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昨年の暮れ(12.6.2017)に米国大統領のトランプがイスラエルの首都をイスラエルの言い分どおりエルサレムとして認め、米国大使館をテルアビブから移転させる告知を行った。
激しく反対をしたのはパレスチナ内外のアラブ人だけではない。国連も全面的にNoを唱え、アメリカとイスラエルは稲垣・草g・香取のように孤独な地図の上を一蓮托生に歩み出したのである。
これはなにもトランプ一人の決断ではない。イスラエルが第一次中東戦争の直後にエルサレムに遷都してから半世紀がたというとするとき、ホワイトハウスは既に首都認定で可決しているのだ。それを正式な形で執行にうつさなかっただけで、トランプは前任者たちのしり込みの歴史を終了させただけのことである。
イスラエルは国家成立の数年後にはエルサレムを首都にしてきた。実際に軍事以外の省庁機能はすべてエルサレムにあり、三次中東戦争以降はそれまで東西に分けられていたベルリン状態のエルサレムを勝手に統一してしまっているのだから、認定も認証もない。エルサレムはイスラエルの首都である。
国連がそれに反する姿勢を崩すことができないのは、中東の血なまぐさい人種間の戦争に火種を提供することを恐れるからである。ドキュメンタリー映画家のマイケル・モアの言葉でいうなら「どちらが悪いのかはイスラエル本人達が一番よくわかっている」ということであり、あくまでパレスチナの難民は被害者で人権を侵害されているという認識は捨て去ることができないのである。
どのみち、パレスチナをめぐる争いが終結することはないのかもしれないが、実際に首都として半世紀にわたって機能してきたエルサレムを認めないと言い続けることはうわべだけの偽善でしかない。アメリカはただ、半世紀の歴史を支持したにすぎない。現状から目を背けずありのままに外交したということである。
中東という地域は世界史的にみても、民族の移動や覇権の交代が非常に頻繁にみられたところであり、エルサレムはその時に支配していた者に属するというのが圧倒的な真実である。ユダヤ人はオスマントルコからパレスチナを没収したイギリス帝国にうまく取り入ってパレスチナ支配権を獲得、そして後は軍事力を使ってエルサレムを自分のものとした。
3000年にわたる執着心を持つユダヤ人達が宗教的、文化的、民族的な統合の象徴としてエルサレムに拘り続けるのは非常に理解できる。これ以上、説得力のある土地と民族の組み合わせはなかなかないものだ。
しかもエルサレム市内の居住者は戦前の段階ですでにユダヤ人がアラブ人の数を上回っており、戦後のどさくさに紛れてソ連から南下してきてアラブ人を追い払おうとしたわけではない。伊達や酔狂のシオニズムではないのだ。
頭のてっぺんにおかしな毛編のワッペンみたいな安定性の悪い帽子をのっけた立ち退き屋におしかけられながら、頑なに腰を据え、荷物をまとめて転居する決意のつかないアラブ人たちはいったい、どうしてエルサレムを3000年も追いかけているユダヤ人に明け渡さないのか。故郷は遠きにありて思ふもの、という感覚がわからない野暮な人たちなのだろうか。
一応、アラブ人の言い分としては、エルサレムはイスラム教徒にとっての聖地でもある、という取ってつけたような思い込み、いや、歴史的なビジョンがあるのだ。なにしろ、教祖様が空中浮遊をしてエルサレムまで行って日帰りで戻ってきたのだから、そりゃ、あなた、その場合、聖地でしょう。ってそんな聖地の誕生の仕方があっていいのか!などと我々、汚れた現代人の常識できめてしまってはいけません。誰もが「おかしいだろ」と言いたくなるようなことでも世界最大の宗教相手に指摘することはできない。この恐怖が根底にあるので、国際裁判所も国連もなにも言えないのだ。また宗教とは異論者はそれを理由に殺すだけの狂気がないと宗教ではないと私は思う。
彼らは第三者による仲裁も結局は遠ざけ、話し合いもしないので、一体、どうしたいのかが誰にもわからない。お互いの首都ということで国旗を二本あげることもできない。
私はいまこそ、この混乱した古都に新たなる戦略を投じたい。アラブを駆逐できないイスラエル。イスラエルからジハードでエルサレムを奪回できないムスリム。彼らが手ぐすねを引いている間に、あの人がエルサレムの覇権を入札できればいいのだ。
その男の名は、宇野正美。元、高校教員のユダヤ陰謀論者である。リバティー研究所の宇野正美が「イスラエル族の本当の末裔は日本に帰化した」というあの根拠のなき“定説”をかざして中東に殴り込みをかけることに私は期待したい。
エルサレムは日本のものである。私(チベットよわー)は絶対違うと思うが、宇野の信念は固い。宇野正美よ、いままでの公演活動がホンモノだったというのなら、是非イスラエルまで行って嘆きの壁に手形を押してこい。そして日本から持参したケン玉、簪、木魚という三種の神器をラビに渡して「東方から、真のヘブライ継承者としてやってまいりました」とぬかしてお土産もらって帰ってこい。
余談:カルトで人気の副島隆彦が年末年始狂ったように(というか狂っている通りに)中東史の講釈をたれていた。なんと高校生の教科書まで写真をアップしてお勉強ぶりをアピールする副島。エルサレムの歴史についてもおそらく最近知ったばかりなのだろう、ごちゃごちゃな事実をひっかきまぜたあげく何の結論も導いていない。いや、一つだけあった。「パレスチナ人とはパリサイ人のこと、つまりユダヤ人同士」副島よ、わかったから静かにせえ。
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