<■394行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> ジャクリーヌ・デュ・プレ/ワーナー録音全集(23CD) https://www.hmv.co.jp/artist_-%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AD%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%A0%E3%83%8B%E3%83%90%E3%82%B9_000000000049011/item_%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8C%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AC%EF%BC%8F%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%BC%E9%8C%B2%E9%9F%B3%E5%85%A8%E9%9B%86%EF%BC%8823CD%EF%BC%89_12770565 天才チェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレの没35年 オリジナル・マスターテープより最新リマスターによるボックス・セット! 初出音源あり!
天才女性チェリストとして人気も高く、旧EMIに数多くの録音を残したジャクリーヌ・デュ・プレ。「彼女は明らかにチェロを演奏するために生まれた」とニューヨーク・タイムズ紙で絶賛され、彼女の作品に対しての熱心な取り組みと研ぎ澄まされたテクニックにより、灼熱の強さと輝かしい喜びをもたらし衝撃を与えました。わずか28歳の若さで悲劇的な難病に罹り42歳でこの世を去りました。彼女のキャリアは病気によって悲惨にも短くなってしまいました。 この新しいボックス・セットは、彼女の短い12年間のキャリアの中で集められた、ジャクリーヌ・デュ・プレの旧EMIクラシックスの音源全てをまとめたものです。一部の音源を除き、192kHz/24Bitでオリジナルテープから新しくリマスター(バルビローリ指揮による2枚のアルバムは2020年の192kHz/24Bitリマスター音源を使用)。ディスク14に収録の『ブラームス:クラリネット三重奏曲』は初出音源となります。 ディスク12の『R.シュトラウス:ドン・キホーテ』は1995年に初めてリリースされた音源ですが、今回は2022年「Studio Art & Son」による新編集版として収録されています。この録音はもともとオットー・クレンペラー指揮によって録音が開始されましたが、クレンペラーは録音を1日終えたところで降板(その後のコンサートもキャンセル)してしまったため、急遽エードリアン・ボールトが代役で録音が行われましたが、1回限りの別テイクなしの演奏だったとされています。1995年の初リリースにあたって当時編集とリマスターを担当したアビー・ロード・スタジオのAndrew Keenerによると、「録音の際にスタート・ボタンが遅く押されたため、最初の1小節が欠落され収録されてしまっていた。その部分を補うため、クレンペラーとの断片的に残された録音テープから切り出してつなげた」と語っています。今回は「Art & Son Studio Annecy」のChristophe Henault氏によって、最新のデジタル機器とツールを使用し、更なるより良いサウンドと全くの違和感のない編集が行われ再構築されています。 ※オリジナル・カップリングによる基本収録のため、ジャクリーヌ・デュ・プレが演奏していない録音も収録されております。 ※「TELDEC」より発売中のチェリビダッケとの『ドヴォルザーク:チェロ協奏曲』(1967年)はDGの音源のため、ここには収録されておりません。 【収録情報】 Disc1:Early BBC Recordings, Vol.1 1. J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV.1007 2. J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調 BWV.1008 3. ブリテン:チェロ・ソナタ ハ長調 Op.65 4. ファリャ:スペイン民謡組曲(arr. Maurice Marechal) ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) スティーヴン・コワセヴィチ(ピアノ:3) エルネスト・ラッシュ(ピアノ:4) 録音:7.I.1962(1), 26.I.1962(2), 25.II.1965(3), 22.III.1961(4), BBC Studios, London 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy Disc2:Early BBC Recordings, Vol.2 1. 1-4) ブラームス:チェロ・ソナタ第2番ヘ長調 Op.99 2. 5-9) クープラン:趣味の融合〜コンセール第13番ト長調 3. 