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19世紀から中国を手に入れようとしているイギリスにとって日本は重要だった
中国は19世紀にイギリスから侵略されている。1840年に勃発したアヘン戦争と56年に始まった第2次アヘン戦争だ。香港はその時にイギリスが中国から奪った場所。その後、略奪の拠点として機能する。イギリスやアメリカが香港を手放そうとしないのはそのためだ。アメリカが麻薬取引と深く関係していた蒋介石の国民党に肩入れしたのもそうした背景が影響しているのだろう。
アヘン戦争と第2次アヘン戦争でイギリスは勝利したが、それは海戦。運輸の中心である海をイギリスに押さえられた中国は苦境に陥るが、イギリスには内陸部を支配する戦力はない。アヘン戦争に投入されたイギリス軍は5000名。7000名はインドの兵士だ。第2次アヘン戦争でイギリス軍は兵士の数を増やしたが、それでも1万3127名。フランスから7000名ほどが参加している。
圧倒的にイギリスは戦力が不足している。そこで目をつけられたのが日本。明治維新はそうした側面から考える必要がある。ちなみに日清戦争で日本軍は24万人が投入された。明治維新以降、日本は大陸侵略の拠点であり、日本人はアングロ・サクソンの傭兵としての側面がある。
この構図が揺らいだのはフランクリン・ルーズベルトが大統領だった1933年3月から45年4月。当時、日本を支配していたウォール街がホワイトハウスの主導権を奪われていたのだ。ただ、それでも1932年にJPモルガンの中枢にいたジェセフ・グルーが駐日大使になっている意味は小さくない。なお、大戦後に日本の進路を決めたジャパン・ロビーの中心にもグルーはいた。GHQや吉田茂は日米主従構造において脇役にすぎない。主役はウォール街と昭和天皇だ。戦争が終わった直後、ウォール街の代理人を務めていた人物がジョン・フォスター・ダレスにほかならない。
アヘン戦争以降、アングロ・サクソンにとって東アジアで最も重要な侵略ターゲットは中国。現在、中国と同盟関係にあるロシアも重要な獲物だ。1991年12月にソ連が消滅した直後に作成されたウォルフォウィッツ・ドクトリン、アメリカが唯一の超大国になったと認識したネオコンが描いた世界制覇プランを実現するためにもアメリカは中国とロシアを屈服させる必要がある。そのプランを放棄しない限り、ドナルド・トランプがどのようなことを書き込もうと、彼らが日米安保条約を放棄することはありえない。
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