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ダウ2万$乗せ
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52903018.html
2017年01月26日 在野のアナリスト
米国株式市場で、ダウが20000$台に乗せました。連発される大統領令に市場が反応した形ですが、実は目新しいものは何もありません。実行力を評価した、などと云われますが、現実問題として達成可能なものは少ない。例えばメキシコとの国境に壁、という話にしても、後払いでメキシコに100%支払わせる、としますが、メキシコから拒否される可能性が高い。その場合、制裁措置となるのでしょうが、その制裁には予算措置も必要となりますから、議会の承認が必要です。そんなものに、議会が承認を与えるとはとても思えない。まともな国際感覚があれば、まずメキシコとの壁をつくる建設費すら議会を通せないかもしれません。確かに、一部ではすでに壁もありますが、すべて造るのなら莫大な予算もかかり、また維持費もかかってくる。メキシコとの交渉が長引けば、その分を米国が肩代わりして金利等の支払いをしなければいけなくなるのです。
今回の2万$乗せは、昨年中につけるとみられていましたが、日柄調整を必要とした。それはトランプ氏の日向の部分しかみておらず、駆け上がるだけの具体的な材料に乏しかったから。今回はそれを『実行力』という形で好感したに過ぎず、現実にPER20倍を越した市場を正当化できるほどの材料ではありません。ただ今は祭りの状態、踊らにゃ損、損。として全員が史上初、という水準に踊り上がった形です。しかも問題は、世界の成長の大部分が不動産価格の上昇によって成し遂げられており、不動産価格の上昇が止まった段階で、PER20倍の現状に達することは、未来永劫難しくなる点です。
トランプ氏の政策は、一時的には財政の大盤振る舞いにならざるを得ない。メキシコとの壁や、ガスパイプライン、しかも国境税をかけるなら、それは国民に対する増税になりますから、他の部分で減税しないと可処分所得も減る。またインフレも促すので、嫌でも国債の利回りが上昇するでしょう。FRBが利上げを模索している最中でもあり、金利上昇局面を迎える。すると不動産市場も変調するでしょう。その転換点がいつ来るか? それが世界経済全体の転換点にもなってくるかもしれません。
トランプ氏の政策がほどほどなら、逆にその転換点は遠い。矢継ぎ早に、しかも実行力もあるのなら、その転換点は早くくる。なので幕間に好感するには、この辺りしかタイミングもないのでしょう。割と天井打つのが早そう、今のうちに2万$つけて、お祝いムードを煽って、早めに逃げだす。それが米投資家の一致した点でもあるのでしょう。
しかも、トランプ氏は国連の分担金にも難色を示し、シリアに安全地帯を創設、イスラエルではエルサレムに外交施設を移転、なども語っている。外交面では非常に危うい立場に米国はおかれることになるのでしょう。手をつけることさえ困難だった部分に、あえて手を突っこもうとしている。それが実行力なのか、やり過ぎなのか、それによって米国は厄介な問題に足をとられることになるのでしょう。
メキシコとの壁も、もし仮にメキシコが支払いを渋ったら、軍事圧力を高めてでも支払いを迫るかもしれない。中東の緊張を煽るのもそうです。トランプ氏、実に米国の軍産複合体にとって都合いいことをしている、との見方もできます。中国への圧力を高め、一つの中国を否定するのも同様です。軍事的緊張を高め、米国の兵器産業を潤すことも、当然のように雇用確保にはなるでしょう。日本に求められる貢献とは、軍事的な協力と、米軍事兵器の購入といった形になるのかもしれません。トランプ政権のマイナス面をみない相場つきは、こうした高まる世界的な緊張、という面でもそうなのでしょう。それが現実になるのは、存外早いかもしれません。メキシコの壁、Wall(壁)streetの住人がもっともその危険性を認識しているからこそ、今のうちに…が今だったのかもしれませんね。
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