10-13) ヘンデル:ソナタ ト短調 HWV.287(arr. J.W.Slatter) ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) ウィリアム・プリース(ピアノ:2) エルネスト・ラッシュ(ピアノ:1,3) 録音: 22.III.1961(3), 17.III.1963(2), BBC Studios, London 3.IX.1962, Freemason’s Hall, Edinburgh Festival(1, live) 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy Disc3:Music for Viola and Cello 1. ヘンデル:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ハ長調〜第3楽章:アダージョ ハーバート・ダウンズ(ヴィオラ) ロナルド・キンロック・アンダーソン(チェンバロ) 2. ヴォーン・ウィリアムズ:グリーンスリーヴズの主題による幻想曲 ハーバート・ダウンズ(ヴィオラ) オシアン・エリス(ハープ) 3. キュイ:万華鏡 Op.50〜オリエンタル ハーバート・ダウンズ(ヴィオラ) ジョン・ウィリアムズ(ギター) 4. ブラームス:ハンガリー舞曲第17番 ハーバート・ダウンズ(ヴィオラ) ジェラルド・ムーア(ピアノ) 5. J.Sバッハ=グノー:アヴェ・マリア ハーバート・ダウンズ(ヴィオラ) ロイ・ジェソン(オルガン) 6. ヴォーン・ウィリアムズ:ヴィオラと小オーケストラのための組曲〜ギャロップ ハーバート・ダウンズ(ヴィオラ) ジェラルド・ムーア(ピアノ) 7. J.S.バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ第2番ニ長調 BWV.1028〜第1楽章、第2楽章 ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) ロナルド・キンロック・アンダーソン(チェンバロ) 8. J.S.バッハ:トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV.564〜アダージョ ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) ロイ・ジェソン(オルガン) 9. サン=サーンス:白鳥 ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) オシアン・エリス(ハープ) 10. ファリャ:ホタ ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) ジョン・ウィリアムズ(ギター) 11. ブルッフ:コル・ニドライ Op.47 ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) ジェラルド・ムーア(ピアノ) 録音:15(7,8,11), 21(9,10) VII.1962, No. 1 Studio, Abbey Road, London 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy Disc4:A Jacqueline du Pre Recital 1. パラディス:シシリエンヌ 2. シューマン:幻想小曲集 Op.73 3. メンデルスゾーン:無言歌 ニ長調 Op.109 4. シューマン:幻想小曲集 Op.73 5. パラディス:シシリエンヌ 6. フォーレ:エレジー ハ短調 Op.24 ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) ジェラルド・ムーア(ピアノ) 録音:15,16.VII.1962(1-3), 8.X.1963(4,5), 1.IV.1969(6), No. 1 Studio, Abbey Road, London 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy Disc5 ディーリアス: 1. 告別の歌 2. 夜明け前の歌 3. チェロ協奏曲 ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ:3) ロイヤル・コーラル・ソサイエティ(1) ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 サー・マルコム・サージェント(指揮) 録音:22.IV.1964(1), 12 & 14.I.1965(2,3), No. 1 Studio, Abbey Road, London 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy Disc6 エルガー: 1. チェロ協奏曲 ホ短調 Op.85 2. 海の絵 Op.37 ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ:1) ジャネット・ベイカー(メゾ・ソプラノ:2) ロンドン交響楽団 サー・ジョン・バルビローリ(指揮) 録音: 19.VIII.1965, Kingsway Hall, London(1) 30.VIII.1965, No. 1 Studio, Abbey Road, London(2) 音源:2020 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy Disc7 ベートーヴェン: 1. チェロ・ソナタ第3番イ長調 Op.69 2. チェロ・ソナタ第5番ニ長調 Op.102-2 ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) スティーヴン・コワセヴィチ(ピアノ) 録音:19-23.XII.1965, Abbey Road Studios, London 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy Disc8 1. ハイドン:チェロ協奏曲第1番ハ長調 Hob.VIIb1 2. ボッケリーニ:チェロ協奏曲 変ロ長調(arr. & cadenzas Grutzmacher)0 ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) イギリス室内管弦楽団 