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福島県知事3周年、収まらない福島離れ
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2017/11/12(日) 19:44:32 めげ猫「タマ」の日記
現福島県知事は2014年11月12日に就任し(1)、今日(11月12日)で3周年を迎えます。この3年間を見る「収まらない福島離れ」と「根回しの政治」でしょうか?
現福島県知事は2014年11月12日に就任し(1)、今日(11月12日)で3周年を迎えました。
※(2)を11月11日に閲覧
図―1 福島県知事就任3周年を報じる福島県の地方紙・福島民友
そこで(=^・^=)なりにこの3年間の福島県知事の功罪について纏めてみたいと思います。
福島県知事が公選制になった1947年以降で、官僚・福島県外出身の知事は公選制初代の石原氏と現知事だけです(1)。石原氏は官選知事から転身であり、2年後の1949年には知事を辞め参議院議員に転身しています(3)。
福島県の現知事は長野県出身で、総務省から福島県に出向し、そのまま2014年に知事になりました(4)。石原氏いらい65年振りの官僚出身知事、福島県外出身知事です。
福島県は海に面していますが、沿岸部の浜通りと内陸部の中通りや会津との交流は乏しく(5)、沿岸部(浜通り)を除けば実質は内陸県です。福島県会津地方では江戸時代から沢山のお米が取れましたが、お米を運び出したの福島県の港でなく、お隣の越後の港です(6)。浜通りを除けば福島県は内陸県の性格が強い県です。現知事の出身の長野県は地図で見ると内陸県です。特産物も重なります。福島県が特産品としている11品目の中で(7)、米(8)、キュウリ、アスパラガス、トマト(9)、モモ、ナシ(10)、リンドウ(11)、牛肉(12)、ナメコ(13)の9品目は長野県も特産品を主張しています。福島はくだもの王国を自称していますが(14)、長野はフルーツ王国を自称しています(15)。福島には「果樹研究所」がありますが(16)、長野には「果樹試験場」があります(17)。福島と長野の農産物は競合関係にありますが、競争力には決定的な差があります。以下に福島県の汚染状況を示します。
※1(18)のデータを(19)に示す手法で11月1日に換算
※2 避難地域(20)による。
※3 相馬地方は(21)による。
図―2 福島の汚染状況
図に示す通り福島は国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超(22)えたエリアは広がっています。福島は事故から7年近く経ちましたが汚染されたままです。汚染された地で採れた産物を避けるのは当然の行為です。
福島県は全国2位、長野県は3位のモモの産地です(23)。以下に東京中央卸売市場へのモモの月平均の出荷量を示します。
※1(24)を集計
※2 2008年から17年の平均、ただし17年は9月まで
図―3 東京中央卸売市場への出荷量
図に示す通り長野も福島も8月がピークです。以下に8月のモモの取引価格を示します。
※(24)を集計
図―4 8月のモモの取引価格(東京中央卸売市場)
図に示す通り事故前は福島産は長野産より高値で取引されていたのですが、事故後は安くなりました。
ところが福島県知事はこのような消費者の福島産離れを「風評被害」として、「風評払拭」を唱えています(25)。福島産のPRを務めています(26)。
※(27)を8月26日に閲覧
図―5 福島県知事のナシのPRを報じる福島県の地方紙・福島民友
あるいは福島県知事はスーパーのチラシに登場し、福島県民に福島産の購入を呼び掛けています。
※(28)を転載
図―6 スーパーのチラシに登場する福島県知事
でもあまり実績は上がらなかったとようです。福島ではモモ以外にも色々な果物が取れます(14)。いまはリンゴのシーズンです(29)。福島のリンゴの生産量は全国5位(30)でそこそこリンゴの栽培が盛んです。福島県会津若松市ではリンゴ狩りも楽しめます(31)。でも、福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産リンゴはありません。
※(32)を引用
図−7 長野県産はあっても福島産リンゴが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
以下に福島県の観光客入り込み数を示します。
※1(33)を集計
※2 凡例中「既存」は事故前より集計対象になっていた施設を示す。
※3 凡例中「新規」は事故後に集計対象になった施設を示す。
図―8 福島の観光客入り込み数
一見すると回復しているようにも見えますが、事故前から存在していたのに、事故後に集計対象になった施設が多くあります(34)。福島の「観光客入り込み数」を水増ししています。「水増し」を除く為に事故前からある施設で再集計すると2013年以降はあまり回復していません。
以下に事故7年目7ヶ月間(2017年3−9月)の社会的増減(転入者―転出者)を示します。
※(35)を集計
図―9 事故7年目7ヶ月間(2017年3-9月)の福島県の社会的増減
図に示す通り10代後半と20代前半で社会減(転出者が転入者を上回る事)が多くなっています。特に女性に顕著です。以下に20代前半の各年の社会的増減の推移を示します。
※1(35)を集計
※2 各年3〜9月を集計
図−10 20代前半のの社会的増減
図に示すように20代前半女性の社会減が事故後の7年間、男性の社会減を大きく超えています。改善されるどころか2015年に比べと2016,17年は増えています。
