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長時間労働問題は、政府の会議でも議論の対象になっている
24時間営業、もうもたない 人手不足に加え「働き方改革」
http://www.j-cast.com/2017/01/22288373.html?p=all
2017/1/22 16:00 J-CASTニュース
人手不足が深刻化する中、外食や小売業界で、24時間営業をやめたり、正月の休業を増やす検討をしたりする動きが広がっている。広告大手の電通が昨2016年末、違法な長時間労働を理由に書類送検され、長時間労働の是正が社会的課題となっており、営業時間を減らす動きに拍車がかかっているようだ。
外食チェーン大手のすかいらーくは17年1月半ばから順次、主力のファミリーレストラン「ガスト」と「ジョナサン」の深夜営業を大幅に縮小する。24時間を含め、深夜にも営業している店舗は現在約1000店あり、このうち約750店の営業時間を短縮。原則として深夜2時に閉店し、早朝7時に開店する体制に改める計画だ。
■「ワンオペ」が大きな社会問題に
一方、百貨店大手の三越伊勢丹ホールディングス(HD)は2018年から、主要店舗で正月の営業開始を4日からにして、三が日は休業にすることを検討している。同社は既に2016年から、首都圏の大半の店舗で初売りの開始を従来の1月2日から3日に繰り下げており、大西洋社長は「労働環境を改善しないと人材は集まらない」と述べている。
ロイヤルホストや日本マクドナルドでも24時間営業の見直しを段階的に進めており、外食や小売業界で営業時間を短縮する動きは加速している。その大きな要因は、少子高齢化の中で深刻化している人手不足だ。労働力の中心となる生産年齢人口(15〜64歳)は、1995年の8716万人をピークに、2015年には7592万人と、20年で1割強も減少した。
こうした状況下、24時間営業をはじめとした長時間営業をまかなうには、従業員に過酷な労働を強いることにつながりかねない。ゼンショーホールディングス(HD)傘下の牛丼チェーン「すき家」では、人手の確保が追いつかず、深夜に1人で接客や調理を担当する「ワンオペ」が常態化し、2014年にその苛酷な実態が表面化し、大きな社会問題になった。
■新規出店ができない状況も
労働環境を健全に保ちながら人材を確保するには、賃金を上げて対応するしかない。しかし、個人消費が低迷から抜けきれない中、人件費の高騰は経営を圧迫する。このジレンマの中、営業時間を削減するしか方法がないのが実情だ。
「外食や小売りの現場では、人を確保できないため、新規出店ができない状況も生まれている。24時間営業を続ける環境は厳しさを増している」(エコノミスト)との声もある。働き方改革が安倍政権の重要課題として浮上しており、24時間営業のあり方も長時間労働是正に向け、政府の会議で議論の対象となっている。営業時間縮小の動きは止まらないだろう。
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