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凍土壁、完全凍結4ヵ月、効果が見えず
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2017/12/24(日) 19:47:03 めげ猫「タマ」の日記
福島第一の凍土壁の完全凍結が8月22日に始りました(1)。それから4ヵ月が経過したので、凍土壁内側に流れ込んだ地下水量を(=^・^=)なりに集計すると
完全凍結開始前の2016年8月 1日当たり 774トン
凍結開始4ヶ月目の2017年12月 1日当たり 664トン(16日まで)
あまりで減っていません。凍土壁の効果が見えません。
福島第一では地下水が山から流れてくるなどして、原子炉やタービン建屋に流れ込んでいます。あるいは海までに達しています。海に到達するころには地下水は汚染されてしまっています。以下に海岸に設けられた井戸の一つの地下水ドレン揚水井Cから汲み上げた地下水に含まれる放射性物質を示します。
※(2)を集計
図―1 地下水ドレン揚水井Cの放射性物質濃度
図に示す様にストロンチウム90は法令限度の1リットル当たり30ベクレル(3)の数十倍の2000ベクレル近くに達します。このままでは海に流せないので、これを汲みあげ浄化装置を通した後で海に流しています。ただし全ての放射性物質が浄化できる訳ではありません。東京電力はトリチウムは浄化できないとしています(4)。浄化しても排水基準(3)を満たさない汚染地下水は、タービン建屋に送っています(6)。
地下水がタービン建屋に流れ込んだり、海岸の井戸からタービン建屋に送り込んだ地下水で汚染水は増えていきます。
※(7)を集計
図―2 どんどん増える福島第一汚染水
最新の発表(8)を集計すると総量で約110万トンに達します。以下にタービン建屋から汲み上げた直後のセシウム137の濃度をします。
※(9)を集計
図―3 タービン建屋から汲み上げた直後の汚染水のセシウム137濃度
概ね1リットル当たりで1億ベクレルを下回る程度でしょうか?法定限度は1リットル当たり90ベクレルですので、100万倍近い高濃度です。このままでは海には流せないので、汚染水タンクを作り続け保管しています(11)。そのうちに敷地がいっぱいなり汚染水タンクの増設が困難になる日が来そうです。汚染水の増加を抑えることは近々の課題です。
汚染水の増加を抑える対策の柱として原子炉やタービン建屋を氷の壁で囲む「凍土壁」が作られました。以下に構造を示します。
※(4)(12)にて作成
図―4 凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン
断面の模式図は以下の通りです。
※(4)(12)にて作成
図―5 凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン(断面)
氷の壁で地下水の流れを阻止し、タービン建屋に流れ込む地下水や海岸にまで達する地下水を減らす計画です(12)。当初の予定では2015年3月位から運用を始める予定でしたが(13)、完全凍結が始まったのは2017年8月22日からです(1)。ほぼ2年半の遅れです。
図―3に示す様に福島第一は西側が山で東側が海です。陸側(西側)から順に凍土壁・サブドレン・建屋・サブドレン・凍土壁・ウエルポイント・地下水ドレン・海側遮水壁です。このうち凍土壁と海側遮水壁は水の流れを遮ることを意図し設けられました(4)(12)。サブドレン、ウエルポイント、地下水ドレンは地下水を汲み上げる井戸です。汲み上げられた地下水はサブドレン排水として海に捨てられるか、タービン建屋に送られ汚染水の増加要因になります。山側の凍土壁をすり抜けた地下水はサブドレン、ウエルポイント、地下水ドレンで汲み上げられ排水さるかタービン建屋に送られます。直接に原子炉やタービン建屋流れ込んだ地下水はそのまま汚染水増加量になります。すると山側と濃度壁をすり抜けた地下水はサブドレン排水か汚染水になるので、サブドレン排水と汚染水の増加量が凍土壁をすり抜けた水の総量になります。以下に推移を示します。
※1(7)(14)を集計
※2 2017年12月は16日まで
図―6 凍土壁をすり抜けた水の量
図に示すように凍土壁をすり抜けた量は殆ど減っていません。凍土壁内側に流れ込んだ地下水量を(=^・^=)なりに集計すると
完全凍結開始前の2016年8月 1日当たり 774トン
凍結開始4ヶ月目の2017年12月 1日当たり 664トン(16日まで)
あまりで減っていません。凍土壁の効果が見えません。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
凍土壁には「国費」が使われています(15)。効果がなければ安倍出戻り内閣の失政になります。東京電力が「凍土壁」に効果があろうが無かろうが「遮水効果」はあったとしたようです(16)。12月22日に福島で「凍土壁」の遮水効果があったと発表したようです。だたし、凍土壁内に流れ込んだ雨水が原子炉やタービン建屋に流れ込み汚染水は増えたそうです(17)。
※(17)を引用
図―7 「凍土壁」は効果を上げたが、雨水が流れ込み汚染水が増えたと福島で発表する東京電力
前日(12月21日)には全国向けに、福島第一の廃炉責任者の会見がありました(18)。その時はには触れずじまいです。1日でこのような事がわかるようになるとは思えないので、12月21日時点では敢て沈黙しいていたと思います。ここに東京電力の不誠実さを感じます。(=^・^=)は不安なので「買わない」「食べない」「出かけない」の「フクシマ3原則」を決めています。
今日はクリスマスイブです。イチゴケーキを美味しく食べて、(=^・^=)の記事を読んでいただいた読者もいるかもしれません。福島でもイチゴの収穫が始まっています(19)。
※(20)をキャプチャー
図―8 「イチゴの収穫最盛期」を報じる福島のローカルTV局(TUF)
福島県福島市産のイチゴは美味しいそうです(21)。福島県は福島産イチゴは「安全」だと主張しています(22)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
※(23)を引用
図―9 福島産意イチゴが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-2383.html
(1)2017年8月22日福島第一原子力発電所 陸側遮水壁第三段階開始について(PDF 786KB)
(2)X.地下水|東京電力中の「地下水ドレンポンド揚水井・観測井水質分析⇒分析結果⇒CSV(7月25日以降の計画による結果)」
(3)サンプリングによる監視|東京電力
(4)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(5)報道配布資料|東京電力
(6)(5)中の「建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移 」
(7)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社ちゅの「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」
(8)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第333報)|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
9)(5)中の「水処理設備の放射能濃度測定結果」
(10)第56回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会
(11)(10)中の「資料6:フランジ型タンクに関するリスク低減策の進捗[東京電力]【PDF:2MB】」
(12)陸側遮水壁|東京電力
(13)2014年3月12日 凍土式遮水壁の計画及び進捗状況について(資源エネルギー庁)
(14)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(15)凍土壁、頼りなさ露呈 福島第一、遠い廃炉:朝日新聞デジタル
(16)めげ猫「タマ」の日記 福島第一、建屋流入の5割雨水…汚染水増の一因と読売新聞、排水路の効果を考慮してません。
(17)ローカルTime FNN被災地発...
(18)「中長期ロードマップの進捗状況」に関する会見開催(12月21日)のご案内について|報道関係各位一斉メール|東京電力ホールディングス株式会社
(19)あまーい聖夜にイチゴ収穫 霊山で本格化 | 県内ニュース | 福島民報
(20)Nスタふくしま20171220 TUFchannel
(21)いちご狩り – 一般社団法人福島市観光コンベンション協会公式ページ
(22)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(23)イオン福島店
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