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どこが危機?好調維持の韓国市場 政局不安関係なし
数々のスキャンダルを受けても株式やウォンは順調に推移をしている
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韓国大統領の弾劾を受けてソウルに集まったデモ参加者たち(12月9日) PHOTO: SEONGJOON CHO/BLOOMBERG NEWS
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JONATHAN CHENG IN SEOUL AND ESE ERHERIENE IN HONG KONG
2017 年 1 月 23 日 11:55 JST
韓国では大統領が弾劾を受け、国内最大財閥の事実上トップが政府からの見返りを目的に贈賄を行ったとして捜査を受けている。しかし低調が続いた韓国市場が突如勢いづく中で、これら事態を受けても投資家たちは強気姿勢を維持したままだ。
昨年の秋に汚職スキャンダルが浮上して以降、韓国総合株価指数(KOSPI)は18カ月来の高値まで上昇。外国人投資家は韓国の株式市場に10億ドル(約1143億円)を投入したが、これは域内では日本市場に次ぐ額になる。また調査会社のサクソ・マーケッツによれば、韓国の債券市場にも外国資本が12億ドルも流れ込んでいる。2017年に入り、韓国通貨ウォンはロシアのルーブルに次いで世界2位の上昇率を見せている。
また韓国政府は10年債を先週10億ドル相当発行したが、指標の米財務省証券10年債とのスプレッドは予想よりも低かった。18日には政府系の韓国輸出入銀行もニューヨークで15億ドル相当の債券を発行したが、応募超過のため予測よりもタイトな発行設定となっている。
政治的混乱が続く中でも韓国の株式市場は上昇を見せている
https://si.wsj.net/public/resources/images/OJ-AU489_SKMARK_16U_20170120053906.jpg
数カ月にわたり検察の標的となっているサムスン財閥も、スキャンダルをものともしない状況が続く。スマートフォンを製造するサムスン電子の株価は、昨年1年間で約65%も上昇。サムスン財閥の事実上トップである李在鎔氏への逮捕状請求を裁判所が認めないと発表した19日には、さらに1.5%の上昇を見せた。20日にはKOSPIが0.3%下落する中で、サムスン電子も0.7%下げた。
メディアには過激な見出しが並ぶ中でも、投資家たちは韓国株が割安だと判断。また同国の基盤も比較的安定していると見ている。国際通貨基金(IMF)は今年の世界経済成長率が去年の3.1%から3.4%に達すると推測するが、韓国市場も回復基調が見られる世界経済に後押しされるとする見方もある。
韓国の大企業が輸出に依存することもあり、同国は世界の貿易動向の行方を占う立場にあるとされることが多い。しかしドナルド・トランプ米大統領の就任によって保護主義が勢いを増す可能性が懸念される中でも、韓国市場は影響を受けていない。昨年12月に韓国の輸出額は2カ月連続の増加を記録。ここ2年にわたり輸出は低迷をしていたが、今年こそ回復を見せるのではないかと期待が寄せられている。
「政治や企業に関する問題で話題性の高いネタは投資家も好きだが、通貨市場は実際には国際的な要因によって動くことがほとんどだ」とBNPパリバ インベストメント・パートナーズで新興国市場債券の担当をするブライアン・カーター氏は話す。
長期的に見れば保護主義などの問題が今の状況に影を落とす可能性もある。しかし香港のミレー・アセット・グローバル・インベストメンツで共同最高投資責任者を務める ラフール・チャドハ氏は、今後1年から2年の間に何かインパクトが感じられるような状況にはならないだろうと指摘する。
それ以上に鍵となっているのは、政変や大規模なデモなどが実施されているにもかかわらず韓国の政治体制が安定を見せていることだ。
チャドハ氏は「国民は明らかにシステミックリスクではないと考えている」と指摘。今の事態も「あくまでも孤立した問題であって、対処できると考えられている」と続ける。「韓国経済は高度に発達しており、体制もしっかり機能している。うまくいけば次の選挙も半年以内には行われることになる」と楽観的だ。
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http://jp.wsj.com/articles/SB11177354273695693774104582575872651643862
ギャラクシーノート7の過熱、バッテリーに原因=サムスン
