http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/328.html
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コラム:
「イカロス」のドル高に備え必要か
山田修輔バンクオブアメリカ・メリルリンチ チーフ日本FX株式ストラテジスト
[東京 26日] - ドル円相場は12月中旬と1月初旬に118円台を達成した後、調整局面に入っており、トランプ相場は終了、円高に反転するとの見方が増えている。非常に難しい局面に突入したが、筆者の見通しは違う。
昨年11月の米選挙で大統領ポストに加えて、上下両院の過半まで獲得するという共和党完勝を受けて、1ドル120円シナリオの現実味が高まったと前回のコラムで書いたが、ドル円は引き続き中期的な上昇トレンドにあり、春にも日銀マイナス金利導入直後(昨年1月29日)の121円台を回復する公算が大きいと考える。
この見方に対する最大のリスクは、ドル安を目指す新たな通貨協定の締結だろう。こればかりは、予測不可能な面があるが、現段階ではトランプ新政権のドル高けん制は、貿易赤字是正に向けて各国との協議への道を開き、譲歩を引き出すためのツールとみる。
以下、筆者のドル高円安見通しの根拠を述べよう。
<円ショート積み増しの余地あり>
まず、足元のドル円相場を確認しておきたい。ここ数週間の調整で、ドル円は水準を切り下げた。米国の金利や株価と比べても、ドル円の調整は目立っている。
ただ、これはあくまで調整局面と考える。米商品先物取引委員会(CFTC)の国際通貨先物市場(IMM)統計を見ると、非商業部門の円ショートは確かに高い水準にあるが、歴史的水準に照らせばショート積み増しの余地はまだある。
オプション市場では、ドル円が下落する中でもドルコール(買い)需要は増加している。米国債券市場では、ヘッジファンドのショート積み増しと、長期投資家のロング積み増しが進んでおり、ポジション戦争の様相を呈しているが、今回はヘッジファンドに分がありそうだ。
実は、ドル円は1月下旬から4月上旬に強い季節性を有している。背景には複合的な要因があるのだろうが、2月前後は世界的に株が上がりリスクオンの円安となりやすく、3月下旬から4月上旬にかけての年度初めには日本人投資家の外債投資が出やすい。また、過去7人の大統領就任後の1カ月間で見ると、5回はドル高となっている。
<トランプ政策への警戒は行き過ぎ>
とはいえ、トランプ新政権の政策をめぐる不確実性は高く、ドル安の進行を招くのではないかとの見方は根強い。本当にそうなのだろうか。
確かに、そうした不確実性は直近のドル円調整を招いたファンダメンタルズ面の主因と言えるが、以下の通り、警戒は行き過ぎとなった可能性がある。
まず、米中貿易摩擦シナリオはトランプ・トレードに対する主要なリスクであるが、短期的なリスクはいくぶん後退している。トランプ大統領は就任初日に中国を「為替操作国」に認定せず、措置を講じる前に「まずは中国側と協議する」とした。
中国の習近平国家主席も17日にダボス会議で行った講演でグローバル化を支持し、融和的な印象を与えることに成功している。中国が「効率性と公平性のバランスをとり、全ての国家、社会階層、人々が経済のグローバル化のメリットを享受できるようにしていく」重要性を認めたことは、米新政権の対中強硬策が今後制約される可能性を暗示していそうだ。
また、一部には、医療保険制度改革法(オバマケア)撤廃問題をめぐる混乱から、トランプノミクスの柱として期待される財政改革が頓挫する可能性を懸念する声があったが、果たしてそうだろうか。
報道などを追うと、共和党議員は当初こそ内紛に陥ったが、代替制度の同時導入なしにオバマケアを撤廃することは政治的にリスクが高いとの認識に至ったように思える。
実際、共和党のポール・ライアン下院議長は「われわれの目標は全てを同時に実現することだ」と述べている。オバマケアに対してより現実的なアプローチがとられれば、財政改革が頓挫するリスクは後退する。
加えて、市場は、米国議会が意外と早く財政改革を実行に移す可能性を見落としている。延長されている債務上限凍結期間は3月15日に期限を迎える。臨時措置を講じても8月の夏季休会前に債務上限に達する見込みだ。
