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「原発事故と『食』」五十嵐泰正氏 (日刊ゲンダイ 2018/3/29)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/226003
社会学者の著者が、「食風評」が起こる市場のメカニズムや消費者心理、マーケティングなど複雑に絡み合う風評の構造をさまざまなデータや学術的見解を用いて俯瞰した論考集だ。
「そもそも風評というのは、科学的には安全であるにもかかわらず危険視される現象を言い、一般的にはいずれ収束していくものです。ところが福島の場合は、当てはまらなかった。3・11以降、買い控えや忌避行動はいつまでも収まらず、明らかに風評被害と断言できる領域が広まっています。放射能という大きな問題があるにせよ、これほどまで風評が長引いたのはなぜなのか。根本にあるのは、行政に対する不信感ですね」
事故後の放射線リスクを心配する声が高かったのは当然としても、米は2012年産から全袋全量検査を行い、そのリスクは他県よりも低く、野菜も基準値以下が確認されている。消費者庁の最新調査では、13%が「福島県産の購入をためらう」だが潜在的にはもっと多い可能性があると著者は言う。
そんな中、今年3月に森友学園問題に絡む文書改ざんが発覚。その直後にツイッターに「こんな文書が改ざんされる国で、福島の検査なんか信用できるか」というコメントが書きこまれた。
「まさに、これですよ。事故後の情報が混乱していたとき、世間では、政府関係の主流科学者と科学的に疑問符のつく話をする非主流的専門家とが意見を二分していました。しかし、事故を起こしたのは政府であり、そもそも信頼が揺らいでいた。安全宣言をしてもデータには情報操作があるのではないかとの不信感が払拭されなかったんです。今から思えば、あれは、主流派と非主流派のどちらが消費者の信頼を勝ち取れるかというゲームのようなもの。政府はそのゲームに負けたんです」
こうして最初に持たれた悪いイメージがうっすらと固定化したまま、忘れられていく。著者はこれを“悪い風化”と呼ぶ。
「政府に対する不信の他にも、さまざまな要素が絡み合っています。たとえば原発の名前。県の名前がついているために、どうしても関連して思い出してしまう。もし、名前が違っていたらここまで福島と結びつかず、風評被害は長引かなかったかもしれません。さらに、消費者の情報がアップデートされないことも要因なのですが、これには流通システムと深いかかわりがあります」
事故が起こったとき、流通業者や小売店の担当者が福島県産を避けるのではないかと、いわば消費者感情を忖度して仕入れを止めたのだ。これが可能だったのは、福島県の作目が、キュウリ、トマト、米など日常の食卓を支える汎用的品目だったこと。つまり、他県と代替が利く品目だった。
しかし、福島県産しか手に入らない夏のキュウリは事故後も東京市場における占有率は落ちてはいない。
「福島県産品の安全性が認められたからといって、一度失ったスーパーの棚を取り戻すのは簡単ではありません。消費者は棚になければ手に取りません。選択肢が他にあったり、消費者と福島とが地理的にも心理的にも遠ければ遠いほど関心が薄くなり、安全情報は耳を素通りしていく。市場や流通過程で発生した風評被害は、消費者の接触機会が減ることで続いていくんです」
風評被害は決して福島だけの問題ではない。我々にも大いに関係していると著者は言う。
「差別やまた異なる放射能リスク判断をする人に対する揶揄による、社会の分断です。科学者は原子力は課題はあるが、制御できると言います。しかし、政府と国民、国民同士の信頼が薄い今の社会で扱える技術ではない気がしますね」
(中央公論新社 820円+税)
▽いがらし・やすまさ 1974年、千葉県柏市生まれ。筑波大学大学院人文社会系准教授。専門は都市社会学、国際移動論。現在も柏市に暮らし、音楽や手作り市などのイベントを行う団体「ストリート・ブレイカーズ」の代表を務める。編著に「みんなで決めた『安心』のかたち」、共編著「よくわかる都市社会学」など。
--------(引用ここまで)------------------------------------------------
新人の御用学者らしいが、言っていることは例によってデタラメだらけである。
風評被害と言われているものが収束しなかったのは、風評ではなく実被害だったからである。
実際に、政府の大甘の安全基準の100ベクレル/kgすら余裕で越える汚染食品が、
事故7年以上経った現在でも毎週のように見つかっている。
そして放射能被ばくによる健康被害もどんどん深刻化しているのは否定できない事実である。
全袋全量検査はたった10秒のスキャンであり、こんなずさんな検査では、
放射性廃棄物レベルの汚染しか見つからない。
きちんと検査するには1サンプルにつき2時間以上かかる。
誰もこんなインチキ検査を信用していない。国民をバカにするなと言いたい。
消費者の信頼を勝ち取れるゲームで政府が負けたというが、現実にひどい食品汚染が
あるのだから政府が信用されないのは当たり前、ゲームではなく厳然たる事実に屈服したのだ。
主流、非主流科学者がいて主流が正しいと言いたいようだが、実際は、事実を捻じ曲げて
安全デマを流す政府系御用科学者と、事実を隠ぺい改ざんせずに素直に受け入れる
まともな非御用科学者がいるだけである。
原発に「福島」という名前がはいっていたから福島産が敬遠されると言っているが、
これも噴飯ものだ。
放射能汚染に懸念を持っている人は、福島だけでなく近県の宮城や栃木、茨城、群馬などの
農作物も敬遠している。原発の名前は全く関係がない。
例によって被害を福島だけに矮小化し差別の問題にすりかえているが、
地元の住民自体が福島産を避けており、避難民も1割しか帰還していない。
なぜなら、避難しなかった残留者たちが被ばくでバタバタ死んでいるのを
彼らはよく知っているからだ。
原子力は制御できないからこそ、4基も大爆発を起こして全く収束できない状況に陥っている。
元々信頼が薄かったのではない。
国民の大半は原子力は安全だと信じていたが、爆発事故によりその信頼を完全に失ったのだ。
福島とその近隣県の農水産物に実被害、すなわち健康被害が生じうる放射能汚染があること。
そして実際に放射能汚染による深刻な健康被害が出ていること。
消費者はその事実をよく知っていて汚染食品を敬遠していること。
これらの事実を素直に認めない限り、いくら社会学の屁理屈をこね回したところで
何の意味もないし何も変わらない。
おそらく同じ状況のまま、10年後も20年後も風評被害だ差別だとわめいていることだろう。
(関連情報)
『原発事故と「食」』/五十嵐泰正インタビュー (中公新書)
http://www.chuko.co.jp/shinsho/portal/105841.html
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