http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/767.html
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2017年9月1日に日本学術会議から発表された報告書「子どもの放射線被ばくの影響と
今後の課題」([1])に関して、全く信用できないデタラメであることを指摘した[2][3]。
資源エネルギー庁はこの報告書を何の検証もなく肯定し、原発は爆発しても被害は
大したことはない、引き続き原発を推進すべきだ、と主張するつもりらしい[4]。
阿修羅原発板読者のみなさんはすでに十分理解されていると思うが、
今日、放射能汚染の危険性に気づいたばかりの人もいるわけで、
復習も兼ねてこの報告書の根本的な問題点、誤りを簡単にまとめておこう。
(1) シーベルト、グレイでは内部被ばくの危険性は評価できない
内部被ばくでは、放射性微粒子の放つ強いエネルギーがごく小さい範囲に集中するため、
シーベルト、グレイという吸収線量ではその危険性は評価できない。
これは東大の児玉龍彦教授もはっきり認めている[5]。
またベクレル・シーベルト変換に用いる実効線量係数も何の科学的根拠もない[6]。
内部被ばくを実際よりも安全に見せかけるためのトリックである。
内部被ばくは、虫メガネで日光を集中させて紙を燃やすのに似ている。
彼らの議論を当てはめると、紙全体はこれこれのエネルギーしか受けないので、
日光にさらしても燃えることは絶対にないという結論に達する。
しかしエネルギーが集中すれば、紙の発火点を越えて燃え出すのである。
微小部分に集中するエネルギーを数値化できないシーベルトで議論するのは無意味である。
(2) WBCによる内部被ばく検査は不十分、尿検査を含めたバイオアッセイ法、染色体検査が必須
ホール・ボディ・カウンタ(WBC)は、体内の一部のガンマ核種しかできないし、アルファ、ベータ核種は
全く測定できない。
また福島県の使用しているWBCは検出限界量が高すぎて、不検出であっても全く安心はできない。
内部被ばくをより正確に知るには、尿検査を含めたバイオアッセイ法と染色体検査が必須だが、
深刻な被ばくが明らかになるため、政府は決して行なおうとしない[7]。
WBC検査で内部被ばくは無視できるほど少ないと言っても、全く信用はできない。
(3) 放射性物質の放出量を論じても無意味。土壌・チリの汚染測定が必要
福島原発事故の放射性物質放出量は、チェルノブイリ事故の1/7から1/11と言っているが、
実際に土壌やホコリがどのくらい汚染されているのか測定しなければ意味がない。
200キロ以上離れた首都圏でも、チェルノブイリの強制移住地域並みの土壌汚染が
あちこちで見つかっており、それによる被ばく被害がチェルノブイリよりも少ないとは
とても言えない[8][9][10]。
また、福島の人口密度はベラルーシやウクライナの2倍、東京にいたっては100倍である。
人口が稠密な日本では、同じ汚染度でもはるかに健康被害は大きくなる可能性も
考慮しなければならない。
(4) 小児甲状腺がんの多発はスクリーニング効果では説明できない
スクリーニング効果で説明できるのは15倍程度、これに対し福島における小児甲状腺がんの多発は
数十倍から数百倍であり、スクリーニング効果では全く説明できないことは、岡山大・津田敏秀教授が
明確に主張されており、反論の余地はない[11]。
また普通の甲状腺がんとは違い、リンパ節等への転移が速く、即手術が必要である悪性度の高いがんが
多いことも明らかになっている[12]。
福島での小児甲状腺がんの多発は、放射能汚染による内部被ばくが原因であることは
誰が見ても明白だが、彼らは屁理屈をこねて決して認めようとしない。
(5) 被ばくによって生じる甲状腺以外の疾患は無視している
被ばくによって生じるのは甲状腺疾患だけではない。
深刻な心臓や脳の疾患を起こすことは、チェルノブイリ事故以来、30年以上に及ぶ研究で
明らかになっている。
バンダジェフスキー博士は、臨床、動物実験、解剖の研究から、体内に取り込まれた
放射性セシウムが心臓に蓄積し、致命的な心疾患を引き起こすことを立証した[13][14]。
人体に内部に取り込まれた放射性物質はごく微量でも深刻な影響を与えることは、数百、数千の
研究論文が示しているが、そういった"不都合な真実"にはこの報告書は一切触れていない。
これらの研究がまちがっていると言うのなら、反論し反証を示さなければならない。
"不都合な真実"に目を閉じることはもはや科学とは言えない。似非科学である。
(6) 被ばくにより先天性異常、遺伝性影響が生じることは常識である
被ばくによる先天性異常、遺伝性影響に関する研究は数え切れないほどあり、
また広島・長崎やチェルノブイリでも確認されている[15]。
福島の事故でも動植物の異常が報告されており、研究も進んでいる[16][17]。
今さら否定しても信じる人はいない。
福島でも、すでに先天性異常をもった赤ちゃんは多数生まれているが、
