http://www.asyura2.com/17/genpatu49/msg/511.html
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NHKが放映した「被曝の森 2018」が大きな波紋を広げているようだ[1]。
各大学・研究所の研究結果が示す深刻な放射能汚染の実態にショックを受けた人も多いだろう。
しかし現代よりも1950年代のほうが放射能被ばくの研究は進んでいたと言ったら、
信じない人が大半ではないか。
ウソだと思う人は、ドキュメンタリー「世界は恐怖する」(亀井文夫監督 1957年制作)を
見てほしい[2][3]。
当時は米ソ中心に盛んに核実験が行なわれ、大気の放射能汚染が深刻になりつつあった。
放射能汚染の計測、および動植物・人体への影響を知ることが喫緊の課題だった。
1950年代と言えば、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」に描かれた時代である。
日本は敗戦の深い傷からようやく立ち直り始めたころであり、まだまだ社会は貧しく、
一般家庭にはテレビも電気冷蔵庫もなかった。
計測装置など研究設備は現在とくらべてはるかに見劣りのするものだったが、
それでも工夫や苦労をして高水準の研究があちこちの研究所で精力的に行なわれていた。
そしてそれらの研究成果は1963年の大気圏核実験禁止条約の締結となって実を結んだ。
すでに当時から60年以上経過しており、科学・医学の各分野はめざましい進歩を遂げた。
しかし驚くべきことに被ばく研究についてはほとんど進捗・進歩がない。
それはこのドキュメンタリーの内容と最新の研究結果をくらべてみれば明らかだろう。
進歩どころか当時すでに判明していた事実を新たな発見のように驚いている体たらくだ。
どうしてこんな状況になってしまったのか。
それは政府が原子力ムラとぐるになって、原子力推進に不都合な被ばく研究を
予算を取り上げたり妨害したりして徹底的に潰してきたからである。
これは原子力推進の総本山IAEAが各国政府とグルになって進めてきた世界規模の陰謀である。
ごく微量の放射性物質で深刻な健康被害が生じることが判明すると、それを根拠に反対運動が激化し、
また賠償訴訟も頻発し原子力は推進できなくなる。
そうなっては困るので被ばくに関する研究を徹底的に妨害し潰してきたのだ。
その典型的な犠牲者がバンダジェフスキー博士である。
放射性セシウムが心臓に蓄積され心筋を破壊することを発見した彼は、濡れ衣を着せられ
逮捕されて拷問を受け、故国ベラルーシから追放されてしまった[4]。
1960年代以降、政府・原子力ムラは原子力を推進するため、御用学者に潤沢な工作資金を与え、
インチキな研究成果をでっち上げさせ、「被ばくは心配御無用」、「放射能を浴びると健康になる」
といったデタラメな安全デマを吹聴してきた。
これが今日まで続いている。
60年前にまともな被ばく研究をしていた人たちはかなり前に引退しており、すでに鬼籍に
はいった人も多い。
被ばく研究に大きな断絶があり、当時得られた研究ノウハウや成果が全く継承されないままに
なっているのだ。
チェルノブイリ事故でもあれだけの健康被害が出たのだから、しっかり研究に取り組めば、
かなりの知見が得られ、治療法も確立したはずである。
ところがIAEAは被ばく被害を徹底的に否定・無視し、被ばく研究を隅に追いやってしまった。
その結果、被ばくに対する知見や治療法は継承されず、日本では一般の国民はもちろん、
医師まで被ばくに無知・無防備であり、バタバタと亡くなる悲惨な状況に陥ってしまったのだ。
果たしてこの暗黒時代は終わるのだろうか。
否、今後被ばく研究に対する迫害・弾圧はますますひどくなるだろう。
すでに日本では数え切れないほど被ばくによる深刻な健康被害が生じている。
それを科学的・医学的に裏付けるような研究を政府が許すわけがなかろう。
"不都合な事実"を追及するジャーナリストや研究者はすでに公安に尾行・盗聴されており、
不審死も起きている[5][6]。
これから被ばくに関する研究を志す人は、執拗な妨害や弾圧に抵抗する覚悟、
命を危険にさらす覚悟が必要だ[7]。
生半可な意志ではすぐに潰されてしまうだろう。
それはそうと、研究を始めるにあたっては、まず1950年代の文献調査から始めるべきだ。
おそらく、かなりのことが60年も前に判明していたことに驚くにちがいない。
(関連情報)
[1] 「被曝の森 2018 見えてきた“汚染循環” (NHKスペシャル)」 (拙稿 2018/3/9)
http://www.asyura2.com/17/genpatu49/msg/501.html
[2] 「世界は恐怖する死の灰の正体 (亀井文夫監督)」 (YouTube・Kodaira Prince 2013/7/29)
https://www.youtube.com/watch?v=yCk2Qf6RA_s
[3] 「亀井文夫監督「世界は恐怖する 死の灰の正体」(書き起こし) (chihointokyoの毒皿ブログ)」
(阿修羅・こーるてん 2013/4/4)
http://www.asyura2.com/13/genpatu31/msg/167.html
[4] 「原子力業界が不当な弾圧を行ない不都合な真実をねじ曲げる科学暗黒時代に終止符を打とう」
(拙稿 2017/2/20)
http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/552.html
[5] 「おしどりマコケンさん - 知り合いの記者・研究者が6人も死亡 野原千代さんは盗聴されていた」
(拙稿 2015/12/3)
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/439.html
[6] 「ヤマトシジミの研究者・野原千代さんは殺されたのではないか?」 (拙稿 2015/10/31)
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/238.html
[7] 「カレン・シルクウッド事件に学ぶ むざむざと殺されないための対策法 」 (拙稿 2015/9/18)
http://www.asyura2.com/15/genpatu43/msg/821.html
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