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無理な「毎月○円貯金」厳守でかえって貯蓄貧乏に陥る人たち…無駄なローンやカード払い
http://biz-journal.jp/2017/01/post_17878.html
2017.01.30 文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト Business Journal
多くのファイナンシャル・プランナーやお金の専門家が必ず口にするのが、「お金には色がない」というフレーズだ。
給料でもらうお金も、宝くじに当たったお金も、お金はお金。いちいち区別はしない。また、「お金に色をつけるべきではない」ともよく言われる。特に、貯められない人は、お金に色をつけすぎていることが原因になっているケースが多い。
たとえば、年の初めに「今年こそ100万円貯めよう!」と決意を固め、毎月積み立てを始めたとする。「今、50万円は手元にあるから、あと50万円を貯めるには月4万円の積み立てが必要」という計算になる。
銀行の自動積立定期預金でせっせとスタートしたまではよかったが、給料日前になると口座には数千円しか残高がなく、「とても生活費が足りない」となったとする。さて、どうしたものか。考えられるのは、給料日まではクレジットカード払いでしのぐか、定期預金を担保に借り入れをするかのどちらかだろう。
しかし、問題はそれで解決したわけではない。カード払いの代金は別の月に引き落とされ、今度はその月の生活費が足りなくなる。そして、またカードでしのぐ……という繰り返しになるからだ。
総合口座の借り入れを利用した人も、その返済をすれば、また生活費がショートするだろう。そして、また借り入れる……。ちなみに、定期を担保に借り入れをすると、預金金利に上乗せして0.5%の利息が取られる。どちらの方法も、「貯まらない家計」へのサイクルまっしぐらだ。
■「手取りの○%を貯蓄」で家計が火の車に?
この場合、貯まらない原因はおわかりだろう。月4万円の積み立てが犯人だ。もちろん、支出の管理が甘すぎるケースもあるが、それでも、カード払いや借金をするより、まずは「4万円」という金額を見直すべきだ。
しかし、これがなかなかできない。「積み立て用」という色が、そのお金にはついているからだ。同じ家計のお金なのに、「貯蓄に回す」と決めたとたん、それは使うための生活費から切り離されてしまう。
行動経済学に、「メンタルアカウンティング」(心の会計)という用語が出てくる。「我々は、心のなかで用途ごとにお金をきっちり仕分けしている」という意味だが、まさに「積み立て用のお金」は「使うなんて許されないお金」として、心が色付けをしているのだ。
特に、「手取り収入の〇%を目安に貯蓄しましょう」などという専門家のコメントを読んだりすると、もはや、その○%が“聖域”になってしまう。「100万円貯める」という志は尊いが、くれぐれも、それにとらわれて家計のほうが火の車とならないようにしてほしい。
同じことは、自動車ローンやリボ払いにもいえる。家電や自動車などの大きな買い物をする際、まとまった貯蓄があったとしても、それを取り崩したくないためにローンを利用するパターンだ。
マイナス金利の今、預金金利の数字はまず「0」から始まるが、ローン金利は確実に年利1%を超え、リボ払いに至っては15%にもなる。本来は手元にある貯蓄を使ったほうが余計な利息を払わずに済むのだが、ここでも「貯蓄」と「使うお金」という色分けがそれを阻む。
無論、手元の貯蓄がゼロになるまで使うのは得策ではないので、最低限のお金は残してほしいが、このようにお金を色分けしすぎると、結局は総資産の増加にブレーキがかかることになる。
■教育費や非常時のお金は「色分け」すべき
ここまでは「お金に色をつけるな」という話をしたが、例外もある。ひとつは、「使う時期と金額が決まっているお金」だ。自分で支出の時期をコントロールできないお金のことで、代表的なのは子どもの教育費だろう。
特に、私立高校や大学入学時にまとまったお金が必要になるので、児童手当や子供がもらったお年玉は家計とは別の口座に分けて、手をつけずにキープしておくべきだ。
次に色をつけたほうがいいのは、「いざというときのために、最低限手元に置くべきお金」だ。病気やけがで会社を長期間休んで減収になった、予期せぬリストラにあって失業した、共働きの予定だったが配偶者が子育てや介護で退職した……など世帯の収入減に備えるお金だ。
これらは、生活費の補てんに使う意味合いが強いため、よく「生活費の1年分」などといわれる。必ずしも別口座に取り置く必要はないが、手元にある貯蓄のうち、一定の金額は「いざというときのお金」であるという意識はしておいたほうがいい。
■目的別に7種類以上の積み立てを駆使する主婦も
とはいえ、お金を色付けすることで貯蓄のモチベーションが上がるという人もいるだろう。筆者がかつて取材した主婦で、目的別の積み立てを7種類以上している人がいた。
たとえば、数年後にくる車検用の積み立て、家電買い替え用の積み立て、教育費用の積み立て、家族旅行用の積み立て、将来の介護費用の積み立て……と、通帳もすべて分けていた。金額は小さくても、コツコツ時間をかけて積み立てる行為は、日本人が得意な方法かもしれない。
ここで大事なのは、時間をかけるということだ。金額を無理に引き上げるのではなく、時間をかけることで、結果的に大きなお金を積み立てる。「大きな枠のままでは、なかなか貯める気が湧かない」と感じる人は、自分のお尻を叩く意味でも、あえて細かい色付けをしてみるのもありだろう。
ただし、「貯まらない」と嘆く人は、そもそも使うお金のほうにしっかり色をつけ、そこからはみ出さないようにするのが先決かもしれないが。
(文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト)
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