財政改革前の債務上限引き上げは政治的に困難とみられ、議会は財政改革と債務上限引き上げの同時可決に強い意欲を示す可能性が残っている。そうなれば、財政改革法案は7月までに可決される可能性がある。
一方、注目の国境税については、17日のトランプ大統領発言(国境税調整は「複雑すぎる」)に対し、市場はネガティブな反応を示した。しかし、スティーブ・バノン氏やラインス・プリーバス氏らトランプ大統領側近の一部は前向きであると報じられている。
下院歳入委員会のケビン・ブレイディ委員長も18日、米系メディアのインタビューで、「この規定を前に進められると確信している」と述べている。最終的には国境税調整も何らかの形で合意に至る可能性がある。国境税調整は、トランプ大統領の公約である法人税減税の主要財源だ。また、貿易収支と財政収支の改善、購買力平価の観点からドル高要因と考えられる。
このように、不確実性は確かに大きいが、米新政権の政策が短期的にドル円に与えるリスクは上向きと言えるだろう。ただ、トランプ新政権は、保護主義の観点からはドル安志向とも受け止められやすく、為替市場のボラティリティー上昇にはつながる。中期的には、ドル高の進行が「強いドル」政策の変更を政権側に迫るシナリオには警戒が必要だろう。
<日米金融政策の「かい離」再認識へ>
さて、より確実性が高いと言えそうなのは、日米金融政策の方向性のかい離である。今月30―31日の日銀金融政策決定会合では、出口論の封じ込めが予想される。株式市場では上場投資信託(ETF)買い入れ減額、債券市場では10年金利目標の引き上げなど、年内の緩和縮小シナリオがささやかれ始めている。
出口政策を徐々に論じ始めることは必要であると感じるが、これまでの黒田東彦総裁の出口論封じ込めの経緯と、目下の低インフレ率を考慮すると、緩和縮小シナリオについて「時期尚早」と一蹴する可能性は高い。
他方、1月31日―2月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、逆の方向性で注目される。そこで利上げに前向きな姿勢が示されれば(かつ経済指標が引き続き堅調ならば)、次々回(3月14―15日)のFOMCでの利上げが意識され、長期投資家により構築されてきた債券ロングポジションの巻き戻しにつながる可能性が高い。
市場は3月利上げの可能性を3割程度しか織り込んでおらず、金利上昇リスクは非対称的に大きい。来週の日米における金融政策決定会合を通して、政策かい離と金利差拡大方向が再認識される可能性が高い。
以上まとめると、ドル円が上昇サイクルを再開する公算は大きいと言えるだろう。米新政権が早晩、「弱いドル」政策に舵を切らない限り、1ドル121円を春先に達成する可能性は高い。
しかし、ドル高が急速に進めば、米新政権の反感を買う可能性も高まる。ギリシャ神話の「イカロス」のように、高く飛びすぎると墜落する危険をはらんでいる。今度の潜在的な円安は「危ない円安」と言えるだろう。
*山田修輔氏はバンクオブアメリカ・メリルリンチのチーフ日本FX株式ストラテジスト。PIMCOをはじめとして米国の金融機関でマクロ経済、市場分析に従事し、2013年より現職。2005年マサチューセッツ工科大学(MIT)学士課程卒、2008年スタンフォード大学修士課程卒。CFA協会認定証券アナリスト。石川県小松市出身。
*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。
(編集:麻生祐司)
*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。
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本田悦朗氏:今年1ドル120円当然あり得る−金利差拡大でドル円相場
氏兼敬子、藤岡徹
2017年1月26日 10:30 JST
日本の金利は金融政策で低位安定へ−本田氏
デフレ脱却には17年度も補正予算必要、5兆円なら追い風−本田氏
