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福島産ヒラメ完全復活(2018年5月)、要注意
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2018/06/21(木) 19:59:49 めげ猫「タマ」の日記
東京中央卸売市場への福島産ヒラメの出荷量をみたら(1)
事故前年(2010年5月)7.1トン
昨年(2017年5月) 12.8トン
今年(2018年5月) 15.4トン
で(1)、今年5月の出荷量は事故直前に比べ倍以上、昨年に比べ20%増しです。福島の海の汚染は続いています。注意が必要です。
福島第一原発では幾つかの排水路があります。以下に示します。
※(2)にて作成
図―1 福島第一排水路
以下に各排水路のセシウム137濃度を示します。
※1(2)にて作成
※2 法定限度は(3)による。
図―2 福島第一排水路のセシウム137
図に示す通り事故から7年間、法定限度を超える汚染排水が流れて続けています。福島の海は汚染され続けています。厳格な検査が必要です。福島県いわき市は福島県沿岸部南部に位置し、南を茨城県と接しています(4)。以下にヒラメの検査結果を示します。
※1 検査結果は(5)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
※3 日付けは捕獲日
※4 ()内は検査先
図―3 ヒラメの検査結果
図に示す様に千葉県産、茨城県産からもセシウムが見つかっています。福島県が検査すると福島県いわき市産ヒラメからは見かりません。厚生労働省(5)の発表を数えると昨年(2017年)10月以降で147件連続で検出限界未満(ND)です。海は繋がっているのに千葉や茨城産ヒラメから見つかるセシウムが県境を越えて汚染源に近い福島県いわき市に入ると見つからなくなるなど、おかしな話です。
ヒラメに限らず福島産水産物の出荷前検査は厚生労働省の発表(5)を見ると、福島県農林水産部に属する福島県農業総合センター(6)で実施してます。中立性に疑問があります。
以下に各排水路の全ベータ濃度を示します。
※1(2)で作成
※2 法定限度は(3)に示すストロンチウム90の基準値を(4)にて全ベータに換算
図―4 福島第一路排水の全ベータ濃度
図に示す通り事故から7年近く経ちましたが、福島第一から海へは法定限度を超える全ベータを含む汚染排水が流されています。福島の海は汚染され続けています。全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質で、全ベータの半分がストロンチウム90由来です(4)。当然ながらセシウムだけでなくストロンチウム90の汚染も心配です。
ところが厚生労働省はストロンチウム90の検査は必要ないとしています。
ストロンチウム90はセシウムに対し一定の割合を想定すればよいとの説明です。厚生労働省は放射性物質がセシウムだけなら1キログラム当たり120ベクレルまで「安全」であり、基準値は100ベクレルとしています(8)。するとセシウム20ベクレル相当がストロンチウム90等の放射性物質よる被ばく分です。1ベクレルの放射性物質を取り込んだとして
セシウム137では 0.013マイクロシーベルト
ストロンチウム90では0.028マイクロシーベルト
の被ばくをします(9)。この割合から考えると厚生労働省が想定しているストロンチウム90の限度は1キログラム当たりで
9ベクレル(20×0.013÷0.028)
になります。現行の基準値を下回った食品から1キログラム当たり9ベクレルを超えるストロンチウム90が見つかれば、基準値以下でも「安全」とは言えなくなります。
以下に福島原発沖20km圏内の魚のストロンチウム90の検査結果を示します。
※(10)を集計
図―5 20km圏内の魚のストロンチウム90の検査結果
図に示す様に本年は過去最高となる1キログラム当たり30ベクレルのストロンチウム90を含む魚が見つかりました(11)。最高値を出した魚(クロダイ)セシウムは基準値以下の50.2ベクレルですので、危険なレベルのストロンチウ90です。この件は福島の魚はストロンチウム90が検査されていない限り「安全」とは言えません。東京電力の発表(10)を見る限り福島産ヒラメのストロンチウム90は検査されていません。
それでも福島県は福島産ヒラメは安全だとし(12)、漁と市場への出荷が再開されました(13)。ヒラメは福島県が力を入れている魚です(13)。以下に各年5月の東京中央卸売市場への出荷量を示します。
※(1)を集計
図―6 福島産ヒラメの東京中央卸売市場への出荷量
図に示すように出荷量が回復し、福島産ヒラメの東京中央卸売市場の出荷量を見たら
事故前年(2010年5月)7.1トン
昨年(2017年5月) 12.8トン
今年(2018年5月) 15.4トン
で(1)、今年5月の出荷量は事故直前に比べ倍以上、昨年に比べ20%増しです。
以下に東京中央卸売市場でにヒラメの出荷量に対する福島産の割合を示します。
※(1)を集計
図―7 福島産ヒラメの割合(東京中央卸売市場)
事故前は11%程度だったものが16%に上昇しています。東京中央卸売市場に出荷されてるヒラメのしているヒラメの6匹に1匹は福島産です。
以下に各年3月の全国平均と福島産の東京中央卸売市場での取引価格を示します。
※(1)を集計
図―8 ヒラメの取引価格(東京中央卸売市場)
図に示す通り事故後は福島産は全国平均に比べ安くなっています。水産加工品はフライ類を除き原産地表示の必要がありません(15)。ヒラメのお寿司やヒラメを含むお刺身の盛り合わせなどは産地表示義務がありません。公式には福島産ヒラメは「安全」とされています(12)。そして美味しいそうです(16)。だったら産地表示のいらない物には価格が安い「フクシマ産」を優先するのは仕方がないとです。
安全とは言えない福島産ヒラメが広く出回っています。注意が必要です。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
福島産は安全でなかろうがあろうが「安全」とされ、出荷されていきます。これでは福島の皆さんは不安だと思います。
福島はサクランボのシーズンになりました(17)。福島のサクランボはつややかな赤い宝石の甘酸っぱさで人気があるそうです(18)。福島産は検査で「安全」とされます(19)。でも福島県相馬市のスーパーのチラシには福島産サクランボはありません。
※(20)を引用
図―9 福島産サクランボが無い福島県相馬市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県福島市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-2561.html
(1)東京都中央卸売市場-統計情報検索中を「大分類⇒鮮魚、中分類⇒その他鮮魚類、品目(小分類)⇒ひらめ(国内)」で検索
(2)中長期ロードマップ|東京電力⇒中長期ロードマップの進捗状況⇒2018年4月26日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第53回事務局会議)⇒【資料3-6】環境線量低減対策(9.52MB)PDF
(3)サンプリングによる監視|東京電力中の「サブドレン・地下水ドレンに関するサンプリング」
(4)いわき市 - Wikipedia
(5)報道発表資料 |厚生労働省
(6)農林水産部 - 福島県ホームページ
(7)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(8)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(9)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(10)報道配布資料|東京電力中の「魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所20km圏内海域> 201*年度 第*四半期採取分(*は1〜7の数値)」
(11)2017年7月13日魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所20km圏内海域> 2016年度 第4四半期採取分(PDF 756KB)
(12)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中の海産魚介類編 [PDFファイル/199KB]
(13)福島県における魚介類の試験操業に関するポータルサイトです
(14)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(15)加工食品品質表示基準改正(原料原産地表示等)に関するQ&A|消費者庁
(16)福島のヒラメ 不安の声受けタイでのPRイベント中止 | 東京電力 福島第一原発事故 関連ニュース | NHK 40年後の未来へ 福島第一原発の今
(17)特産品を知る | JAふくしま未来について | JAふくしま未来
(18)特産品を知る | JAふくしま未来について | JAふくしま未来
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