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僕はトマ・ピケティの『21世紀の資本』と同じ事しか言ってないよ:
すでに世界的ベストセラーになっているのでご存じの方も多いと思うが、数百年にわたる膨大な所得税・相続税の資料等をデータベース化し、労働によって生み出される富(所得等)よりも、蓄積された資本そのものが生み出す収益(利子・配当等)の方が長期的には伸び率が大きいことを実証したものである。
http://piketty.pse.ens.fr/files/capital21c/en/pdf/F10.9.pdf
つまり、汗水垂らして働く労働者よりも、株を持った伝統的金持ちの方が有利であり、どんどん貧富の差が拡大するのが資本主義の本質であるということだ。
当たり前にも思えるが、実際のデータの裏付けをもってこれを示したところに意義があるわけで、「このデータ部分だけでノーベル賞に値する」(ローレンス・サマーズ)という意見もあるのは納得できる。
日本における所得格差は戦前は欧州なみ(に大きかった)が戦後は欧州と同様に下がった、
しかし、アングロサクソン諸国では近年急激に格差が拡大している、
など興味深いデータが極めて多い。
著者のピケティは数学が苦手なわけではなく、もともと数学専攻であり、高等数学を駆使した経済学に飽き足らずに、この歴史的データの解析に取り組んだという。ヨーロッパの学者らしい展開だ。
日本語書名で「(21世紀の)資本論」を避けて「資本」としたのは、ピケティ自身がマルクスの資本論に否定的であることを考慮したためであろうが、本の中身を考えればちょっとわかりにくい。『21世紀の資本・論』というあたりが妥当かもしれない。
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