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チェルノブイリ原発事故で汚染された埋葬の村
福島で増え続ける甲状腺がん、意図的隠蔽かも 私たちは何かに支配されやすい、だからこそ支配されない体質を作ろう
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50244
2017.6.14 鎌田 實 JBpress
小児甲状腺がんの発生が止まっていない
ぼくたちの国は、見えない何かに支配されてしまいやすい。
前回、「福島県で急速に増え始めた小児甲状腺がん〜『臭い物に蓋』をしては後で大問題に・チェルノブイリの経験生かせ〜」(2017.4.19)を書いた。
たくさんのアクセスがあり、「いいね」が4000件を超えた。福島の小児甲状腺がんの確定診断がついたのが145人、さらに、がんの疑いで手術や検査を待っている子供が38人だった。
6月5日に福島県民健康調査検討委員会の評価部会が開かれ、甲状腺がん検査の途中経過が公表された。2011年度から始まった1巡目、2014年度からの2巡目に続き、2016年度から行われている3巡目の検査の途中である。
2巡目の検査中、精密検査や手術が行われ、がんの確定がさらに5人増え、2巡目だけで49人ががんの診断を受けた。1巡目と2巡目で150人である。3巡目の検査の途中で、2人が確定し、福島の小児甲状腺がんは152人となった。
さらに、2人ががんの疑いと診断されている。これまで1例を除き、「疑い」があった子供はその後がんの確定診断が下っているので、がんの子供の数はまだ増えるだろう。190人近くになる可能性がある。
不都合な5歳以下の小児がん
フォローの見落としも気にかかる。
事故当時4歳の男児が、「経過観察」と判断された後、福島県の検診のフォローアップの対象から外れた。専門病院で経過観察中に甲状腺がんとの確定診断を受けたが、検討委員会の把握は遅れた。
「今後は不可欠な情報として扱う」と検討委員会委員長は述べている。しかし、意図的な隠蔽があったのか。単なるシステムの欠陥ではなかった可能性がある。
検討委員会は、「多発している子供たちの甲状腺がんは、福島原発事故の放射線の影響とは考えにくい」という中間とりまとめを既に出しており、その理由として、放射線の放出量が、チェルノブイリ原発事故と比べて小さいことを挙げている。
ベラルーシ共和国の肥沃な大地が汚染された
さらに、「福島はチェルノブイリとは違う」と言いたい重要な理由があった。
(1)事故当時5歳以下の子供からの発見がないこと
チェルノブイリ原発事故ではI-131(ヨウ素131)が出たため、子供の甲状腺がんが6000人を超え、5歳以下の小さい子供が多数がんになった。福島では5歳以下のがんの発見がなく、これが、福島の原発事故の大きな影響はないとする要因だった。
放射性ヨウ素の影響は、小さい子供ほど受けやすいはずと考えられているからだ。
福島の事故当時4歳だった甲状腺がんの子供は、県内の他の専門病院でフォローされていたのかとぼくは勝手に憶測していたが、実際には検査も手術も福島県立医大で行われていた。
検討委員会の中心的役割を担う病院である。
この症例に関しては、単に報告が遅れたという不注意ミスではなく、「不都合な真実」だった可能性がある。
しかもこのほかに、甲状腺がんの確定診断が下されている5人の子供が、甲状腺がん152人の中に入っていない可能性があるという。事故当時4歳の子供ががんになっているのは重要なファクトだ。
チェルノブイリとは違うとは言い切れない
(2)がんの発見が、チェルノブイリでは被曝から4〜5年後に増えているのに対し、福島では4年経過する前から見つかり出しているということ
チェルノブイリでは事故後4〜5年後から甲状腺がんが多くなったというのは事実だ。
原発事故が起きてから4年半ほどした1991年1月、ぼくはウクライナ共和国やベラルーシ共和国の汚染地域を回った。
その頃はまだ、「放射線ノイローゼ」などとWHO(世界保健機関)にも言われていた。
しかし、小さな村で甲状腺がんの子供が2人も見つかっていることを知り、とんでもないことが起きているのではないかと考え始めた。
当時の検診は、ほとんどの地域で、超音波(エコー)検査が使われていなかった。そのため、ぼくたちのNGOはお金を集め、現地に甲状腺検診のための超音波装置を送り始めた。
