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高浜原発のミサイル危機「飛んで来たら終わり」 高まる住民の不安
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180314-00000047-sasahi-soci
AERA dot. 3/16(金) 7:00配信
旧音海小中学校を改修した放射線防護施設。約130人の地区住民全員が3日間過ごせる食料やヨウ素剤も備蓄している/福井県高浜町音海地区(撮影/編集部・渡辺豪)
高浜原発に最も近い旧音海小中学校の放射線防護施設にはヘリポートも整備されている(撮影/編集部・渡辺豪)
高浜原発再稼働のリスクを訴える東山幸弘さん。背後の高浜原発3、4号機(左奥の球形)は稼働中で、資材で覆われた1、2号機は運転延長に向け改修工事が進む(撮影/編集部・渡辺豪)
万が一、有事にでもなれば弾道ミサイル攻撃の標的になる可能性も取りざたされる原発は日本海沿いに集中する。地域はどう考えているのか。記者が現場を歩いた。
全国の原発の4分の1が集中する福井県南部の嶺南地方。若狭湾に突き出た内浦半島に位置する高浜町音海(おとみ)地区の防波堤からは、関西電力高浜原発の蒸気の白煙をほぼ正面に見据えることができた。
「あれは稼働のサインです」
原発再稼働に反対する「ふるさとを守る高浜・おおいの会」メンバーの東山幸弘さん(71)はそう言って、今度は周囲の釣り客に目を向けた。原発の温排水の影響で魚が集まる内浦湾内は格好の釣り場だという。
高浜町出身の東山さんは、京都大学原子炉実験所(大阪府熊取町)に職員として勤務。定年退職後の2009年にUターンした。北朝鮮の「ミサイルリスク」に懸念を深める東山さんは、原発は再稼働させることでリスクが格段に高まる、と説く。
「飛んできたら終わり」
「停止中であれば、核燃料制御の鉄則である『止める』『冷やす』『封じ込める』のうち、『止める』『冷やす』の作業は不要です。しかし稼働中だと、付属施設に1発でも命中すれば制御不能に陥ります」
高浜原発1〜4号機は、1974年に1号機から順次運転を始めた。11年の東京電力福島第一原発事故後、3、4号機は16年に再稼働したが、大津地裁の運転差し止めの仮処分決定などで停止。その後、大阪高裁の仮処分取り消し決定を受け、17年5〜6月にかけて運転を再開した。
原発関連の仕事に携わる人が多い町内で、東山さんの活動に表立って同調する人はほとんどいない。しかし、高浜原発に最も近い「共存圏」ともいえる音海地区で異変も生じている。
運転開始から40年を迎えた1、2号機について、原子力規制委員会が16年6月、運転を最長20年間延期することを認めた。これを受け関西電力は、19年10月以降の再稼働を目指し、改修工事を急ピッチで進めている。こうした中、音海地区の自治会が16年12月、原発の運転延長に反対する意見書を採択し、関西電力などに提出したのだ。地区には「運転延長反対」の看板も掲げられるようになった。
音海漁港近くで電動カートに乗った女性(76)に声をかけた。音海地区で生まれ、太平洋戦争中は米軍のB29の空襲も経験したという。女性は北朝鮮のミサイル攻撃について「ものすごい恐怖感がある」と打ち明けた。
「ミサイルはいつ飛んで来るか分からんし、飛んで来たら音海は終わりやね。戦争のときに原発が動いとったら、原爆を抱えているのと同じと違いますか」
北朝鮮は日本を射程に収める「ノドン」を200〜300基保有する。周囲を見渡し、女性はあきれた様子でこう言った。
「国はミサイルが降ってきたら、『頑丈な建物や地下に避難する』とか行動例を示してますけど、この辺でどこへ逃げろって言うんですか」
高浜町は原発事故に備え、町内10カ所に遮蔽や空気浄化機能を強化した放射線防護施設を設置。音海地区では廃校になった旧音海小中学校を改修し、ヘリポートも整備した。
前出の東山さんは言う。
「高浜町に隣接するおおい町にある大飯原発も年度内に再稼働予定です。災害でもミサイルでもテロでも、この辺りは同時多発的にトラブルが発生するリスクがあります」
地元行政も住民の危機意識を共有している。
北朝鮮の相次ぐミサイル発射などを受け、福井県の西川一誠知事は昨年9月、小野寺五典防衛相にミサイル攻撃に対する原発防御などを緊急要請した。高浜町を含む福井県内の原発立地自治体の4市町長も昨年11月、防衛省に同様の要請を行った。
自衛隊はどう対応するのか。防衛省は「イージス艦を展開させるとともに、拠点防護に使用するため全国に分散配置されているPAC3(地対空誘導弾パトリオット)を状況に応じて(原発)周辺にも機動的に移動、展開させる」としている。
