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企業の休廃業・解散 最多
昨年2万9500件超す、倒産減も中小苦境
2016年に休業、廃業したり解散したりした会社の数が2万9500件を超え、過去最多を更新する見通しとなった。3年ぶりに増加に転じる。後継者難や人手不足など先行きへの不安から、経営が行き詰まる前に自主廃業を選ぶケースが増えている。09年以来、8年連続減っている「倒産件数」の統計には表れない中小企業経営の苦境が浮かび上がる。
民間調査会社の東京商工リサーチによると休廃業と解散を合わせた件数は前年比で約3000件増える見通し。一方、13日に同社がまとめた全国の倒産件数は前年比4%減の8446件と8年連続で減少した。
休廃業・解散件数はこれまで最も多かった13年の2万9351件を超え2万9500件を超える見通しだ。特に増えているのは建設業など人手不足が深刻な業種。大幅な赤字ではないものの、後継者難などから傷が浅いうちに廃業するケースが目立ってきている。
倒産件数は1990年(6468件)以来26年ぶりの低水準で、リーマン・ショックのあった2008年(1万5646件)の半分程度の水準にまで減少した。負債総額は2兆61億円で前年比5%減少した。負債1000億円以上の大型倒産もパナソニックプラズマディスプレイ(負債額5000億円)の特別清算申請以外になかった。
倒産が減る一方で休廃業が増えている背景について、三菱総合研究所の武田洋子チーフエコノミストは「企業の財務体質は健全化して倒産は減少しているが、後継者や人手不足から廃業が増えている」と指摘する。経営状況は良くても人手が足りず経営を続けられないケースだ。武田氏は「IT(情報技術)やロボット、人工知能(AI)の導入などの効率化が求められる」と話す。
大和総研の長内智シニアエコノミストは「経営者の高齢化や国内需要の伸び悩みが要因」と分析する。東京商工リサーチによると15年の全国の社長の平均年齢は、前年より0.2歳延びて60.8歳となり最高を更新した。
企業の開業も増えている。15年の1年間で新たに設立された法人は前年比4%増の12万4996社で、6年連続で前年を上回った。訪日外国人の増加などで宿泊業が59%増と大幅に伸びた。一方で再生エネルギー関連は需要が一服し、電気・ガスなどは33%減少した。
ただ国際的な比較では「日本の企業の新陳代謝は進んでいない。労働力や技術が失われ潜在成長力が下押しされる」(長内氏)という。
休廃業は今後も増えるのか。東京商工リサーチの友田信男常務は「休廃業の増加は、むしろこれからが本番だ」と指摘する。金融庁は金融機関に取引先の将来性などから担保や保証に依存せず融資する「事業性評価」の推進を求めており、金融機関からの廃業圧力が強まると見ている。
「国としても将来性のない企業を市場から退出させ、成長力がある産業への労働力の集約を進める方向にシフトしている」(友田常務)といい、今後も休廃業の流れは加速しそうだ。
[日経新聞1月14日朝刊P.5]
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