前内閣官房参与で安倍晋三首相に経済政策を助言した本田悦朗駐スイス大使は、トランプ米政権下でのドル円相場について、今年を展望すれば1ドル=120円を超える円安もあり得るとの見方を示し、その理由として日米の金利差を挙げた。
本田氏は25日、ブルームバーグの電話取材に応じ、為替相場はいろいろな要素で動くため短期的には予断を許さないと前置きした上で、「少し長い目でみれば方向としては円安方向にいくだろうと思う」と述べ、年内を展望した場合には「120円超えるのは驚きではない。当然あり得るだろうと思う」と語った。
トランプ米大統領は就任に先立って米紙ウォールストリート・ジャーナルとのインタビューで、ドルは「強過ぎる」と表明。次期米財務長官の承認を待つムニューチン氏も「過度に強いドル」が同国経済に短期的にマイナスの影響を与える可能性があるとの考えを、米上院議員に書簡で回答した。これらを受けて、昨年12月に一時118円台まで上昇したドル円相場は足元では113円台で推移している。
本田氏は円安方向を予想する理由として日米金利差に言及。米国金利が上がる方向である一方、日本銀行は短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%に誘導しているため、日本の金利は「当面低位安定すると思う」と述べた。米国は産業育成などから「短期的にドル高になり過ぎるのは困ると思う」としながらも、長期的には強い米国の象徴であるドルがそう弱くなっても困るとみている。
本田氏は日本の経済政策について財政出動が足りないとの見方を示し、財政赤字を増やしてでも名目国内総生産(GDP)を拡大して税収を増やすことが「先決問題」と指摘。デフレ完全脱却には2017年度に「大規模な本格的な補正予算が必要ではないか」と語った。具体的な規模は状況次第としながらも、「5兆円ぐらいの補正予算は日本にとっては非常に追い風」と述べ、公共投資以外に子育て、教育、科学技術など「所得再分配的な使い方も非常に重要だと思う」と語った。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-26/OKD1XG6KLVR401
前場の日経平均は大幅続伸、ダウ2万ドル突破好感し2週ぶり高値
[東京 26日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均株価は前営業日比275円34銭高の1万9332円84銭となり、大幅続伸した。米国市場でダウ.DJIが史上初めて2万ドルの大台を突破。良好な外部環境を好感した買いが優勢となり、取引時間中では1月11日以来、2週ぶりの高値を付けた。金融、景気敏感セクターの上昇が目立ち、「トランプ相場」の再来を意識させる展開となった。
TOPIXも大幅続伸した。朝方にドル/円JPY=が113円台で弱含む動きをみせたことで、日本株は買い一巡後、戻り売りに押される場面もあったが、次第に持ち直しの動きをみせ、前場後半に一段高となった。ドル建ての日経平均は170ドル台を回復。取引時間中では2000年5月以来、16年8カ月ぶり高値を付けた。
業種別では鉱業を除く32業種が上昇。証券、保険、銀行など金融セクターが上昇率上位に並んだ。外需関連もしっかり。午前中の東証1部売買代金は1兆2689億円と、商いは膨らんだ。
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http://jp.reuters.com/article/nikkei-mid-idJPKBN15A0AQ
ダウ初の2万ドル突破、株価は割高に
By JUSTIN LAHART
2017 年 1 月 26 日 07:47 JST
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
***
株式を評価する上で最も重要なのは価格だ。25日の米株式市場でダウ工業株30種平均が史上初めて2万ドルを突破したことで、米国株は割高感を増している。
ダウ平均が大台に乗ったことの重要性についてはさまざまな意見があるだろうが、慌ただしくこの水準に達した事実は否めない。ダウ平均は米大統領選挙後に9%上昇したが、通常こうした激しい値動きはすでに過去最高値をつけている局面ではなく、大幅下落した後の反発相場で見られるものだ。