しかたが無い事です。福島の汚染解消の目途はありません。福島の女性はお隣の茨城や宮城に比べても大変に綺麗です。
※(36)を転載
図―11 福島の綺麗な女性
何処へいっても歓迎されます。彼女達が福島に留まる理由はありません。
今日、福島県福島市の市長選挙が公示されました(37)。それに先立ち11月11日に立候補予定者による公開討論が行われました(38)。福島のローカルTV局FTVが報じる所によれば
「福島市は若者にとって魅力的な都市である」
との質問に現職や復興庁の役人を辞め立候補した新人を含め(37)、候補者全員が「×」との回答をだしました。
※(38)をキャプチャー
図―12 「福島市は若者にとって魅力的な都市である」質問に「×」と回答する福島市長選候補者
福島県内外を問わず福島離れが進行しています。福島産は買い控えられ、福島の観光地は避けられています。さらには福島の若い女性は福島から逃げたしています。
福島県知事が福島離れを「風評被害」と叫んでも信用されていないようです。(=^・^=)は当然の事と思います。福島県は福島第一3号機は安全だと2011年2月に発表しました(39)。それから一ヶ月を経ないうちに大爆発です。福島県の農水産物の出荷前検査は厚生労働省の発表(40)をみると、全てを福島県農林水産部に所属する福島県農業総合センター(41)で実施しています。中立性に問題があり、このような検査体制では信用される訳がありません。それでも福島県は検査体制を変えようとはしません。
図―2に示す様に福島県相馬地方は福島県沿岸部北部に位置し、宮城県に接っしています。以下に2016年7月以降の宮城県産および福島・相馬産のスズキの検査結果を示します。なお()内は検査先です。
※1(40)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
※3 日付けは捕獲日
※4 ()内は検査先を示す
図―13 宮城と福島・相馬の検査結果
宮城産スズキは宮城県が検査しても、新潟県が検査してもそこそこセシウムが見つかっています。同じ物を検査すれば検査先が違っていても同じ結果になるのが当たり前です。でも、県境を越えた福島県が検査した福島・相馬産スズキからはセシウムが見つかりません。汚染源に近いのにおかしな話です。福島産は他より低く出る検査で「安全」とされています。
福島県前知事およびこれを引き継いだ現知事の最大の功績は、福島県内各地で回収された放射性廃棄物の処理に一定の目途をつけたことだと思います。原発事故で出た放射能汚染物の処理について宮城、栃木、群馬、千葉では前に進んでいませんが(42)、福島ではある程度の先が見えています(43)(44)。最近では除染廃棄物を一時的に保管(実態は永久保管?)する中間貯蔵施設の用地買収が半分以上進んだなどのニュースが流れています(45)。現知事になっても、福島県冨岡町と楢葉町の境界付近に指定廃棄物の処分場の受け入れを決めています(46)。
※(46)を転載
図―14「福島全体の環境回復を図って行く上では必要な施設」と発言する福島県知事
他県では頓挫している放射能汚染物の処理が福島では前に進んでいます。この件では福島県も相当に動いていると思うですが、表には出て来ません。たぶんに複雑な利害調整が必要になるので、水面下で関係者と根回しをして、合意が得られたら福島県は「苦渋の決断」し、関係市町村は「県が決断するなら」と従った振りをするようです。このような事をオープンで進めたらまとまらないと思います。福島は「根回しの政治」です。そして「根回しの政治」でなければ事が先に進められないのも事実です。こうした事は福島県民にも理解されているようで、福島県知事は高い支持率を得ています(47)。
今年の4月から、福島県からの自主避難者への住宅支援が打ち切られました(48)(49)。この決定のプロセスも中間貯蔵施設や指定廃棄物処分場受け入れと同じように不透明です。最大の謎は安倍出戻り内閣の意向なのか、福島県の意向なのかです。福島県にも自主避難者を戻したい事情があります。図―10に示すように福島からの若い女性の脱出が止まりません。このままでは福島にはママになる女性がいなくなり子供が生まれなくなります。以下に避難元別の子どもの避難者数を示します。
※1(50)を集計
※2 避難区域の設定履歴は(20)にり、飯舘村、楢葉町、冨岡町、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村は避難区域に、川俣町、田村市、南相馬市、川内村は1部避難区域に、それ以外の市町村は避難区域外に分類
図―15 避難元・避難先別の子ども避難者数
図に示す様に全員が自主避難である避難区域外の市町村では福島県外への子ども避難が多くなっています。子どもが生まれなくなるなら、福島県外に出ている子どもを連れ戻せと考えるのは自然な発想です。福島には自主避難が「風評被害」の元凶だとの意見があります(51)。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
福島県知事の3年を見ていると、福島を「安全」にするとの視点が完全に抜け落ちている気がします。福島は安全を主張していますが、根拠になっているのは図−13に示す様な怪しげなデータです。(=^・^=)は不安なので「買わない」「食べない」「出かけない」のフクシマ3原則を決めています。でもこれって(=^・^=)だけではないようです。
上野駅で「ふくしま産直市」開催され福島県二本松市の幻のお米「農林21号」を販売されたそうです(52)。福島県二本松市は新米のシーズンです。同市産米の全量全袋検査数は約22万件に達しました(53)。同市は人口が6万人に満たない市(54)なので、市民が食べるには十分な量です。同市のお米は良食味・高品質だそうです(55)。福島県は福島産米は全量全袋検査を実施しており、「安全」だと主張しています(56)。でも、福島県二本松市のスーパーのチラシには福島産米はありません。
