http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/823.html
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科学に絶対はない、というのはある意味で正しいだろう。絶対に安全と言われた原発が大爆発したように。
だからこそ、何がなぜ正しく、なぜ間違いなのか、それを言うのなら説得力のある根拠を示さねばならない。それが確実と言えない以上は、被害者が無視されることの無き様に慎重な態度を取り続けるのが科学者のあり方ではないか。
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https://mainichi.jp/articles/20171019/ddm/016/070/019000c
坂村健の目「正しさの確率」の重み
毎日新聞2017年10月19日 東京朝刊
科学者は間違える。野口英世は黄熱病菌を見つけたと思いこんだまま、その黄熱病に倒れた。病原体は菌でなくウイルスで、当時の顕微鏡では見えるはずがなかったのに「見えて」しまったのだという。火星の「運河」をはじめ、そういう例は数多い。
個人でなく科学界全体が間違えた例もある。1966年に旧ソ連の科学者が「水の特殊な状態」として提唱した「ポリウオーター」は世界で認められ、多くの関連論文も出た。しかし徐々に反論が増え、7年後に破棄される。関連特許で大もうけという欲が、長期化した原因とも言われている。
「科学絶対神話」という言葉が、科学を絶対と思い込む行いへの皮肉だとしたら、それは正しい。しかし「科学の絶対性」を科学者が信じているという意味なら、それこそありえない「神話」だ。「正しさは確率であり、絶対はない」と骨身にしみているのが科学者。だから科学的になるほど「絶対」という言葉を使いたがらない。
科学は間違える。だからこそ「間違い続け」ないために、論文、博士号、学会、引用、査読、追試といった、自らを疑い「正しさの確率」を少しでも上げるためのシステムを整備してきた。それでも、STAP細胞騒動のように科学は間違える。しかし、それを自覚しているからこそ、間違い続けもしないのが科学だ。
先月のこの欄で、日本学術会議の報告書「子どもの放射線被ばくの影響と今後の課題」を取り上げ「影響はない、が現時点の結論だ」と書いた。私は放射線医学の専門家でもないのに、これを「正しい」と考えている。それは、この報告書が科学のシステムにのっとっているからだ。
質の高い学会の査読を経て、長期の検証に堪えた多数の論文があり、それらをベースにした国連科学委員会の白書などの引用文献リストも添えられている。事故から7年近くたっての結論がいいかげんなら、同じ分野の「システム」が決して容認しない。科学界最大のスキャンダル、ポリウオーターでも7年あれば正せたのだ。
その重みは、この報告書を「真実」として社会が行動してもいい程度に十分な「正しさの確率」を示していると私は考える。なのにマスコミの扱いはほとんど無かった。
ぜひ広く知らしめてほしい−−と前回は書いた。なにしろ、この報告書の比較対象にすらできないほどいいかげんなデマによって、多くの悲劇が生まれている。それを止められるのはマスコミだからだ。
「この世に絶対はない」からといって、全てを疑っていたら何もできない。だから「正しさの確率」をもとに人も社会も行動する。全ては「程度の問題」なのだ。
それでもなお「絶対」という悪魔の証明がなければ納得できないとすれば、そういう人こそ「科学絶対神話」の信者−−そのそしりは免れないだろう。(東洋大INIAD学部長)
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・関連:
■坂村健の目 被ばく影響、科学界の結論 (毎日新聞)
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/716.html
投稿者 魑魅魍魎男 日時 2017 年 9 月 22 日 08:00:18: FpBksTgsjX9Gw 6bOWo@mx6bKSag
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