ダニエル・バレンボイム(指揮) 録音:17(1), 24(2) IV.1967, No. 1 Studio, Abbey Road, London 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy Disc9 1. ハイドン:チェロ協奏曲第2番ニ長調 Hob.VIIb2 2. モン:チェロ協奏曲ト短調(harpsichord continuo realised by Arnold Schoenberg: ed. Aveling) ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) ロンドン交響楽団 サー・ジョン・バルビローリ(指揮) 録音:13.XII.1967(1), 20.IX.1968(2), No. 1 Studio, Abbey Road, London 音源:2020 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy Disc10 1. シューマン:チェロ協奏曲イ短調 Op.129 2. サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番イ短調 Op.33 ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 ダニエル・バレンボイム(指揮) 録音:8-9.IV & 11.V.1968(1), 24.IX.1968(2), No. 1 Studio, Abbey Road, London 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy Disc11 ブラームス: 1. チェロ・ソナタ第1番ホ短調 Op.38 2. チェロ・ソナタ第2番ヘ長調 Op.99 ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) ダニエル・バレンボイム(ピアノ) 録音:IV 1968, London 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy 3. ブルッフ:コル・ニドライ Op.47 ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団 ダニエル・バレンボイム(指揮) 録音:VI 1968, London 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy Disc12 1. R.シュトラウス:交響詩『ドン・キホーテ』 Op.35 ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) ハーバート・ダウンズ(ヴィオラ) ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 サー・エードリアン・ボールト(指揮) 録音:6-7 & 9.IV.1968, No. 1 Studio, Abbey Road, London 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy(※新編集) 2. ラロ:チェロ協奏曲ニ短調 ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) クリーヴランド管弦楽団 ダニエル・バレンボイム(指揮) 録音:4 & 6.X.1973, Severance Hall, Cleveland(live) 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy Disc13 ブラームス: 1. チェロ・ソナタ第1番ホ短調 Op.38 2. チェロ・ソナタ第2番ヘ長調 Op.99 ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) ダニエル・バレンボイム(ピアノ) 録音:20.V & 18.VIII.1968, No. 1 Studio, Abbey Road, London 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy Disc14 1. ブラームス:クラリネット三重奏曲 イ短調 Op.114(※初出音源) ジェルヴァース・ド・ペイエ(クラリネット) ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) ダニエル・バレンボイム(ピアノ) 録音:1968, Abbey Road Studios, London 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy 2. サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番イ短調 Op.33 ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) フィラデルフィア管弦楽団 ダニエル・バレンボイム(指揮) 録音:23.I.1971, Academy of Music, Philadelphia(Live) 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy Disc15 ベートーヴェン: 1. ピアノ三重奏曲第1番変ホ長調 Op.1-1 2. ピアノ三重奏曲第2番ト長調 Op.1-2 ピンカス・ズッカーマン(ヴァイオリン) ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) ダニエル・バレンボイム(ピアノ) 