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遼寧省で養殖ホタテ貝が大減産した。水産会社は、気象条件により海水中の餌が激減したためと発表したが、作家が発表した「ホタテ貝は泳いで北海道に行ってしまった」とするパロディーの文章が真実と誤解され、混乱が発生した。写真はホタテ。
遼寧省でホタテ貝が大減産、「日本人の陰謀で北海道に戻って行った」説が広まり混乱―中国
http://www.recordchina.co.jp/b572507-s0-c30.html
2018年2月20日(火) 13時20分
深セン証券取引所に上場する水産会社、●小島団(ジャン、●はけものへんに章)は1月31日、天候不順などのため主力事業の一つである養殖ホタテ貝の成育が極めて悪いとして、2017年12月期の純損益は赤字になると発表した。ところがその後、「真実は、ホタテ貝は海を泳いで北海道に行ってしまったのだ」とする文章が発表され、真実だと思った人も多く混乱した。
「ホタテが北海道に渡って行った」とする文章を発表したのは、英国在住作家の拳王(チュエンワン)さんだ。拳王さんは英国のリバプール大学で生命科学を学び、現在は英国で金融関係の仕事をしながら作家活動をしており、16年には湖南文芸出版社から「英雄の作り方と神調理法」の著作を出している。
拳王さんは2月16日、SNSを通じて「ホタテ貝が逃げた秘密」と題する文章を発表。「自分は生命科学の仕事の経験がある」「独立して調査した結果を示す」などとして、ホタテ貝は北海道に泳いで行ったと説明した。
文章は、「ホタテ貝は震動に極めて敏感であり、また、日本の専門家は大群が一斉に貝殻を震動させることが地震の原因になるとの仮説を提出した」と紹介。「そのため日本では多くの場合、地震の発生を避けるためにホタテ貝を海底に接触させず、海中につるして養殖している」と論を進めた。
また、「海中につるして養殖すると、一緒につるされた貝は『集団主義』となり、全体として強い震動を海中に送る」と論じた。さらに、中国で養殖されるホタテ貝の稚貝は北海道産だと説明、遼寧省ではホタテ貝を海底に生息させる方式で養殖しているが、「北海道からの震動を察知して、故郷に戻ろうと海中を泳いでいった」とした。
拳王さんは、「北海道で調査した際にはホタテ貝の大群が海を泳いで到来するのを目撃した」とも主張。日本の養殖関係者が「Ki馬西大!(キマーシーダ―=来ました!)」と大声を上げて迎えたと紹介。日本人が中国にホタテ貝の養殖法を教えた際に海底で成長させる方式を提案したのは、成長してから日本に戻ってくることを知っていたからだとする「日本人陰謀論」を展開した。
日本人にとって気になる面もあるが、「科学的解説」のパロディーであることはあきらかだ。ところが、「真実」と受け止めた人も多かった。大手ポータルサイトの新浪網も17日午前11時26分付で、同文章を記事として掲載した。同文章の掲載ページへのリンクがSNSに投稿されたのは16日午後11時ごろで、17日午後11時までには閲覧回数が500万回を超え、寄せられたコメントは1300件以上に達した。拳王さんは騒ぎが大きくなったことを受け、18日になり「私はSF小説を書いただけです」と釈明した。
騒ぎになった背景には、●小島集団の情報公開が問題視されていることもあったようだ。●小島集団は1月31日になり、気象条件の関係で海水中の餌が激減して養殖ホタテ貝の出来が極めて悪いとして、17年12月期の純損益は5億3000万−7億2000万元(約89億−121億円)の赤字の見通しと発表したが、中国証券監督管理委員会は2月9日、それまで業績悪化の見通しを適時開示していなかったことに違法の疑いがあるとして、同社を調査すると発表した。
中国メディアの証券時報は18日、拳王さんの文章は、「よく読めば●小島集団をやゆしようとする意図であることが分かるはず」と主張する記事を発表した。拳王さんはSNSアカウントのプロフィール欄に「Tell me a Lie(私にウソをついてくれ)」と記述している。(翻訳・編集/如月隼人)
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