※(57)を引用
図―16 福島産米が無い福島県二本松市のスーパーのチラシ
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-2342.html
(1)福島県知事一覧 - Wikipedia
(2)福島民友新聞社 みんゆうNet −福島県のニュース・スポーツ−
(3)石原幹市郎 - Wikipedia
(4)内堀雅雄 - Wikipedia
(5)福島県 - Wikipedia
(6)阿賀野川河川事務所-阿賀野川流域パンフレット-川と交通
(7)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(8)長野米|長野県の農畜産物|JA全農長野
(9)野菜一覧|野菜|長野県の農畜産物|JA全農長野
(10)果実一覧|果実|長野県の農畜産物|JA全農長野
(11)花一覧|花|長野県の農畜産物|JA全農長野
(12)JA全農長野 JA長野県・信州肉牛生産販売協議会
(13)きのこ一覧|きのこ|長野県の農畜産物|JA全農長野
(14)福島県くだもの消費拡大委員会ホームページ
(15)果実|長野県の農畜産物|JA全農長野
(16)農業総合センター 果樹研究所 - 福島県ホームページ
(17)長野県果樹試験場
(18)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日〜11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(19)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(20)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(21)相馬地方広域市町村圏組合
(22)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(23)桃の生産量の都道府県ランキング(平成27年) | 地域の入れ物
(24)東京都中央卸売市場-統計情報検索を「大分類⇒果物、中分類⇒もも類、品目(小分類)⇒モモ」で検索
(25)福島県風評・風化対策強化戦略について - 福島県ホームページ
(26)福島県知事、HCM市で梨トップセールス - NNA ASIA・ベトナム・農林・水産
(27)福島民報
(28)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(10月5週)―汚染水タンクが作れません―
(29)福島県の旬(出回り時期) 果物編
(30)日本国内のりんご生産量|りんご大学
(31)フルーツランド北会津
(32)アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ
(33)統計資料一覧 - 福島県ホームページ
(34)めげ猫「タマ」の日記 2016年の福島・観光客は4.9%増、これまで集計してない施設を集計しただけ
(35)福島県の推計人口(平成29年10月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(36)めげ猫「タマ」の日記 原発関連死1368人は、事故による死者ではないと福島民友
(37)現新4人立候補 福島市長選 舌戦入り(09:37)
(38)ローカルTime FNN被災地発...
(39)福島第一原子力発電所3号機におけるプルサーマル実施に係る安全確認 - 福島県ホームページ
(40)報道発表資料 |厚生労働省
(41)農林水産部 - 福島県ホームページ
(42)指定廃棄物について|放射性物質汚染廃棄物とは|放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト|環境省
(43)中間貯蔵施設について|除染で取り除いた土壌等の管理|除染情報サイト:環境省
(44)特定廃棄物の埋立処分事業情報サイト|環境省
(45)地権者の半数と契約 大熊・双葉の中間貯蔵で国 | 県内ニュース | 福島民報
(46)めげ猫「タマ」の日記 福島は放射性廃棄物最終処分場を事実上受け入れ―福島集約論が強まる?―
(47)知事記者会見 平成29年10月2日(月) - 福島県ホームページ
(48)東京新聞:住宅支援は「命の問題」 福島県、きょう打ち切り 自主避難者なおSOS:社会(TOKYO Web)
(49)東京新聞:自主避難者「家を奪わないで」 「住宅無償提供」打ち切り:社会(TOKYO Web)
(50)東日本大震災に係る子どもの避難者数調べ - 福島県ホームページ中の「•平成29年4月1日現在 [PDFファイル/243KB] 」
(51)めげ猫「タマ」の日記 「風評被害」は自主避難者が原因、自主避難者を罵倒する福島民報
(52)28日まで「ふくしま産直市」 上野駅 幻のコメ販売 | 東日本大震災 | 福島民報
(53)28日まで「ふくしま産直市」 上野駅 幻のコメ販売 | 東日本大震災 | 福島民報
(53)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報
(54)二本松市ウェブサイト トップページ
(55)特産品情報 | 地区別くらし情報 安達地区 | JAふくしま未来
(56)水田畑作課 - 福島県ホームページ
(57)安達店 | ベイシア
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