各国からの支援もこの頃から始まっている。本格的な甲状腺の検診が行われるようになったのは事故から5年後と考えていいだろう。
都市部の大病院には超音波装置があったが、非常に古い機械で、鮮明な画像を出せる機械ではなかった。したがって、小さな結節を見過ごしていた可能性はあると思う。
福島では、事故後まもなく検診が始まり、がんが見つかっているので、原発事故とは関係なく、元々あった子供のがんを見つけた可能性があり、スクリーニング効果だと言われた。
しかしチェルノブイリでも、事故後1〜2年後にがんが発生していた可能性は否定できないのだ。「福島はチェルノブイリとは違う」とは言い切れない。
検診率の低下が気になる
受診率の低下も心配だ。
検診者数は、2巡目が27万人だったのに対し、3巡目は12万人と半分以下になってしまった。がんを見過ごしてしまう可能性がある。
小児甲状腺がんは、助けられるがんである。見過ごさないよう、周りの大人が配慮していかなければならない。
「思い込み」や偏見に支配されていないか
検討委員会は、福島第一原子力発電所のメルトダウンと、甲状腺がん発症の因果関係はないと言っている。
なぜこんなに簡単に言い切ってしまうのだろう。あるともないとも今は言えない。だから検診率を下げないように呼びかける必要がある。
原発事故との因果関係は、時間をかけて科学的に議論していけばいい。本当に大事なことは、福島の子供たちを1人も甲状腺がんで亡くさないこと。これが最大の目標であるべきだ。大切なのは、子供の命である。
埋葬の村に残った老人
ぼくたちの国は何か見えないものに支配されやすい。
そもそも「日本の原発は事故を起こさない」というとんでもない「安全神話という空気」に染まっていた。思い込みや偏見に支配されないことが大事なのだ。
「見えない空気」に支配されない生き方
「カマタノコトバ」(悟空出版)という本を5月末に上梓した。61のカマタノコトバを書いた。その中に、「君は支配されない生き方を選べるか」という言葉を書いた。
ぼくたちは、いろいろなものに支配されやすい。加計学園の獣医学部新設計画も、この見えない支配と関係しているように思う。
獣医は足りている。
鳥インフルエンザなどの研究は、新学部を作っても、新しい研究に成果を出すには10年以上かかる。急ぐ問題だとすれば、今ある獣医学部に研究費を投入すればいいだけの話。おそらく文科省の官僚たちはそう考えたのではないだろうか。
“総理の御意向”「文書」が出回っている。直接命令されたわけでなくても、“総理の御意向”は独り歩きをしたのだと思う。
そして皆がこの「文書」に支配されてしまった。それでも支配されたくないと思う人間もいるみたいだ。
次々と「文書」が出回っていくのは、ささやかな抵抗の1つなのだと思う。「文書は本物」と言った文部科学省の前川喜平前次官は、出会い系バーに出入りしていたと人格攻撃をされた。もう既に見張られている人たちがいるということだと思う。
こうして「見えない支配」が行き渡っていくと、一人ひとりが自重し、言葉も行動も起こさなくなる。
白血病で治療中の子供たち
そうなると日本には自由がなくなり、皆の息が詰まりそうになり、新しい研究開発も、壁をぶち壊すような芸術も、世界を引っ張っていくような経済活動も、すべて勢いのない国になっていくような気がする。
ぼくたちは支配されない生き方をする必要がある。
「空気」に支配されない
空気に支配されない・・・。東芝が、米原発メーカーのウェスティングハウス・エレクトリック・カンパニー買収などで大きな負債を抱えてしまったのも、空気に支配されていた結果ではないだろうか。
トップが間違った判断をした時に、正しいことをきちんと伝えられるスタッフがいることが、大切なことのように思う。
年齢に支配されないことも大事だ。「まだ若い」とか、「もう50歳なのに」とか、何歳でも関係ないのだ。
固定観念に支配されない。答えは1つではないと思うことが大事だ。正解を探すだけでなく、別解があるはずと思っていると、新しい発想が出てくる。
すべてのことを曖昧にして、あったことをなかったことにしたり、あったことを忘れようとしたり、力のある人から言われたので仕方がないと諦めたり・・・。
「支配されない生き方を選べるか」と自分に言い聞かせながら、正しいことを正しいタイミングで、きちんと声に出すことが、今日本では必要なのではないだろうか。
土を入れ替えた畑で農業が始まった
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