これに対し、防衛政策に詳しい東京新聞の半田滋論説兼編集委員は「日本のミサイル防衛網は破れ傘だ」と指摘する。
「自衛隊が保有するPAC3は34基。2基1セットで展開するため配備できるのは最大17カ所、しかも2基でカバーできるのは直径50キロの範囲にすぎません。米軍が06年に嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)にPAC3を24基配備しましたが、沖縄の米軍基地を守るためだけにこれだけ配備したのと比べると、気休めにもならないのが分かると思います。ミサイルの雨が降ってきて、広げた傘には骨組みしかなかった、という状況になるのは目に見えています」
政府は16年8月、北朝鮮の弾道ミサイル発射に備えた自衛隊法82条の3に基づく破壊措置命令を「常時」に切り替えた。これを受け、大阪府高槻市在住の水戸喜世子さん(82)は、ミサイル攻撃を受けた場合の被害で人格権が侵害されるとして昨年7月、関西電力に高浜原発3、4号機の運転差し止めを求める仮処分を大阪地裁に申し立てた。
水戸さんの夫は、70年代初めから反原発運動の草分けを担った放射線物理学者で、芝浦工業大教授だった故・水戸巌さんだ。父の背中を追いかけて物理の世界に進んだ京都大院生の共生(ともお)さん、大阪大生の徹(てつ)さん(いずれも当時24)の双子の兄弟は、山を愛した父とともに登山に親しんだ。86年末、「これが最後」と北アルプス・剱岳を目指し、父子は消息を絶つ。翌夏、登山仲間が3人の遺体を確認した。夫の遺志を継ぐ水戸さんは言う。
「戦争状態になるリスクがあるからJアラートが鳴ったり、避難訓練が行われたりしているのでしょ。それぐらい大変な状況なのに、なぜ原発だけ放っておくの、というのが私の素朴な思いなんです。頭を抱えてしゃがみ込むことよりも、やらなければならないことがあるはず。このままだと原発は自爆装置になってしまう。日本には福島や広島・長崎の経験もあるのに……」
仮処分申請は、年度内にも大阪地裁の決定が出る見通しだ。原告代理人の一人、河合弘之弁護士はこう主張する。
「北朝鮮が日本に弾道ミサイルを撃ち込むと、それは自殺行為になるからやらないとの指摘や、ミサイルの精度が低いから原発には当たらない、というのは俗論です。核燃料を扱う原発の安全性は、地震や火山といった10万年に1回のリスクにも向き合うなど、一般の社会生活の危険性とは異なる尺度で確保されなければならないのです」
関西電力は本誌の取材に「ミサイルの破壊力は不明ですが、原発敷地内に着弾した場合も、主要な設備は堅牢な格納容器の中にあることから、ただちに大きな災害には至らないと考えています。仮に電源供給や給水に支障が生じた場合も、電源車や大容量ポンプ、消防車など可動設備があり、5層の深層防護で安全確保を図ります」と説明した。
これで安心と言えるのか。高浜町の野瀬豊町長は複雑な胸中を明かした。
「100%の確率でミサイル迎撃できますか、といった問いを突き付けると、いきおい先制攻撃論みたいな話に発展しかねません。今の法体系の中で日本が持つリソースを最大限活用するしかないのでは」
国内の原発は高浜原発3、4号機のほか、九州電力の川内原発1、2号機(1号機は定期検査中、鹿児島県)で稼働している。日本の原発リスクは、日米の政策次第との見方も否めない。(編集部・渡辺豪)
※AERA 2018年3月19日号より抜粋
先の東日本大震災では福島第二、東海第二、女川も紙一重で事なきを得たのは偶然でしかない。ミサイル対策よりも、まだまだやるべき事がたくさん。
— myline1919 (@myline1919) 2018年3月15日
高浜原発のミサイル危機「飛んで来たら終わり」 高まる住民の不安〈AERA〉(AERA dot.) - Yahoo!ニュース https://t.co/aD2t4vCJMu @YahooNewsTopics
■「Jアラートでしゃがみ込んでも意味ないよ」(https://t.co/UbGdUDUt9c) 【高浜原発のミサイル危機「飛んで来たら終わり」 高まる住民の不安】(https://t.co/3Di5s1hm17)/《全国の原発の4分の1が集中する福井県南部の嶺南地方》
— AS (@ActSludge) 2018年3月15日
「戦争状態になるリスクがあるからJアラートが鳴ったり、避難訓練が行われたりしているのでしょ。なぜ原発だけ放っておくの、というのが私の素朴な思いなんです」→高浜原発のミサイル危機「飛んで来たら終わり」 高まる住民の不安 AERA dot. https://t.co/ZMKABHnu1J
— 田井中雅人/Masato Tainaka (@tainaka_m) 2018年3月16日
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