http://www.asyura2.com/17/genpatu49/msg/394.html
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「放射線基準の「妥当性」検証 事故から7年で規制委、食品も議論へ」
(産経 2018/1/30)
http://www.sankei.com/life/news/180130/lif1801300001-n1.html
国の放射線審議会の事務局を務める原子力規制委員会が、東京電力福島第1原発事故後に国が設けた放射線に関する基準の妥当性の検証に乗り出している。次回の審議会総会で除染の目安とされる空間線量(毎時0・23マイクロシーベルト)をめぐり議論するほか、食品の基準についても今後、俎上に乗せる方針だ。規制委は「基準の『見直し』ではない」と強調するが、復興のハードルにもなってきた「もっとも安全側に立った基準」が、事故から7年間の知見を基に、科学的な目で問われることになる。(社会部編集委員 鵜野光博)
■ 「0・23」が一人歩き
「事故当初は手探りで実証データも少ないから、非常に保守的(安全寄り)な値が設定されるのは致し方ないが、いつまでも改めないのは大きな問題だ」
17日の規制委定例会合で更田(ふけた)豊志委員長が「4倍以上の保守性がある」としたのは、国が除染の長期目標とした個人の年間追加被曝線量1ミリシーベルトを1時間当たりの空間線量に換算した「毎時0・23マイクロシーベルト」だ。除染実施計画を策定する地域の要件などに使われている。
これに対し、福島県伊達市で住民が個人線量計を身につけて得た実測値で、外部被曝線量は空間線量の約0・15倍だったとする論文が発表。更田氏はこの論文などを根拠に「毎時1マイクロシーベルトの所に居住しても年間の被曝線量は1ミリシーベルト以下になる」と指摘、「0・23という数値が一人歩きしている」として、空間線量と被曝線量との関係を明確にするよう放射線審議会の事務局に指示した。
■ 被災地での“約束”
唐突に見えた提起だったが、更田氏は昨年12月から今年1月にかけて行なった福島県内の首長との意見交換で「放射線のレベルは過剰に低く設定され、それによって失うものがある」と指摘。11日のいわき市では、放射性廃棄物の1キロ当たり8千ベクレルや一般食品の1キロ当たり100ベクレルの基準についても「極端に低い値」とし、「放射線審議会などでの議論に向けて努力を続けたい」と述べていた。
同審議会では19日の総会で「0・23マイクロシーベルト」をめぐる議論を次回総会で行うことを了承。食品基準について事務局は「50%が汚染されていると仮定された数値で、現状とのずれがある」として、審議会での議論に向けて関係省庁から情報を集めていることを明かす。
■ 「科学的な正しさだけではない」
ただ、環境省によると除染は帰還困難区域を除いてほぼ完了しており、福島県の行政関係者は「今、0・23という数値を裏返すことに、どういう意味があるのか」と首をひねる。
更田氏は24日の定例会見で「除染の基準を見直そうといった意図は全くない」と事実上後退。「0・23がどのぐらいの保守性を持っているかを明確にするだけで、リスクを正確に伝える観点で大きな前進だ」とした。また、「食品基準の1キロ当たり100ベクレルは、米国(1200ベクレル)などと比べ過度に厳しいという議論はあるが、過度の基準をクリアしていると言った方が福島の人にメリットがあるかもしれない。科学的に正しい正しくないだけではない難しい問題をはらんでいる」と述べた。
■ 「1ミリシーベルト」の呪縛
追加被曝線量1ミリシーベルト以下の基準は民主党政権下で決定。国際放射線防護委員会(ICRP)による事故からの復興途上での線量抑制の目安「年間1〜20ミリシーベルト」の下限値だ。また、年間100ミリシーベルト以下の低線量被曝による発がんリスクを証明するのは、極めて難しいとされている。
更田氏は24日の会見で「率直に言って、参考レベル(1ミリシーベルト)の設定にしくじったのかもしれない」と述べる一方、「時間が経過してから変更することが果たして正しいのかどうか。1ミリの議論はもっとも重要で基本にかかわるものではあるが、現状でそれに手を付けるかのような議論に入るのは、福島の方々にとってメリットよりデメリットの方が大きいのではないかと感じているし、歴史的な検証の世の話なのではないか」と見直しに否定的な見方を示した。
国際医療福祉大クリニック院長の鈴木元氏(放射線病理学)は「年間1ミリシーベルトや食品などの基準について、もう一度なぜその基準値が出てきたのかを踏まえて数値を考えた方がいい。緊急時と平時とで考え方は分けるべきで、食品基準も汚染率の仮定によって変わる。その情報がしっかり国民に伝わらないと、なぜ議論しているかが分からないだろう。国民に根拠を示すことが必要だ」と話している。
●毎時0・23マイクロシーベルト==追加被曝線量年間1ミリシーベルトを1時間当たりに換算すると、毎時0・19マイクロシーベルトとなる(1日のうち屋外に8時間、遮蔽効果0・4倍の屋内に16時間滞在する生活パターンを仮定)。計測される放射線には大地からの放射線(毎時0・04マイクロシーベルト)が含まれるため、これと事故由来の0・19を足して0・23マイクロシーベルトが算出される。環境省は放射性物質汚染対処特措法に基づく汚染状況重点調査地域の指定や、除染実施計画を策定する地域の要件にこの数値を適用している。