録音:29 & 30.XII.1969 & 3.I.1970, Abbey Road Studios, London 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy Disc16 ベートーヴェン: 1. ピアノ三重奏曲第3番ハ短調 Op.1-3 2. ピアノ三重奏曲第4番(クラリネット三重奏曲)変ロ長調 Op.11『街の歌』 3. ピアノ三重奏曲第5番ニ長調 Op.70『幽霊』 ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) ダニエル・バレンボイム(ピアノ) ピンカス・ズッカーマン(ヴァイオリン:1,3) ジェルヴァース・ド・ペイエ(クラリネット:2) 録音:29,30.XII.1969 & 3.I.1970(1,3), 30.I.1970(2), Abbey Road Studios, London 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy Disc17 ベートーヴェン: 1. ピアノ三重奏曲第6番変ホ長調 Op.70-2 2. ピアノ三重奏曲第7番変ロ長調 Op.97『大公』 ピンカス・ズッカーマン(ヴァイオリン) ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) ダニエル・バレンボイム(ピアノ) 録音:29 & 30.XII.1969 & 3.I.1970, Abbey Road Studios, London 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy Disc18 ベートーヴェン: 1. ピアノ三重奏曲変ホ長調 WoO.38 2. ピアノ三重奏曲変ホ長調 Op.44『創作主題による14の変奏曲』 3. ピアノ三重奏曲第11番ト長調 Op.121a『カカドゥ変奏曲』 4. ピアノ三重奏のためのアレグレット 変ロ長調 WoO.39 5. ピアノ三重奏のためのアレグレット 変ホ長調 Hess.48 ピンカス・ズッカーマン(ヴァイオリン) ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) ダニエル・バレンボイム(ピアノ) 録音:29 & 30.XII.1969 & 3.I.1970, Abbey Road Studios, London 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy Disc19 ベートーヴェン: 1. チェロ・ソナタ第1番ヘ長調 Op.5-1 2. チェロ・ソナタ第2番ト短調 Op.5-2 3. チェロ・ソナタ第3番イ長調 Op.69 ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) ダニエル・バレンボイム(ピアノ) 録音:live: 25-26.VIII.1970, Usher Hall, Edinburgh 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy Disc20 ベートーヴェン: 1. チェロ・ソナタ第4番ハ長調 Op.102-1 2. チェロ・ソナタ第5番ニ長調 Op.102-2 3. ヘンデルの『マカベウスのユダ』の主題による12の変奏曲WoO.45 4. モーツァルトの『魔笛』の主題による7つの変奏曲 WoO.46 5. モーツァルトの『魔笛』の主題による12の変奏曲 Op.66 ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) ダニエル・バレンボイム(ピアノ) 録音:live: 25-26.VIII.1970, Usher Hall, Edinburgh 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy Disc21 ドヴォルザーク: 1. チェロ協奏曲ロ短調 Op.104 2. 森の静けさ Op.68-5 ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) シカゴ交響楽団 ダニエル・バレンボイム(指揮) 録音:11.XI.1970, Medinah Temple, Chicago 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy Disc22 1. ショパン:チェロ・ソナタ ト短調 Op.65 2. フランク:チェロ・ソナタ イ長調 ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) ダニエル・バレンボイム(ピアノ) 録音:10,11.XII.1971, No. 1 Studio, Abbey Road, London 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy Disc23 ● チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲イ短調 Op.50『偉大な芸術家の思い出に』 ピンカス・ズッカーマン(ヴァイオリン) ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) ダニエル・バレンボイム(ピアノ) 録音:live by Israel Radio: VII.1972, Frederick Mann Auditorium, Tel Aviv(MONO) 音源:2022 in 192kHz/24-Bit from original tapes by Studio Art & Son, Annecy 【ジャクリーヌ・デュ・プレ プロフィール】 第二次世界大戦も終わりに近づいた1945年1月26日、ジャクリーヌ(ジャクリーン)・デュ・プレは、音楽好きの父デレクと、ピアノや声楽などの素養があった母アイリスの次女としてイギリスのオックスフォードに生まれます。