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[ビジネスTODAY]サムスン、スマホ・家電 曲がり角
ノート7発火「原因は電池」 部品事業に再び活路
韓国サムスン電子は23日、2016年8月に発売したスマートフォン(スマホ)「ギャラクシーノート7」で発火が相次いだ問題を巡り、採用した2社の電池が原因とする調査結果を発表した。スマホ事業で失った信頼は大きく、中国勢の追い上げも激しい。消費者向けは曲がり角に立ち、半導体やディスプレーに自動車分野を加えた部品事業に再び活路を見いだす。
「700人の技術者が20万台以上のスマホと3万個の電池を調べた」。スマホ事業を統括する高東真(コ・ドンジン)無線事業部長は記者会見で、発火原因の特定に全力を尽くしたと強調した。
発表で具体的な社名は避けたが、2社はサムスンSDIと、TDK子会社の香港アンプレックステクノロジーとされる。SDIは充電中に電池内部の隅が圧迫されるなどの設計ミス、TDK子会社は絶縁テープの接着不良の製造ミスがあったもようだ。いずれも陽極と陰極が接触し電池ショートを誘発した。
高事業部長は「不良を見逃した最終責任は当社にある」とし、損害賠償請求を見送る意向を示した。そのうえで電池のX線検査や生産工程の不具合を見つける特殊検査など8つの対策を講じる。
これで発火事故問題は幕引きとなったが、スマホ事業への影響は残る。高事業部長は2月にスペインで開かれる国際見本市に次期モデル「ギャラクシーS8」を出展しない方向で検討することを明かした。S8の発売は当初予定の2月から4月ごろに遅れる見通しだ。
スマホは中国勢が急激に追い上げ、米アップルだけ見ればよい「2強時代」は終わった。発火事故の影響でかつて30%以上あった世界シェアは20%まで下がった。有機ELパネルを採用していた強みも、中国勢の追随で薄れるだろう。テレビも利益が出にくくなっており、価格競争が激しい消費者向けは業績のけん引力が落ちているのだ。
半面、好調なのは市況が良い半導体メモリーだ。これが底上げして16年12月期の全体の連結営業利益(速報値)は前の期比11%増の29.2兆ウォン(約2兆9千億円)、売上高は微増の201兆ウォン。営業利益は13年12月期に次ぐ過去2番目の水準だった。
日本企業も消費者向けから部品や企業向け取引にシフトするが、サムスンは迅速だ。昨秋に米自動車部品大手のハーマンインターナショナルを80億ドル(約9千億円)で買収することを決めた。サムスンとして過去最大の買収額で、自動車分野の攻略姿勢を鮮明にした。
さらに年10兆ウォン規模を有機ELパネルの製造設備に投じ、スマホで競合する中国勢にも幅広く供給する方針だ。スマホや家電の減速をどう補うか。事業構造転換に持ち前の機動力を発揮すれば、サムスンは再び強さを取り戻す。
(ソウル=山田健一)
電池事故、原因究明難しく
リチウムイオン電池の発火事故は原因究明が難しい。化学反応に起因することが多く、容量増強など技術的なハードルも高くなっている。発火につながりかねない部材や外部要因は複雑になる。
2006年にパソコン向けのソニー製電池で過熱・発火の問題が発生した。ソニーと第三者機関の報告書では「金属粉が混入した電池に、高速充電方式で規定を上回る電圧を断続的にかけた場合、発火などに至る可能性が増す」とした。ただ、一部のパソコンメーカーは「高速充電方式には問題はない」との立場を貫き、原因がはっきりしないまま、ソニーは回収費用を負担した。
13年には米ボーイングの新型旅客機「787」に搭載したジーエス・ユアサコーポレーションのリチウムイオン電池が、「熱暴走」と呼ぶ異常高温状態になり、発火。ボーイングはシステムを改修し、セルの過熱が他のセルに伝わってバッテリー全体が損傷するのを防いだが、過熱原因ははっきりしなかった。
今回、サムスン電子は「電池の問題」と明確な結論を出したが、電池メーカーに損害賠償を請求しない方針を表明した。TDKは「特定の顧客に関してコメントできない」とだんまりを決め込んだ。過去の事例と同じように責任の所在があいまいな状態となり、メーカー間の駆け引きが透けて見える。
(河合基伸)
[日経新聞1月24日朝刊P.11]
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