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サムスンは23日の発表文で、ギャラクシーノート7の過熱はバッテリーが原因であることが判明した、と説明した。 PHOTO: AHN YOUNG-JOON/ASSOCIATED PRESS
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TIMOTHY W. MARTIN AND EUN-YOUNG JEONG
2017 年 1 月 23 日 13:06 JST
【ソウル】韓国のサムスン電子はスマートフォン(スマホ)「ギャラクシーノート7」の過熱は供給会社2社の製造過程とバッテリーの設計が原因だったとの見方を示した。同機種の過熱・発火問題は昨年、250万台のリコールにつながった。
サムスンは23日の発表文で、「バッテリーが原因であることが判明した」と説明した。
同社の説明によると、独立系調査会社2社の調査で、サムスン系列バッテリーメーカー1社製のバッテリーの右端が圧迫され過熱したことが判明した。また、同機種の交換品に搭載されたバッテリーには「溶けた部分」があったという。
ウォール・ストリート・ジャーナルは20日、バッテリーが本体の接続部分に正しく適合されていなかったことと、生産急増に関連した製造上の問題が今回の問題の原因だったようだと報じていた。
会社側の説明によると、今回の調査には約700人のサムスンの研究員やエンジニアが協力し、20万台超のスマホ完成品と3万個超のバッテリーを調査した。独立系調査会社もう1社の調査ではサムスンのサプライチェーンに問題は見つからなかったという。
同社は今後、「数段階の」安全対策や8段階に及ぶバッテリーの安全点検、バッテリー専門家による社外委員会などを設けると明らかにした。
米大統領就任で「トランプラリー」の行方は:識者はこうみる
[東京 23日 ロイター] - ドナルド・トランプ氏が米大統領に就任したことで、東京市場では「トランプラリー」の行方が焦点となっている。20日の米大統領就任式では、保護主義的な政策が前面に打ち出された一方、減税やインフラ投資など市場が期待した政策には踏み込まなかった。市場関係者の見方は以下の通り。
<FXプライムbyGMO常務取締役 上田眞理人氏>
トランプ新大統領の就任演説は、スローガンに終始し、市場が期待していた財政拡張に対するコミットメントは示されなかった。
逆優先順位とも受け取れる「止める事リスト」、すなわち、環太平洋連携協定(TPP)やオバマケアなどは改めて示されたが、インフラ投資や法人税減税については触れられなかった。
米国では各地で「反トランプデモ」が起こり、アメリカが分断されていることが浮き彫りになったため、為替市場はリスクオフ的なムードが広がり、ドル安となっている。ドル/円で112円を下回れば、110円前半が照準に入ってくる。
中長期的には、今後、主要閣僚人事が承認され、具体的な政策が出てくるまで、動きづらいが、トランプラリーで構築された短期筋のドルロングは依然市場に残っている。
テクニカルにも、底流にあるドル高トレンドが終わったとは言えない状況だ。
ただその一方で、トランプ政権では、国内政策のみならず、対外政策でも政治的な不確実性が付きまとう。
特に対中東政策を巡っては、テルアビブにある在イスラエル米大使館をエルサレムへ移転する計画など、今後の政治リスクの高まりを軽視するわけにはいかない。
<ケイ・アセット代表マーケットアナリスト 平野憲一氏>
米国のトランプ新大統領の「米国第一主義」を強調した演説は、市場の予想通りの内容といったところだろう。だが、外為市場でドル/円は円高方向に振れ、米金利の上昇も一服している。グレートローテーションの一時的な逆流は起こるだろう。演説直後に環太平洋連携協定(TPP)からの離脱と、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を宣言した。こういった通商政策の変更について株式市場も注視していかなければならない。特にTPP離脱は日本にとって重要な影響をもたらすが、日米二国間の貿易協定など形を変えた協力関係は残ることになろう。日経平均は短期的には調整局面に入るが、1万8500円もしくは直近の安値である1万8650円あたりが下値となるだろう。当面は1万9000円を確保できるかが焦点だ。25日移動平均線(1万9282円75銭=20日)を回復することができたら調整は一段落し、反騰に入ったと捉えてよい。
<野村証券エクイティ・マーケット・ストラテジスト 伊藤高志氏>