闇に葬られているのが現実だろう。
(7) 自然界に均一に存在するカリウム40とは比較できない
例によって、またカリウム詐欺である。
放射性カリウム40は、自然界に0.01%の割合でほぼ均等に存在する。
これに対し原発事故で放出された放射性微粒子は何十億、何百億という放射性原子の塊である。
原子1個の放出する放射線のエネルギーが同じであっても、塊で体内に蓄積される放射性微粒子
のほうがはるかに危険である[18]。
おそらく進化の過程で備わったものだろうが、われわれの体にはカリウムを一定に保つ仕組みがあり、
特定の部位にカリウムが長期間蓄積されることもない。
カリウム40と比較して安全だと判断することは誤りである。
以上、簡単に問題点を指摘したが、これだけでも、この報告書がデタラメだらけであることが
よくわかるだろう。
原子力推進に都合がよい御用研究だけを引用して安全だと主張しても、何の説得力もない。
同じ意見の研究者が集まって、正しい、正しいと騒いでいるだけである。
異なる事実や意見に対し理路整然と反論できなければ科学的に正しいとは言えない。
こんな自画自賛が「科学的結論」とは恐れ入る。
この報告書をまとめた委員長・佐々木康人教授は、731部隊レントゲン班で人体実験をしていた
宮川正教授の弟子であり、また副委員長の山下俊一教授は、731部隊員でCIA工作員でもあった
福見秀雄教授の孫弟子である[19][20][21]。
凄惨な人体実験を繰り返した731部隊直系の医学研究者が、福島で人体事件をしているという
事実も忘れてはならない。
何しろ山下教授自身、「福島県は世界最大の実験場」 と言っているのである[22]。
人間モルモットが汚染地域から逃げ出すとデータが取れなくなるので、こういった報告書を
でっち上げて、住民を安心させなければならないのだ。
もう一つつけ加えるが、この報告書をまとめるはずだった長崎大・長瀧重信教授は、昨年、
胸部動脈瘤破裂で急死した[23]。
被ばくが原因であった可能性が濃厚である。
安全だ、安全だと言っている本人が、被ばくの危険性を全く理解していないのでは話にならない。
この報告書は、おそらく水俣病の田宮委員会報告と同じ運命をたどるだろう。
田宮委員会の委員長・田宮猛雄は、東大名誉教授、日本医師会会長という権威を利用し、
異説をでっち上げて、すでに解明されていた有機水銀説をつぶし、被害を拡大させ、
新潟で第二水俣病まで引き起こした。
犯罪に等しい行為だが、田宮は何の責任も追及されず大往生した。
同じことがこの報告書でも起きるだろう。
信じるのは勝手だが、その結果、大量に被ばくして悲惨な最期を迎えることになっても、
泣き寝入りするしかないことを知っておくべきだ。
御用学者たちは決して責任を追及されることはない。
歴史はまた繰り返されるのである。
(関連情報)
[1] 「子どもの放射線被ばくの影響と今後の課題 −現在の科学的知見を福島で生かすために-」
(日本学術会議 2017/9/1)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-23-h170901.pdf
[2] 「福島の子どもと被ばく「出産に影響はない」“ネットでしか“話題にならない重要報告 (BuzzFeed)」
(拙稿 2017/9/16)
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/681.html
[3] 「坂村健の目 被ばく影響、科学界の結論 (毎日新聞)」 (拙稿 2017/9/22)
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/716.html
[4] 「科学的視点で見る福島の「被曝の影響」とは 〜日本学術会議の報告書発表」
(経産省・資源エネルギー庁 2017/10/3)
http://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/fukushimareport.html
[5] 「『放射線の健康への影響』参考人説明より 児玉龍彦(東大アイソトープ総合センター長)」
(阿修羅・otoppi 2011/7/30)
http://www.asyura2.com/11/senkyo117/msg/345.html
[6] 「放射能と人体(10)安全デマのキモ−実効線量係数とは(250万アクセス)」
(院長の独り言 2012/1/13)
http://onodekita.sblo.jp/article/53082228.html
[7] 「政府と東電は内部被ばくを意図的に無視しているのか? これから現れる健康への影響
(HEALTH PRESS)」 (拙稿 2017/9/25)
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/731.html
[8] 「〔速報〕経済産業省前土壌が、セシウム合算で10,000Bq/kgを超えました。」
(木下黄太のブログ 2011/9/14)