より幅広い銘柄を網羅するS&P500種指数もダウ平均に並んで上昇しており、株価はどこから見ても割高になっている。
ファクトセットによると、S&P500種はいまや来年の予想利益の17.13倍で取引されており、予想PER(株価収益率)は選挙当日の16.5倍から上昇して、ここ10年余りで最も割高な水準に近づいている。S&P500種の実績PERもプロフォーマベースの前年利益(再編費用などの特別項目を除く利益)の19.2倍と、同様に高くなっている。エール大学で経済学を教えるロバート・シラー教授が広めた景気循環調整後PER(一般的に認められた会計原則を用いた過去10年の平均利益に基づくPER)は2000年代序盤以来の高水準に上っており、IT(情報技術)バブル期や1920年代末以外には踏み込んでいなかった領域に入っている。
バリュエーション指標はどれも完璧ではない。だがすべてが割高な株式市場を示唆していることは、投資家をためらわせる根拠となるだろう。また、金利は低く、債券に対する株式の妙味を高めてはいるものの、以前ほど低水準ではなくなっている。米10年債利回りは2.5%と、約2年ぶりの高水準に達している。
株価指数はこれまで政治的に重要な節目で下落する傾向を示してきた。だがドナルド・トランプ大統領が就任1週目に引き継いだ株式市場のバリュエーションは、80年代序盤のロナルド・レーガン元大統領や、金融危機下のバラク・オバマ前大統領が直面した極端に低いバリュエーションとは全く異なる。株価がさらに上昇する可能性がないわけではないが、市場に投じる資金を増やそうとしている投資家はそれに見合うだけのものを得ているか考えてみるべきかもしれない。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiu6JSo8t7RAhUHybwKHRrUDlkQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10852398588237353609804582581913485269388&usg=AFQjCNFUU-hRThNFC9QmmbnFUpYkyEqvhg
NYダウ、史上初の2万ドル突破:識者はこうみる
[25日 ロイター] - 米国株式市場では主要株価指数が続伸し、ダウ工業株30種は史上初めて2万ドルの大台を突破。ナスダック総合指数とS&P総合500種も共に過去最高値を更新した。
市場関係者のコメントは以下の通り。
●トランプ氏は行動の人、ダウ上昇へ
<パフォーマンス・トラスト・キャピタル・パートナーズ(シカゴ)のトレーディング・ディレクター、ブライアン・バトル氏>
トランプ米大統領は行動の人だ。税や貿易、規制という景気により重要な事柄を断行すると、皆が自信を持つだろう。
(ダウ平均株価が)10%上昇する可能性があると言わないが、公言した内容を実行し、その内容が企業を支援し、国内総生産(GDP)を後押しするなら、年内のダウ平均株価の伸びが5、6、7、8%となる可能性を考えるのが理にかなわないとは思わない。
●長期視点維持を、米国ようやく成長優先に
<マトソン・マネーのマーク・マトソン最高経営責任者(CEO)>
トランプ氏の大統領就任は市場には支援材料だが、投資家はこのニュース(ダウ2万ドル乗せ)に無条件反射するのではなく、引き続き長期的視野に立つべきだ。
米国の政策はようやく成長優先、低税率へと向かいつつある。企業への減税や規制緩和は、成長と雇用を促進する。強固で革新的、創造性豊かな米国を実現すれば、繁栄や経済成長に最適な環境を生み出し、すべての米国民に恩恵を与えるだろう。
●企業収益の改善が相場上昇けん引
<UBSウエルスマネジメント(チューリヒ)のマクシミリアン・クンケ氏>
ダウ2万台乗せは心理的なもので、企業収益の改善こそが相場の上昇をけん引しているという点が重要だ。投資家はトランプ大統領の動向に注目し過ぎている。
S&P500企業の2017年の収益は最低11%増加するとみており、S&P500.SPXは年末時点で2400ポイントになると予想する。トランプ大統領の政策も一部下支えとなるほか、法人税改革が進展すれば企業収益見通しの上振れもあり得る。