--------(引用ここまで)-----------------------------
この更田委員長は、とんでもないデタラメを言う人間です。
一般公衆は年間1ミリシーベルトまでという基準は、長年の研究結果に基づいたICRPの勧告に従って
法令化されており、絶対に守らなければなりません[1][2]。
一人歩きも何もありません。法律です。
そもそも年間1ミリシーベルト以下なら安全というわけではありません。
ICRPは原子力推進団体であり、原子力を推進するためには、この程度はガマンしなさいという
ガマンの限度量です。
年間1ミリシーベルトが守れないのであれば、その環境から避難・移住するしかありません。
累積5ミリシーベルトで白血病を発症した原発作業員に労災が認められています。
子どもを含め一般人に年間20ミリシーベルトも浴びせるのは殺人行為と同じです。
御用の小佐古敏荘教授ですら、20ミリシーベルトも浴びせられないと内閣官房参与を泣いて
辞任したのです。
100ベクレル/kg以上の放射性廃棄物は危険であり、厳重に保管することも法令で決まっています[3]。
8000ベクレル/kgもの汚染物を再利用して安全であるわけがありません。
安全であるというデータや根拠はどこにもありません。
食品の安全基準ですが、上の表は原子力災害時にのみ適用される値であって、
毎日1000ベクレル/kgの汚染食品を食べても安全ということではありません。
そのレベルの汚染食品を食べていたら、すぐにお迎えが来てしまいます。
そういった説明をせず、表だけを掲げ、日本の基準が不必要に厳しいかのような印象操作をする。
さすがデマ新聞と呼ばれる産経です。
ICRPは、セシウム137を1日10ベクレル摂取すると、体内蓄積が右上がりに増えていくことを
認めています[4]。
ちなみに、ウクライナの基準は1キロ当たり数ベクレルから数百ベクレルです[5]。
これでも十分に安全な基準とは言えず、未だに人口減少は止まらず、健康な子どもは
1割しかいないと言われています。
原発事故前は0.01ベクレル以下であることを考えれば、食品汚染は1ベクレル/kg未満に
抑えるべきでしょう。
放射能にかかわらず危険物質の安全基準は、長年の科学・医学研究に基づいて
慎重に決められています。
例えば一酸化炭素は2-3時間の曝露では200ppmで中毒症状が出始め、800ppmで死亡します。
そのため濃度は10ppm以下に規制されています。
この規制値をいきなり20倍、あるいは100倍に緩めたらどうなるか。中毒者、死者が続出するでしょう。
安全基準を安易に変えてはいけないのは子供でもわかります。
ところが原子力の世界では、すぐに健康被害が出ないのをいいことに、政府や電力会社のご都合だけで、
当たり前のように安全基準を緩めてしまう。
とんでもないことです。
科学的に決めた基準を守れないから緩めるというのでは基準の意味がありません。
科学を愚弄し、国民の生命と健康を犠牲にする行為にほかなりません。
こういう非常識を平気で主張する人間が、原子力規制委員会の委員長の席についているのは
極めて問題です。
人殺しと呼ばれても仕方がありません。
ただちに辞任させるべきでしょう。
(関連情報)
[1] 「放射線防護の歴史 (09-04-01-01)」 (ATOMICA)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-04-01-01
[2] 「『公衆の線量限度は年間1mSv』 国内法の記述について」 (15年戦争資料 @wiki )
https://www16.atwiki.jp/pipopipo555jp/pages/3248.html
[3] 「100ベクレル/kg以上を放射性廃棄物として管理することをうたった法令」
(内部被ばくを考える市民研究会 2012/5/24)
http://www.radiationexposuresociety.com/archives/1560
[4] 「原子力推進団体ICRPの体内蓄積曲線からも100ベクレル/kgの食品汚染基準が危険なのは明らかだ」
(拙稿 2016/4/14)
http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/482.html
[5] 「ウクライナの食品の放射能基準」 (ウィキペディア)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%81%AE%E9%A3%9F%E5%93%81%E3%81%AE%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%9F%BA%E6%BA%96
[6] 「日本政府のやっていることはあまりにメチャクチャで、ICRP勧告がまともに見える」
(拙稿 2016/3/21)
http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/344.html
[7] 「チェルノブイリでは生涯35レム(350ミリシーベルト)安全説で死者・病人続出、ソ連崩壊につながった」
(拙稿 2016/9/11)
http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/454.html
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