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/de0cf1bb5398a4056141f19bbbe00d84
[9] 「ガンダーセン氏のサンプル測定 経済産業省付近で7000ベクレル/kg検出 」
(拙稿 2016/6/6)
http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/787.html
[10] 「都内の放射能スポットNo1は東京ドーム!!」 (阿修羅・赤かぶ 2016/8/16)
http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/318.html
[11] 「福島の甲状腺がん多発、行政や医療関係者の『原発事故と関係ない』の主張は
データを無視したデタラメだ(リテラ)」 (阿修羅・赤かぶ 2017/3/11)
http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/654.html
[12] 「<リンパ節転移>鈴木眞一『病理組織学的に取ったものからみると、少なくても50%
多い施設では70%以上見つかります』」 (阿修羅・赤かぶ 2014/6/12)
http://www.asyura2.com/14/genpatu38/msg/686.html
[13] 「原子力業界が不当な弾圧を行ない不都合な真実をねじ曲げる科学暗黒時代に終止符を打とう」
(拙稿 2017/2/20)
http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/552.html
[14] 「セシウムが心筋に蓄積すると確実に死ぬ『児玉龍彦 東大教授』[脱原発・放射能]」
(阿修羅・さそり座 2012/3/7)
http://www.asyura2.com/12/genpatu21/msg/641.html
[15] 「チェルノブイリハート:福島なら翌年から、東京なら4−5年後から、脊柱側弯症・
多指症・兎唇などの奇形児と堕胎の増加」 (阿修羅・ポリーテイアー 2011/11/7)
http://www.asyura2.com/11/genpatu18/msg/253.html
[16] 「福島のワタムシに形態異常 1割以上で脚壊死 北海道大学調査(共同) ワタムシだけか?」
(阿修羅・赤かぶ 2014/3/21)
http://www.asyura2.com/14/genpatu36/msg/899.html
[17] 「ヤマトシジミの研究について 福島事故後3年間の被災地でのヤマトシジミの異常率推移の結果
7世代で、死亡・異常がピーク」 (阿修羅・てんさい 2015/10/30)
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/231.html
[18] 「[重要] カリウム40と違い原発事故の放射性微粒子は何千万という原子の塊だから非常に危険だ」
(拙稿 2016/9/26)
http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/527.html
[19] 「驚愕! ご用意学者をさかのぼると、すぐに731部隊に行き着く」 (拙稿 2014/5/16)
http://www.asyura2.com/14/genpatu38/msg/205.html
[20] 「元予研所長・長崎大学長の福見秀雄は731部隊関係者・CIA工作員で戦後も人体実験を続けた」
(拙稿 2016/8/18)
http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/324.html
[21] 「東大医学部放射線科・宮川正教授は退官記念講義で731部隊員だったことを曝露・追及された」
(拙稿 2016/12/11)
http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/109.html
[22] 「『福島県は世界最大の実験場』 『1ミリで支援』山下俊一氏 (OurPlanet-TV)」 (拙稿 2015/5/20)
http://www.asyura2.com/15/genpatu42/msg/836.html
[23] 「長崎大名誉教授の長瀧重信さん死去 原発事故の被害調査 (朝日新聞)」 (拙稿 2016/11/15)
http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/783.html
[24] 「水俣病原因究明を妨害し被害を拡大させた日本医師会会長・田宮猛雄は、
731部隊や戦後の人体実験にも関与した」 (拙稿 2016/12/15)
http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/134.html
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