米大統領就任演説は、いい意味でも悪い意味でもサプライズはほとんどなかった。米国市場では週末、VIX指数.VIXが低下した。無事にイベント通過となったが、週明けはドル安/円高が進み、日本株も機械的に反応している。ただブレグジット(英国の欧州連合離脱)や、米大統領選の局面では、もっと派手に為替は動いていた。それと比べると振れは小さく、すう勢が変わったとも言い難い。演説では米国第一主義が高らかに宣言された。今後は他国とのいざこざもあり得るとの受け止めが一部であるのだろう。だがトランプ米新大統領が何を言おうが、米国経済はしっかりしている。米金利の先高観も示されている。日米金利差拡大となれば、円安圧力がかかり日本株の下支え要因となる。保護主義政策も、極端な政策は事実上不可能だ。米国内の「さびついた」地域に雇用を持ってくるということと、保護主義というのは同義ではない。TPP(環太平洋連携協定)離脱表明も、すでにかなり前から市場には織り込まれていた。トランプ政権の政策も常識的なものに落ち着くという見方が、週末からの先進国市場の反応ににじみ出ている。
<三井住友銀行チーフストラテジスト 宇野大介氏>
トランプラリーの推進力は、先進国で低成長が常態化し、新興国経済に息切れが目立つ中、覇権国である米国がインフラ投資や減税を実施すれば、経済に相応の効果をもたらすとの期待だった。しかし、20日の大統領就任演説を経て、金融市場では、政策の中身や具体性が乏しいとの見方が広がり、トランプ政策に対するこれまでの「高すぎる評価」は修正を強いられている。色々な意味合いで成熟したこの世の中で、トランプ大統領の就任をもって、劇的なゲームチェンジは起こるはずもない。米国が財政余力に乏しく「無い袖は振れない」ことが、具体性欠如の背景にもなっている。結局、トランプ政策の着地点は、財政赤字と貿易赤字の「双子の赤字」の拡大で、米国、そして世界にとって百害あって一利なしである。ドル/円の年間見通しについては、トランプラリーが終焉したことを踏まえて、107.50―117.50円へと修正するが、今後ドルのニューショートを誘う材料が出てくれば、下限の調整が必要になるだろう。安倍首相が20日に行った施政方針演説は「日米同盟こそが外交・安全保障政策の基軸である。これは不変の原則だ」とトランプ氏に向けたメッセージで始まった。偶然にも演説と同日になった大統領就任式では、あたかも日本を想定したかのように、米国は荒廃と衰退と引き換えに、何十年も他国の産業と軍事力を豊かにしてきたと、トランプ新大統領は述べた。さらに昨年11月半ばの安倍・トランプ会談後に、安倍首相が米国のTPP離脱の翻意を可能と述べた直後、トランプ氏は離脱を表明している。こうしたすれ違いに見て取れるように、日本は、通商・安全保障面において、戦後のリーダーシップを米国に求め望んでいるものの、当の米国・トランプ新大統領はそれを完全に否定し、保護(プロテクション)こそが偉大な繁栄と強さに繋がると、米国一国主義を最大のスローガンとして掲げている。為替相場への示唆としては、他国である日本に都合の良い円安を提供する気はさらさらないということとなり、安倍首相の望む為替円安においても、米新政権から譲歩を引き出すことは、これまでの経緯を踏まえれば、更に一層の困難を極めるものと推察される。
<三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフ為替ストラテジスト 植野大作氏>
ドル/円はじりじり値を下げているが、基本的に昨年末からの「トランプラリー」のスピード調整とみている。トランプ政権の財政政策が実際に稼働する10カ月以上も前に中身も見ないで17円以上もドルが買われたのは、さすがに勇み足。マーケットは、政策の具体的な中身を確認したいというモードに変わってきている。ただ、今の局面でトランプ財政に対する「期待の貯金」がすべて消えたかといえば、そういうことはない。トランプラリーの起点が101円だったとすれば、112─113円まで下がったとしても自律反落の範囲内とみていいだろう。3月末までのドルのレンジは107─118円を想定している。予算教書のように完全なかたちではなくても、トランプ氏のツイッターなどを通じて具体的な減税やインフラ投資の内容が出てくれば市場は安心してドル買いとなるだろう。一方、議会との交渉をまとめていく求心力がなく、いつまでったても具体策が出てこなければ110円割れもあり得る。トランプ氏は保護貿易主義、関税政策など様々なことを言っているが、それらの要因を全部まとめてドル高なのか、ドル安なのか方向をまとめていくことは非常に難しい。ただ、トランプラリーを刺激したのは、完全雇用状態の米国経済に減税と公共投資で強烈な刺激を入れるというインパクトだった。市場はまず、その中身がどうなるのかを見極めにいくことになる。
*内容を追加しました。
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