●公約実行で「トランプ・ラリー」再燃
<ワンダーリッヒ証券(ニューヨーク)の首席市場ストラテジスト、アート・ホーガン氏>
ダウ工業株30種の急上昇の主な要因は金融株の上昇だ。S&P総合500種とナスダック総合も最高値をつけており、大台乗せは注目を集める。
「トランプ・ラリー」が再び見られたのは、トランプ大統領が就任直後から公約を実行に移し始めたからだ。
ただダウが1万ドル台に乗せてから1万1000ドル台に乗せるまで何度も上下した。今回の2万ドル台乗せもゴールではなく、経過であると認識することが重要だ。
●ファンダメンタルズ改善が一因
<キー・プライベート・バンクの首席投資ストラテジスト、ブルース・マケイン氏>
(ダウの2万ドル突破を)2つの要因が後押しした。まず一つ目は全般的な企業業績の伸びや米成長率が第4・四半期に6%近辺に達した可能性で、ファンダメンタルズの改善を示している。
2つ目の要因は減税や規制緩和、財政支出の可能性への期待だ。こうした政府の政策への期待は幾分先走りしている感もあり、今後の政策をめぐり失望が広がる一定の余地は存在することから、相場が現在の高値から下げに転じる可能性はある。
長期的な動向はファンダメンタルズに左右されることになるが、明らかにファンダメンタルズは改善しつつある。
●海外で稼ぐ構成銘柄の好調は株高浸透示唆
<ウィーデンの首席グローバルストラテジスト兼デリバティブ分析部門責任者、マイケル・パーベス氏>
ダウの2万ドル乗せが重要なデータだとは思わないが、株高の裾野が極めて広いことを示唆しているのは確かだ。トランプ相場というだけではないだろう。なぜならダウ構成銘柄は海外へのエクスポージャーの大きい大手企業だからだ。
今後2万1000ドルに上昇、または1万9500ドルに押し戻されても重要ではない。トランプ政権下でより閉ざされた経済にさらされるであろう大型株が株高をけん引していることは素晴らしい。
*見出しを修正しました。
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米株下落、英EU離脱めぐる不透明感と原油安が重し
ダウ175ドル高、アップルやエネルギー株に買い
アングル:中国主席「市場開放」強調、海外企業に根強い不信感
みずほと三井住友トラスト、傘下の資産管理銀行の合併を協議=関係筋
焦点:「トランプラリー」は続くか、17年米株市場のリスク
http://jp.reuters.com/article/instantview-dow-over-idJPKBN15921R
NY市場 ダウ平均株価が初の2万ドル台 最高値更新
1月26日 6時31分
25日のニューヨーク株式市場は、トランプ大統領が掲げるインフラ投資など企業をあと押しする政策への期待感から買い注文が広がり、ダウ平均株価は初めて2万ドルの大台を突破して最高値を更新し、終値でも2万ドルを上回りました。
25日のニューヨーク株式市場は、前日、トランプ大統領が原油のパイプラインの建設計画を推進する文書に署名し、今後、空港や道路といったインフラへの投資をはじめ企業をあと押しする政策が公約どおりに行われるという期待感が高まって、取り引き開始直後から買い注文が広がりました。
このためダウ平均株価は初めて2万ドルを突破して最高値を更新し、その後も大手航空機メーカーの決算がよかったことが好感されて上げ幅を広げました。結局、ダウ平均株価は、前日より155ドル80セント高い2万68ドル51セントで取り引きを終え、終値でも2万ドルを上回りました。
市場関係者は「トランプ大統領の保護主義的な通商政策が景気に悪影響を及ぼす懸念はあるが、就任してから次々と指示を出す行動力への期待のほうが今は上回っている。主要な企業の決算がよかったこともあり、先行きに楽観的な見方が広がった」と話しています。
トランプ大統領「すばらしい!」
ダウ平均株価が初めて2万ドルの大台を突破したことについて、トランプ大統領の公式ツイッターは「すばらしい!」とひと言だけ配信しました。
ダウ平均株価の推移
ダウ平均株価は、金融機関のゴールドマン・サックスや、IT企業のアップル、エネルギー企業のエクソンモービルなどニューヨーク市場に上場するアメリカの優良な企業30社の株価を平均して算出されています。
