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中国はすでに米国産大豆の輸入を停止した。一方で、国内の大豆作付け面積を大幅に増やす動きを見せている。中国はトランプ政権の経済政策への対抗と自国の農業振興の一挙両得を狙っていると思われる。写真は江蘇省南通市の埠頭に積まれた輸入大豆。
中国が貿易戦争で「一挙両得」?米国から大豆輸入を停止、国内では作付け奨励の緊急通知
http://www.recordchina.co.jp/b597666-s0-c20.html
2018年5月4日(金) 21時0分
米国内の関係者によると、中国はすでに米国産大豆の輸入を停止した。中国は一方で、国内の大豆作付け面積を大幅に増やす動きを見せている。中国は大豆の輸入停止を利用して、米トランプ政権の経済政策への対抗と自国の農業振興の「一挙両得」を狙っていると思われる。
中国の2017年における大豆輸入量は前年比13.9%増の9554万トンで、過去最高だった。国別で最も多かったのはブラジルからで、全体の53.3%の5093万トンだった。次が米国で、34.4%の3290万トンだった。中国では、輸入大豆の急増が自国の大豆生産に打撃を与えているとの見方があった。
トランプ政権は2018年になり、中国製鉄鋼やアルミ、通信機器などの輸入規制や対米投資の制限などの動きを本格化させた。中国側は一歩も引かない構えで、3月23日の外交部(外務省)の定例記者会見では華春瑩(ホア・チュンイン)報道官が、米側の措置を強く非難した上で自国側の対処としては儒教経典である「礼記」を引用して、「来而不往,亦非礼也(お返しをしないのは非礼である)」と述べた。さらに中国財政部は4月4日、米国産の大豆などの農産品に対して25%の関税を課すと発表した。
米メディアのブルームバーグによると、米穀物メジャーのブンゲのソレン・シュローダー最高経営責任者(CEO)は2日、中国は「カナダ産やブラジル産は買っている。しかし極めて意図的に、米国産は一切買い付けていない」と述べた。事実とすれば、中国は米国に対して、すでに発表していた関税を課す以上の対抗策を実施していることになる。
中国メディアの経済観察網は、黒龍江省農業委員会は4月29日付で「全省における大豆作付面積拡大の緊急通知」を出したと報じた。同通知は「国家による指示に基づく」として、2018年の大豆作付け面積を約33万ヘクタール増やし、それとは別に輪作地における大豆作付けを約13万ヘクタール増やすよう求めた。
吉林省も4月28日に同様の緊急通知を出した。同省長春市が出した通知では、「大豆作付け面積の拡大は、現在の農業生産における最重要の政治任務である」と論じたという。
中国農業科学院の研究員である王秀東(ワン・シウドン)氏は、大豆に対する関税について「国際市場に対する過度の依存を減少させることになる」と説明。国内価格の上昇に伴い消費者には負担が生じるが、生産農家の意欲を高めることが期待できるとの見方を示した。
中国では1990年代に始まった経済の高度成長で、都市部と農村部の経済格差が拡大してしまった。2012年秋に発足した習近平(シー・ジンピン)政権は、「取り残されてしまった階層」の底上げを重視している。農業については「強農恵農(農業を強化、農業を優遇)」政策に力を入れている。
中国は、米トランプ政権の経済における中国対抗策を「奇貨」として、対抗策として米国産農産物の輸入を規制することで、トランプ政権の中国に対する追加措置をけん制すると同時に、自国の農業振興を加速させる「一挙両得」を狙っていると思われる。(翻訳・編集/如月隼人)
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