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「藻類の毒でアシカに記憶障害、大量漂着の原因か」 (ナショナル・ジオグラフィック 2015/12/21)
餌場を忘れた? 米国西海岸に漂着する飢えたアシカたち
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/121800370/
海の藻がつくる毒が、アシカの記憶障害を引き起こしているようだという研究結果が発表された。毒にやられたアシカは、餌場への行き方がわからなくなるという。
2013年以降、記録的な数のアシカが、飢えて米国の西海岸に打ち上げられている。カリフォルニア沖で大量発生している藻が、その原因なのかもしれない。(参考記事:「米西海岸、アザラシ類の救出数が増加」)
藻類の毒はアシカだけでなく、イルカやオットセイ、ラッコといった他の海洋哺乳類にも影響を与えている。懸念されるのは、今後この問題が解決する見込みが低いことだ。海水温の上昇や、肥料の成分を含む農業排水の海への流出が、藻の大量発生の引き金となっているからだ。(参考記事:「化学肥料と地球の未来」)
「藻の大量発生は、規模が拡大する一方です。アシカの問題は、氷山の一角に過ぎません」と、米国エモリー大学のピーター・クック氏は言う。同氏は海洋哺乳類学会で、藻類がつくる毒であるドウモイ酸が行動に及ぼす影響についてこう報告した。「悲惨な話です」
ドウモイ酸がカリフォルニアアシカにけいれんなどの神経障害を引き起こすことは、研究者の間では1998年から知られていた。ドウモイ酸の濃度が高いと、アシカが死に至る場合があることもわかっていた。だが行動障害については、これまでは限られた数の事例が報告されていただけだった。
アシカの奇妙な行動は、以前から観察されていた。たとえば「アシカが川をさかのぼって街中まで行き、人々と触れ合う」といった行動もその一例だと、海洋哺乳類センターの獣医学研究者ショーン・ジョンソン氏は指摘する。「長年知られてきたことが、ようやく科学的に裏づけられたわけですから、たいへん興味深いです」(参考記事:「伝書バトが迷子になる謎に新説」)
アシカが海で迷子に
研究チームは、学習と記憶にかかわる2種類の課題について、30頭のアシカがどう行動するかを調べた。すると、ドウモイ酸の影響を受けているアシカは、迷路を進んでご褒美の魚にありつくといった短期記憶の課題がうまくこなせないことがわかった。
さらに、4個のバケツのどれに魚が入っているかを覚えておかなければならない長期記憶の課題では、ドウモイ酸の影響を受けていない健康なアシカに比べて大幅に能力が劣っていた。 「この結果には、本当に衝撃を受けました。空間記憶への影響は重大でした」(参考記事:「睡眠不足の虫は作業が雑になる」)
米科学誌「サイエンス」に掲載された同チームの報告によると、今回の研究で、アシカの脳の「海馬」と呼ばれる部分に大きな損傷があることも判明した。海馬は方向感覚や学習、記憶をつかさどる、脳のきわめて重要な部位だ。また海馬と連携して働く視床は、脳内の情報伝達や調整に重要な役割を果たしている。脳の画像を調べたところ、この毒が、海馬と視床の間の伝達を阻害していることが明らかになった。
「海馬に損傷を負ったアシカは、海で迷子になったようなものです」とクック氏は言う。
ドウモイ酸は、プセウドニッチア属の珪藻(Pseudo-nitzschia australis)によって生成される物質だ。珪藻を食べた甲殻類や貝類を、アシカなどが捕食することで、この物質が体内に入る。アミノ酸の一種であるグルタミン酸は、脳内で神経伝達物質として働き、海馬の神経細胞間の情報伝達にも使われている。ドウモイ酸は、アシカの脳内でグルタミン酸のように振る舞うことで、海馬の神経細胞を疲弊させ、ついには破壊してしまうのだ。(参考記事:「中毒の疑いも、オオアカイカ大量死」)
止まらない大量発生
近年、こうした珪藻が大量発生する頻度が増え、その期間も長期化している。2015年の大量発生は米国カリフォルニア州からアラスカ州の広い海域に及び、カニ漁を停止に追い込んだほか、異常行動をとるアシカが米国カリフォルニア州の海岸に打ち上げられ、海洋哺乳類センターに保護されている。
アシカは通常は海面近くの魚を捕食し、イワシやイカを求めて毎年のように同じ海域に戻ってくる。こうした獲物は移動したり数が減ったりする場合があり、現に過去5年間にもそうした現象が起きている。だが、海馬に損傷を負ったアシカは変化に対応できず、獲物を見つけたり、餌場を記憶したり、自分の身の安全や子どもへの注意が行き届かなくなったりするおそれがある。
カリフォルニア州の海岸に漂着するアシカの子どもが絶えないが、こうした障害がその一因となっているのではないかと、研究者たちは考えている。
「アシカは餌場を記憶できなくなり、そのせいで獲物を見つけられないのでは、と考えているのです」とジョンソン氏は説明する。「通常のパターンが変わった場合、それを解決する能力がないのです」
文=Nadia Drake/訳=倉田真木
--------(引用ここまで)------------------------------
海馬に損傷、記憶障害とくれば、いやでも放射能被ばくが頭に浮かびます。
原因は藻類の毒ではなく、海洋の放射能汚染の可能性もあるのではないでしょうか?
ごく微量の放射性物質でも脳などに影響を与え、それが原因で死に至らしめるのかも
知れません。
人間の社会なら認知症で道順がわからなくなっても誰かが助けてくれますが、
自然界ではそれは死を意味します。
福島原発事故後、とくに北米西海岸で海洋生物の大量死がひんぱんに報告されていますが、
多かれ少なかれ福島からの放射能汚染の影響を受けているのではないでしょうか?
沖縄の公園の鯉の大量死について致死量がどうのこうの言っている人がいますが、
たとえ微量でも脳その他に深刻な影響を与える放射性物質については、
致死量を定義すること自体が無意味であることがわかるでしょう。
あらゆる可能性を考えるのが科学的な態度であり、底の浅い思考でものごとの是非を
即断していては、真実に到達することはできないことを肝に銘じるべきでしょう。
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