「デュ・プレ」というフランス人のような姓は、先祖が英国海峡フランス沖にあるジャージー島の出身者だったためとのこと。ジャクリーヌは、4歳の時にラジオから流れるチェロの音に関心を持ったことがきっかけで、母親のアイリスから4分の3サイズのチェロを与えられ、5歳になると母の薦めもあって、ロンドン・チェロ・スクールで姉のヒラリーとともに本格的にチェロのレッスンを受けることとなります。このスクールの総長はチェリスト出身の名指揮者ジョン・バルビローリで、彼はすぐにジャクリーヌの才能を見抜いたといいます。 10歳になると、ギルドホール音楽学校に通い始めます。この年の始めには、後年まで「マイ・チェロ・ダディー(私のチェロのお父さん)」と呼んで敬愛したイギリスのチェリスト、ウィリアムス・プリースと初めて出会っており、彼女を気に入ったプリースは7年間に渡って彼女を教えることとなります。 11歳でチェロ援助基金に合格した彼女は、12歳のときにBBC主催のコンサートで演奏。15歳のときには、ギルドホール音楽学校の金メダルを獲得し、クィーンズ賞も受賞、さらにスイスではカザルスのマスタークラスにも参加して腕を磨きます。 翌1961年3月1日、16歳のときにロンドンのウィグモアホールで、プロとしての正式なデビュー・コンサートをおこない高い評価を獲得。直後にBBCでヘンデルのソナタ、ファリャのスペイン民謡組曲を録音しています。 年末から翌1962年にかけてはBBCでバッハ無伴奏チェロ組曲第1番、第2番を演奏し、2月には母アイリスの伴奏でサン=サーンス:アレグロ・アパッショナート、グラナドス:ゴイェスカス間奏曲、メンデルスゾーン:無言歌二長調などを演奏して映像を収録(→EMI)。また、3月21日には、ロンドンのロイヤル・フェスティバルホールでルドルフ・シュヴァルツ指揮BBC交響楽団の演奏会でエルガーのチェロ協奏曲を演奏し、大きな成功を収めることとなります。 その成功により、同じ年の夏にロンドンでおこなわれた「プロムス」にも出演して同曲を演奏、国民的なコンサートでの見事な演奏により、一躍人気を集めることとなったのです。なお、同じ夏にはEMIでブルッフのコル・ニドライ、パラディス:シチリエンヌ、シューマン:幻想小曲集、メンデルスゾーン:無言歌ニ長調、ファリャ:ホタ、バッハ:トッカータ、アダージョとフーガよりアダージョ、サン=サーンス:白鳥をセッション録音しており、9月には、ブラームス:チェロ・ソナタ第2番をアーネスト・ラッシュのピアノでライヴ録音しています。 彼女はしかし、まだ自分の演奏に満足しておらず、この年の秋、フランスの名チェリスト、ポール・トゥルトゥリエに師事するため、パリに6ヶ月間留学することとなります。 1963年には、ジェラルド・ムーアとのパラディス:シチリエンヌ、シューマン:幻想小曲集のほか、恩師ウィリアム・プリースとのクープラン:コンセール第13番が録音されています。この年、サージェントの指揮でエルガーのチェロ協奏曲を演奏しており、かつてはその録音がリリースされていました。 1964年には、後援者のイスメナ・ホーランドから、ストラディヴァリウスの銘器ダヴィドフを贈られ、以後、生涯に渡ってこの楽器と付き合うこととなるのですが、デュプレの演奏が激しいこともあって、ダヴィドフはたびたび修理に出されていたようです。 1965年1月、ジャクリーヌは、初の協奏曲レコーディングとなったディリアスのチェロ協奏曲をサージェント指揮ロイヤル・フィルとおこない、4月にはゆかりの深いバルビローリと初の共演を果たします。曲はもちろんエルガーです。 翌月にはドラティ率いるBBC響のアメリカ・ツアーに同行し、カーネギーホールで華々しいデビューを飾っています。曲はやはりエルガーでした。8月にはバルビローリ指揮ロンドン交響楽団とエルガー:チェロ協奏曲のレコーディングをおこない、12月にはLPが発売されるなど、13歳から親しんだエルガーの名曲が、彼女のトレードマークとして、世界で広く知れ渡ることとなりました。 この12月にはスティーヴン・ビショップとベートーヴェンのチェロ・ソナタ第3番と第5番をレコーディングしています。 翌1966年2月には、彼女はさらなる研鑽を積むべく4ヶ月間ロシアに留学してムスティスラフ・ロストロポーヴィチに師事します。 同年12月には、招待されたフー・ツォン家のクリスマス・パーティで、ダニエル・バレンボイムと出会い、彼女の提案によってブラームスのソナタ第2番へ長調が演奏されます。 翌月(1967年1月)、バルビローリ指揮BBC交響楽団のロシア東欧ツアーに同行、1月3日、プラハ芸術家の家でエルガー:チェロ協奏曲を演奏してライヴ録音(→TESTAMENT)、4日後には、モスクワ音楽院大ホールでも同じくエルガーで賞賛を受けます。 同年4月5日、バレンボイム指揮イギリス室内管弦楽団と初の共演でハイドンを演奏、ほどなく婚約が発表され、2ヵ月後には結婚式が挙げられます。なお、婚約直後にはバレンボイムとハイドンのチェロ協奏曲第1番とボッケリーニのチェロ協奏曲第9番のレコーディングがおこなわれ、さらにエルガーのチェロ協奏曲をバレンボイム指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団と映像収録しています(→OPUS ARTE)。11月にはチェリビダッケ指揮スウェーデン放送響のコンサートでドヴォルザークのチェロ協奏曲を演奏してライヴ録音(→TELDEC)、12月にはバルビローリとハイドンのチェロ協奏曲第2番のレコーディングがおこなわれています。 