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ブロックチェーン技術によるインターネット上に存在する通貨であるBitcoinは、当初1Bitあたり1円以下の価値だったものが、現在は200万円程度まで価格が高騰している。
マイニング技術による発掘で与えられるBitcoinをアテにした中国人は、ネット接続をした数千台のパソコンにより、猛烈な勢いでBitcoinを入手した。ところが、P2P技術そのものに規制を与えたい中国政府が、一斉に取引所の閉鎖を決めたことで、現在は日本人にその市場が移った感がある。勿論、市場のすべての取引が日本に移ったのではなく、Bitcoinそのものは世界中で今でも売買が行われている。
では何故、日本人がBitcoinに熱狂しているのか?これは投機対象と捉えているからだ。それも、埋蔵量が限定されているから、金やプラチナと同じで、この地球上に存在できる限定的な数量によって、価値の補完を行っている。
そもそもP2P技術自体を理解し、ブロックチェーン技術によって新たなBitcoinが生み出される仕組みそのものを理解した上で購入し、投資している日本人は余りいない。ただ単純に、Bitcoinの価値が数百倍、数千倍、数万倍に上がっていることだけが注目されているに過ぎないのだ。
私の知人にも多くがBitcoinに投資しているが、その仕組みを本当に理解している人は非常に少ない。多分、1%もいないだろう。
一号通貨として認められたBitcoinをして市場に認知されたというのは早計で、飽くまでも政府と金融庁がネット上の仮想通貨の法的位置づけを明らかにしたに過ぎず、仮にBitcoinで利益が確定したならば、金やFXと同じで確定申告しなければならない。最大で50%程度が課税されると共に、申告を怠れば、未申告分の税金の40%が更に追徴されることになる。
国はどこまでもBitcoinを「物に近い価格変動する交換媒体」としか見ていない。
本来通貨とは、国家が発行権を有していて、それが国自体を構成する要件の一つとされている。国家の中央銀行は政府と一体の統合政府と見なし、中央銀行が発行する銀行券の価値を政府が補償している。言い換えるなら、その国の発行紙幣は全て政府紙幣とみるべきである。統合政府である以上、ただの紙切れである紙幣に価値担保を与えることで、原価の数千倍の価値を生み出すことになる。その紙切れは中央銀行から銀行業を行うものに手渡した段階で、信用創造が発生し百倍程度まで貸出が可能になる。(理論上は無限だが、実際は百倍もない)理論上、通貨発行に上限はない。
巷間言われている政府の借金1100兆円は、中央銀行で発行した紙幣の価値を担保した金額の総額を言う。これが国債である。従来、市場に流通している紙幣以外に政府が独自で価値を補償する金額が1100兆円ありますよ、ということだ。これをして、無知な某ネットジャーナリストなどは、政府が大借金して日本が破たんすると言うから正にアホである。借金があるということは資産もあるということであり、実際に日本政府が有する資産は800兆円程度なので、対GDPで比較してもOECD諸国中、最も健全な財政である。しかも、統合政府論で観ると、日銀が政府発行で受け入れた国債をチャラにすると言えば、それで500兆円ていど政府の借金は減る。ではそれで国債が暴落するか?しない。政府の発行した国債が無くなっても、その代わりに市場に流通した通貨は、銀行を通じてGDPを生み出し続ける。
このように、本来の通貨とはその国の経済の根幹を支えるものであると共に、他国間の商取引における価値を担保できる交換媒体でなければならない。現在、世界中の貿易において基軸通貨として取引所で売買が認められ決済が行われている通貨は実質的にはドル、ユーロ、ポンド、円の四つしかない。他はどれもドングリの背比べである。
つまり、通貨とは交換媒体としての本来の働き、経済の流動性を有していなければならない。
P2P技術によってインターネット上で取引明細を発行し、その帳簿記載をもって新たなBitcoinを発行する方式だと、前述の金等の希少金属と同じになってしまい、本来の交換媒体としての役割を失ってしまう。しかも、あろうことかマイナーが集中する中国において、Bitcoinのハードフォーク化が既に進んでいて、上限があると言われているものですら既に怪しい。
ここでは、Bitcoinの事実上の支配者は中国だとの論は横に置いておいて、Bitcoinは通貨ではないことを理解していただければ良い。どこまでも投機対象でしかなく、Bitcoinを支配する連中に踊らされているに過ぎない。Bitcoin取引で行われているインサイダーは株取引の比ではない。本当にごく少数のBitcoin保有者とマイナーによって、Bitcoin市場は左右されている。
JPモルガンは早々とBitcoin取引者に警鐘を鳴らし、EUも日本政府もBitcoinは通貨ではないと表明したが、当たり前である。
これまでの世界の常識を覆す革新的な技術だ!ともてはやしている人もいるが、高騰するということは暴落するということであり、理論的にはデフレ化して安定するまでの過渡期である現在であろう。もっとも、Bitcoinのような投機対象は、手を出さない限り実生活に影響は全くない。仮にBitcoinを保有している読者がいれば、良いタイミングで売り抜けるのが得策であろう。
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