ダウ平均株価はリーマンショックの後、2009年3月に6547ドルまで落ち込みましたが景気の回復とともに上昇を続け、2014年には1万8000ドルを超えました。その後は中国経済の減速への懸念などから1万5000ドル台まで値下がりした時期もありましたが堅調な個人消費などが支えとなり上昇傾向が続いていました。
去年11月の大統領選挙の投票日におよそ1万8300ドルだったダウ平均株価は、トランプ氏勝利の後、急上昇が始まります。インフラへの大規模な投資や大幅な減税、規制緩和といった景気を刺激する政策に焦点が当たり、関連銘柄に買い注文が膨らみました。政策が実現するのか、その道筋が見えていないにもかかわらず、期待が先行して株価は連日のように最高値を更新し、11月22日には1万9000ドルの大台を突破しました。
ことしに入ってもダウ平均株価は最高値の水準で推移し、今月6日には2万ドルまであとわずかの1万9999ドルまで迫る場面もありました。
エコノミストは
ダウ平均株価が初めて2万ドルを突破したことについて、格付けなどを行うS&Pグローバルのポール・シェアードチーフエコノミストは、「新政権は多くの点で型破りだが経済成長を望む観点ではとても高い基準を設けている。市場参加者は実際どうなるかよくわからないながらも、『アメリカをもう一度偉大にする』というメッセージを好意的に受け止めている」と話しています。
その一方で、シェアード氏は「新政権が保護主義的な政策を進めて貿易戦争や外国から報復を受けるような事態になれば、経済成長や市場にとって明らかにマイナスだ」と述べ、通商政策の行方が景気の動向や株式市場の値動きなどに大きな影響を及ぼすという認識を示しました。
トランプ相場 業種で明暗分かれる
25日に2万ドルの大台に達したダウ平均株価は、去年11月にトランプ氏が大統領選挙で勝利してからのおよそ2か月半で、1700ドル以上、率にして9.5%と急上昇しました。
トランプ大統領が訴えてきた、金融分野などの規制緩和やインフラ投資の拡大、それに大幅な減税といった政策の恩恵を受けると見込まれる業種の株式が期待感から買い進められました。これは個別の銘柄の値動きに明確に表れています。
大統領選挙の当日と25日の終値を比べると、金融機関では新政権の要職に幹部を送り出している「ゴールドマン・サックス」が30.8%の上昇と際立っているほか、「JPモルガン・チェース」も23.5%上昇しています。また、インフラ投資拡大への期待から建設機械大手の「キャタピラー」が16.9%、原油やガス開発の環境規制が緩和されるとしてエネルギー企業の「シェブロン」が10.4%、それぞれ上昇しました。
一方、トランプ大統領が輸入品に『国境税』をかけると主張している影響で、中国などから大量に商品を輸入している「ウォルマート・ストアーズ」は3.5%下落しているほか、医薬品を値下げする意向を示してきたことで製薬大手の「ジョンソン・エンド・ジョンソン」が3%下落しています。
ダウと並ぶ代表的な株価指数のS&P500を構成する企業の株価の上昇率を見ても、「金融」が13.8%と最も大きく、次いでインフラ投資の恩恵を受ける「素材」が9.8%だった一方、医薬品などを含む「ヘルスケア」は1.4%の下落となっていて、株価はトランプ大統領が訴える政策の影響を先取りして売買され明暗が分かれています。
注目・関連ワード
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170125/k10010853231000.html
トヨタ、試される米国での現地生産化策ートランプ氏は一層の貢献迫る
John Lippert
2017年1月26日 11:27 JST
トヨタは保守色の強い共和党支持州に相次ぎ工場を建設してきた
カローラを製造するミシシッピ工場に新たなライン設ける可能性も
トランプ米大統領が商務長官への起用を決めたウィルバー・ロス氏が上院の指名承認公聴会に先週臨んだ際、たびたび取り上げられた企業があった。それはトヨタ自動車だ。ペンス副大統領の地元インディアナ州選出の上院議員は貿易関係見直しで州内の雇用が損なわれないかと尋ねたほか、ミシシッピ州選出議員は「カローラ」が同州で生産されていることに満足感を示した。
