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米、プルトニウム削減を日本に要求 核不拡散で懸念
政府、上限制で理解求める
2018/6/10 2:00
日本経済新聞 電子版
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31583890Z00C18A6MM8000/
米政府が、日本が保有するプルトニウムの削減を求めてきたことが9日分かった。プルトニウムは原子力発電所から出る使用済み核燃料の再処理で生じ、核兵器の原料にもなるため、米側は核不拡散の観点から懸念を示す。日本は保有量の増加を抑える上限制(キャップ制)を導入し理解を求める。プルトニウムを再利用する核燃料サイクルを進める日本の原子力政策に影響を与えそうだ。
プルトニウムの製造は核兵器への転用を防ぐため原則禁止だが、資源の乏しい日本は再処理して原発で再利用することを日米原子力協定で認められてきた。非核保有国で再処理を認められている国は日本だけだ。
日本は原発などで燃料として消費するはずだったが、2011年の福島第1原発事故以降、全ての原発が停止した。その後も再稼働が進まず、プルトニウムを燃料として再利用できていないため、たまり続けている。すでに原子爆弾約6千発に相当する約47トンに達し、国内外の原子力関連施設で保管する。
核兵器への転用リスクがあるプルトニウムを日本がためこむことは、中国などから「不要の疑念を呼ぶ」とかねて批判されてきた。米国は12日の米朝首脳会談で、北朝鮮に完全な非核化を迫る。国際社会は核不拡散へ断固とした姿勢をみせており、日本を特別扱いできないと判断した可能性もある。
このため、米国家安全保障会議(NSC)などは日本政府にプルトニウムの適切な利用・管理を要求した。プルトニウム保有量に上限を設け、削減策を公表することや、日米原子力協定が自動延長されるのにあわせて日米共同文書を発表することなどだ。
米国の要請を受け、日本のプルトニウム管理を担う原子力委員会はプルトニウム保有量を減らし、現在の水準は超えないとの方針を6月中にも決める見通しだ。使用済み核燃料の再処理でプルトニウムを生み出す日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)の操業も、先送りする可能性が高い。事実上の上限制で、国際原子力機関(IAEA)へ6月下旬にも報告する方向で調整している。
政府は大手電力会社でつくる電気事業連合会へ、プルトニウム保有量を減らすよう依頼した。再稼働が進む西日本の四国電力と九州電力の原発で、東京電力と中部電力の保有分を、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)として原発で燃やして消費するよう検討を求めた。
電力各社は国内の原発でMOXを消費してきたが、自社の原発で発生した分に限っており、他社の原発から生じたものは原則利用していなかった。このため他社から受け入れることには抵抗感が強く、立地自治体の反発も予想される。実現へのハードルは高い。
日本は原発を基幹電源と位置づけてエネルギー政策を推進するが、再稼働が思うように進まないにもかかわらず、たまり続けるプルトニウムの問題を放置していた。
再稼働が全国的に進まない現状だとプルトニウムの消費が進む可能性は乏しい。日米原子力協定の自動延長後は、6カ月前までにいずれかが通告すれば一方的に協定を終了できる。保有量が減らないまま米国が協定の見直しを迫れば、再処理が認められなくなり日本のエネルギー政策は岐路に立たされることになる。
日米原子力協定
使用済み核燃料の再処理を認めるなど、日本の核燃料サイクル政策の根拠となっている2国間の協定。米国は日本がプルトニウムを核兵器に使用せず、発電など平和利用に限ることを条件に原子力関連の燃料や技術を輸出することを決めている。
現行の協定は1988年に結び、30年後にあたる2018年7月が期限。協定は期限の6カ月前までに日米いずれかが破棄や改定交渉を申し出なければ自動延長される。現在は双方から申し出がないため自動延長される予定だ。
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