することに政治的な支持は得られないと考えているためだ。政策金利に関する理屈と同じように、バランスシートを縮小しておけば、将来的に景気浮揚のためバランスシートを拡大する必要が生じた時点でそれを実行する余地が生まれる。
利上げはドル相場の押し上げを通じて、輸出を抑制したり、足元でFRBが目標とする2%を下回っているインフレ率を圧迫したりすると懸念する声もある。利上げする代わりにバランスシートを縮小すれば、通貨高という代償を負わずに金融環境を引き締めることができる。
どのような手法でバランスシートを縮小するかについては多くの疑問が残る。FRB当局者は以前から、保有債券を売却すれば市場が混乱しかねないため、売却はしない考えを示している。当局者はむしろバランスシートを縮小する上で、満期債券の償還金を新発債に投じる「再投資」の取り組みを見直すだろう。
その具体的な方法は限られている。「再投資を全てやめる」とか「再投資額を徐々に減らす」といった方法が考えられるが、まずは長期債の償還金を短期債に再投資することから始めるかもしれない。
バランスシートをどこまで縮小すれば良いかも決まっていない。ハーカー総裁は「この問題に関する話し合いと調査を積極的に行っている」と述べた。
FRBのエコノミストであるエリン・サイロン、キム・スジョン、バーンド・シュルシュの3氏は、FRBのバランスシートが25年までに2兆7000億ドルへ縮小するとの予想を示した。
前FRB議長のベン・バーナンキ氏は、FRBは巨大なバランスシートを維持すべきで、縮小するとしても緩やかなペースにとどめるべきだと主張した。
バーナンキ氏は26日付のブログで、FRBの金融政策の運営方法が変わったことや市場および経済のその他の変化を考えれば、バランスシートの「最適な規模」は現時点で2兆5000億ドル超、今後10年では4兆ドル以上に達する可能性があると述べた。
「ある意味、米経済は4兆5000億ドルというFRBのバランスシート規模に見合う姿へと『成長』しつつあり、従って向こう数年間でバランスシートを急いで縮小させる必要性は低下している」と同氏は述べた。
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