これら共和党支持州はトヨタが進出してきた一帯だ。トヨタは約30年前、日米の通商関係が冷え込んだ時代に米政権への歩み寄りの一環として、ケンタッキー州ジョージタウンに最初の組み立て工場を建設した。それ以降、アラバマやテキサス、ウェストバージニアなど政治的に保守的な州に相次いで工場を新設した。
トヨタに関して9冊の著書があるミシガン大学のジェフ・ライカー教授は、「長年にわたりトヨタは外国企業であることや関税が課される可能性に極めて敏感だった」と分析。同社は反発を受けるリスクへの防衛手段として完璧な企業市民であることを目指していると話す。
トヨタは昨年、米国内で138万台余りの乗用車・トラックを生産。これはゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モーター、フィアット・クライスラー・オートモービルズのビッグスリーに次ぐ規模だ。それでもトヨタの現地生産台数は、米国内での販売台数を約100万台下回っており、日本、カナダ、メキシコで生産する輸入車で補っている。
トヨタは9日、今後5年間で米国に総額100億ドル(約1兆1300億円)を投資する方針を明らかにした。問題は米国へのこうした定着でトランプ大統領の姿勢を和らげることができるかどうかだ。
トランプ氏は24日、GMとフォード、フィアット・クライスラー幹部との会合を前にツイッターで、「ここで自動車を売るならここで新たな工場を建設してほしい」とつぶやいた。
高まる緊急性
事情に詳しい2人の関係者によると、トヨタは9日発表した計画以外にトランプ大統領に追加提案できるものを急ぎ探している。トランプ氏がこの日、フォードとフィアット・クライスラーの対米投資について公に感謝する一方、トヨタが打ち出した計画への言及がなかったことで緊急性が増したという。関係者は内容が非公開であることを理由に匿名を条件に話した。
トランプ大統領が米自動車メーカーの最高経営責任者(CEO)と24日に面談した直後、トヨタはインディアナ工場で400人を追加雇用し、6億ドルを投資すると表明した。
トヨタにとって米国外から米国への輸入を減らす一つの選択肢は、2011年に開設したミシシッピ州ブルースプリングス工場に組み立てラインを新たに設けることかもしれない。同工場の生産車種はカローラだ。トランプ大統領が批判したメキシコでトヨタが計画しているカローラ工場の代わりに同車種をそこで増産する可能性がある。北米トヨタのジム・レンツCEOは今月のインタビューで、ブルースプリングス工場の拡張を他の選択肢と共に積極的に検討していると明かした。
トヨタは近年、工場の稼働率が落ちても労働者をレイオフせず、ハリケーン「カトリーナ」で被災したニューオーリンズの復興を支援したりするなど、米国との親睦を深めようとしてきた。しかし、トヨタが急加速をめぐる懸念から数百万台のリコール(無料の回収・修理)に踏み切った10年以降、同社が米国内でどのように受け止められているのかに関して幹部がこれほど敏感になったことはないとライカー教授は話す。
同教授は「米国で工場を建て始めてからトヨタ幹部の安心感は増したが、警戒感はなお相当強い」と指摘した。
原題:Toyota’s Red Wall Tested as Trump Demands Even More U.S. Plants(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-26/OKBVJX6K50XS01
ドイツ自動車業界、トランプ氏の「不公正」発言に反論
独自動車業界は自動車貿易が不公正にドイツに有利とのトランプ氏の主張に反論している
独自動車業界は自動車貿易が不公正にドイツに有利とのトランプ氏の主張に反論している PHOTO: FOCKE STRANGMANN/EUROPEAN PRESSPHOTO AGENCY
By WILLIAM BOSTON
2017 年 1 月 26 日 11:41 JST 更新
【ベルリン】ドイツの自動車業界は、ドイツと米国との間の自動車貿易が不公正にドイツに有利になっているとのドナルド・トランプ米大統領の主張に反論している。