1968年4月は、エードリアン・ボールトと『ドン・キホーテ』のレコーディングをおこない、バレンボイムとはブラームスのチェロ・ソナタ第1番と第2番、シューマンのチェロ協奏曲を録音、5月になるとシューマンの仕上げに続いてブラームスのチェロ・ソナタ第1番と第2番を再度録音、6月には、バレンボイムとブルッフ:コル・ニドライを録音し、9月にバルビローリとモンのチェロ協奏曲、バレンボイムとサン=サーンスのチェロ協奏曲第1番を録音しています。 この年の8月には、彼女が前年に訪れたプラハにソ連軍が侵攻、難民化したチェコ人を応援すべく、ロイヤル・アルバート・ホールでドヴォルザークのチェロ協奏曲を演奏するとバレンボイムと共に発表したところ、コンサート直前に脅迫を受け、警察の保護を受けることになるものの、なんとか演奏を終えています。 1969年は4月にジェラルド・ムーアとフォーレ:エレジーをレコーディングしているほか、8月にはクリストファー・ヌーペン監督のためにシューベルト『ます』の全曲演奏を含むドキュメンタリーを映像収録(→OPUS ARTE)。12月から翌年1月にかけて、ズーカーマン、バレンボイムとベートーヴェンのピアノ三重奏曲全集をレコーディングしています。 1970年1月、ドゥ・ペイエ、バレンボイムとベートーヴェン:クラリネット三重奏曲を録音。8月、エディンバラ・フェスティヴァルでベートーヴェンのチェロ・ソナタ全集をバレンボイムとライヴ録音(→EMI)。渡米し、11月にバレンボイム指揮シカゴ交響楽団とドヴォルザークのチェロ協奏曲をレコーディング。フィラデルフィアでのコンサートでは、エルガーのチェロ協奏曲をバレンボイム指揮で演奏し、ライヴ録音(→SONY)。 1971年1月、バレンボイム指揮フィラデルフィア管弦楽団のコンサートでサン=サーンスのチェロ協奏曲第1番をとりあげライヴ録音(→TELDEC)。英国に帰ってから、指先の感覚が鈍くなるなどの体調不良を訴え、病院で診察を受けた結果、心因性のものと診断され、秋から1シーズンの演奏をすべてキャンセルします。しかし、12月にはかなり良くなり、キャンセルしたベートーヴェンのチェロ・ソナタの代わりに、ショパンとフランクのチェロ・ソナタをバレンボイムとセッション録音します。このときの演奏は、5ヶ月間もチェロに触れていなかったことが信じられないほどの名演奏でしたが、これが彼女の最後のスタジオ録音となりました。 1972年7月、エルサレムで、ラジオ放送のためにバレンボイム、ズッカーマンとチャイコフスキーのピアノ三重奏曲『ある偉大な芸術家の思い出』を演奏しライヴ録音(→EMI)。 1973年1月、バレンボイム指揮クリーヴランド管弦楽団のコンサートでラロのチェロ協奏曲を演奏しライヴ録音(→EMI)。同年2月、メータ指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団とエルガーのチェロ協奏曲を演奏し、さらにニューヨークではリサイタルも開きますが、症状は徐々に進行しており、バーンスタインとの共演はキャンセル、4月に来日した際にはすでに演奏不可能となり、予定されていたコンサートはすべて中止となってしまいました。 同年10月には中枢神経が冒され、難病「多発性硬化症」と診断されます。しかし、ジャクリーヌ本人や家族は、この病気の進行が遅いものであることを祈って日々を過ごしていたのですが、1975年、ニューヨークのロックフェラー研究所がくだした診断は、「多発性硬化症がさらに悪化している」というもので、これにより、ジャクリーヌはチェリストとして事実上の引退を決断することとなり、後進の指導にたずさわる道を選びます。 この年、ジャクリーヌは音楽での社会貢献を称えられて大英帝国勲位(OBE)を授与され、一方、夫のバレンボイムはパリ管弦楽団の音楽監督に就任。パリを本拠地とするようになります。 1978年、プロコフィエフの『ピーターと狼』のナレーターとして、「ジャクリーヌ・デュ・プレ基金」設立の記念コンサートに参加。 1979年、エリザベス皇太后から音楽博士の名誉学位を授与されます。同年、母校のギルドホール音楽学校でBBCのために4回シリーズのマスタークラスも実施。 1987年10月19日、病状悪化によりロンドンの自宅で死去。享年42歳でした。 1988年1月26日、生きていれば43回目の誕生日だった日に、その輝かしい生涯に感謝するコンサートが開かれ、デイム・ジャネット・ベイカーが歌い、ズービン・メータがスピーチをし、夫だったバレンボイムがイギリス室内管弦楽団とモーツァルトのピアノ協奏曲第27番を弾き振りで演奏しました。 1989年、ガーデニング好きには有名なハークネス社が、彼女の名を冠した「ジャクリーヌ・デュ・プレ」というバラを発表。晩年、視力が衰えたジャクリーヌが、その香りの美しさから好んだという白く清楚で儚げなバラで、現在でも高い人気があります。(HMV) https://www.hmv.co.jp/artist_-%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AD%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%A0%E3%83%8B%E3%83%90%E3%82%B9_000000000049011/item_%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8C%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AC%EF%BC%8F%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%BC%E9%8C%B2%E9%9F%B3%E5%85%A8%E9%9B%86%EF%BC%8823CD%EF%BC%89_12770565
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