かつてドイツの閣僚を務め現在ドイツ自動車工業会(VDA)会長のマティアス・ビスマン氏は、独米自動車貿易についてのトランプ氏の発言をはねつけるとともに、北米自由貿易協定(NAFTA)を弱体化させるような障壁を設ける動きをけん制した。独自動車メーカーはNAFTAの恩恵を受けるメキシコに工場を保有している。
ビスマン会長は25日、VDAが当地で開いた年頭の会合で「保護主義は世界のどのような経済問題も解決していない」とし、「NAFTAの域内で制約が設けられれば、米経済は最初に著しい打撃を被る」と述べた。
同氏はまた、英国が欧州連合(EU)とEU単一市場からの離脱を決めたことは独自動車メーカーにとって大きなリスクだと述べた。英国は最大の輸出相手国で、昨年は80万台を輸出した。ビスマン氏は、英国・EU間のモノとサービスの自由貿易を継続するためにあらゆることをするようEUに求めた。
トランプ氏は最近、BMW、ダイムラー、フォルクスワーゲン(VW)を名指しし、これら各社がメキシコから米国に自動車を輸出すれば、35%の国境税を課して、生産拠点を米国に移すよう迫るとしている。
トランプ氏はこれまでに、ダイムラーの高級車「メルセデス・ベンツ」は米国でよく見られるが、米ゼネラル・モーターズ(GM)の「シボレー」はドイツでほとんど見かけないと話している。
だが米フォード・モーターとGMは今もドイツおよび欧州で最大の自動車メーカーだ。GMは事業再構築の一環として最近、欧州でのシボレー販売をやめ、子会社オペルの自動車を投入している。
ビスマン氏は、米国は独自動車メーカーにとって2番目に大きな輸出先だとしたが、ドイツの自動車メーカーと部品メーカーは数年前から米国での生産を大幅に拡大しており、米国で生産した自動車の半分余りを欧州などに輸出していると述べた。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiY3O7k9N7RAhUCf7wKHYd9BhYQFggaMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10852398588237353609804582582240302722070&usg=AFQjCNHecrTDnIsd-leV9rOgriyVNAF-Hw&bvm=bv.145063293,d.dGc
中国:昨年12月の工業利益、過去1年で最低の伸び−需要鈍化が響く
Bloomberg News
2017年1月26日 12:03 JST」
12月の工業利益は前年同月比2.3%増、11月は14.5%増
16年全体の工業利益は前年比8.5%増の6兆8800億元」
中国工業セクターの企業利益は昨年12月、価格上昇にもかかわらずここ1年で最低の伸びにとどまり、需要鈍化が景気拡大の重しとなる恐れがあることが浮き彫りとなった。
国家統計局が26日発表した12月の工業利益は前年同月比2.3%増の8444億元(約13兆9100億円)。11月は14.5%増だった。2016年全体の工業利益は前年比8.5%増の6兆8800億元。15年は2.3%減少していた。
オーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC、華僑銀行)の謝棟銘エコノミストは、「原材料価格は上昇しつつあるが、生産者はその分を消費者に転嫁できず、やや圧迫されている」と指摘。「景気の安定化が続けば利益が伸びる余地はなおあるものの、一段と保護色を強めているトランプ政権下の米国といった世界的な状況も不確実性につながっている」と述べた。
財政省のウェブサイトに掲載された発表文によると、昨年の国有企業の利益は1.7%増の2兆3200億元だった。
原題:China Industrial Profits Increase at Slowest Pace in a Year (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-26/OKD8YG6JTSEA01
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