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オーディオ専門誌「無線と実験」に掲載されていた「安井章」先生創案のアンプ
プリアンプ騒動記 - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2020年01月19日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/ecaf2d03bd4a6a73eabf5cf0fc5a8a42
「ラックスのプリアンプをオークションで落札したんですけど、お宅のアンプとスピーカーで試聴させてもらえませんか」と、近隣にお住いのオーディオ仲間「Y」さんからご連絡があったのは1週間ほど前のことだった。
「ハイ、もちろんいいですよ」と一つ返事。
何しろ「リチウムイオン電池」と、「200ボルト電源からの降圧トランス」という、オーディオの根源に関わる「電源対策」はYさん抜きでは語れないし、うかつに足を向けては寝られない存在だ(笑)。
さて、実はこの度Yさんが落札されたラックスのプリアンプ「CL35」についてはかねがね「どうしようか?」とご相談を受けていた。
ラックスには何の憾みもないが、ありのままに言わせてもらうと「ラックスのアンプはとかく評判が悪いですよ。ベテランの真空管アンプ工房さんによると使ってある部品の質が悪いそうです。音も総じて生ぬるい傾向だし、止めといた方がいいですよ」と反対してきた。
ところが、肝心のYさんはどうやら「見かけ」に幻惑されたご様子で(笑)、「実は自宅用ではなくて運営している老健施設の食堂のアンプ用です。パワーアンプが6550プッシュプルなので、セットで置くと見栄えが良さそうなので・・・。」
結局「即決」で落札されたアンプを、3連休の最後の13日(月)の午後になって、いそいそと持参されたので音出しを含めて「プリアンプの実験」となった。
「パワーアンプ転がし」や「球転がし」はこのブログの読者ならご存知のとおり数限りなくやってきたが「プリアンプ転がし」は、たしか初めてではないかな。
そもそも、デジタルの時代になって「プリアンプ不要論」が横行しているくらいその存在感は薄れるばかりである。
今のところ「質のいいプリアンプならあった方がいいし、そうでなければ無い方がいいしでケースバイケース」というのが結論だ。
そして、Yさんは部屋に入ってこられるなり開口一番「テスト機器のパワーアンプは「2A3シングル」を、スピーカーは「AXIOM80」でお願いします。」
「はい、わかりました」(笑)。
「AXIOM80」をテスト用のスピーカーに選ぶなんて、(アンプの)欠点を容赦なく暴き出すのでアンプが可哀そうだなあ・・・。
とりあえず用意したプリアンプは我が家の分が3台とラックスの「CL35」との計4台の勝負となった。
ちなみにその3台とは、
1 マッキントッシュ「C-22」型プリアンプ
2 マランツ「7」型プリアンプ
3 オーディオ専門誌「無線と実験」(2001.1月号)に掲載されていた「安井 章」先生創案のプリアンプ
まずは「ラックス」を鳴らしてみた。ちゃんと音が出てくれるかどうかが先決だ。
いきなり「どでかい音」が出てきて「AXIOM80」が破損すると「もう死んだほうがまし(笑)」なので、内心ヒヤヒヤしたが真空管が多いせいか、温まるまで時間がかかったもののようやく音が出てきてくれてホット一息。
相変わらずラックスらしいボンヤリした音だと内心思ったが「なかなかいいじゃないですか!長時間聴いても疲れそうにない音ですよ。」と、積極的に応援(?)してみたものの肝心のYさんはどうもご不満げな様子。
それから我が家のプリアンプを1,2,3と次々に試聴していった。
その結果を白日の下にさらすと、
「プリアンプで音があまりにも大きく変化するので驚きました。パワーアンプ以上の差が出てきますね。
ベスト1は3のプリアンプです。まったく非の打ち所がない音で感心しました。2と3はその次のレベルになりますが、ほぼ互角で実力伯仲といったところでしょう。ラックスとなると、もう最低最悪です。
音が生ぬるくて情報量がまったく不足しています。このままでは聴きたくないので3を製作したMさんに改造を頼めないですかね。」と、Yさん。
「それは頼んでみてもいいのですが、(ラックスは)ちゃんと鳴っているのにもったいないですね・・・」
さて、今回のテストで見事に栄冠に輝いた「安井型」アンプの特徴を製作者に伺ってみると、安井先生はその道ではたいへんな権威で信奉者が多く、このアンプは「定電圧回路」にこだわり電源部分に特に注力したとのこと。
プリもパワーもそうだけど、最後は「電源」部分の充実度がものをいうみたいですよ。そんなことは、とうの昔に分かっとるわいという方が多いでしょうが(笑)。
実は、このアンプは去る12月に来たばかりのまだ借り受け状態のままで、購入と決めたわけではなくどうしようかと迷っている真っ最中だった。使用されている真空管はありふれた「12AU7×4本」。
「購入する気になれば原材料費だけでいいよ」と、相変わらず「儲け心」が皆無な製作者だが、ビンボー人にとってはそれでも結構なお値段だしねえ(笑)。
しかし、自他ともに認める「NO.1」となれば買わずばなるまいなあ・・・。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/ecaf2d03bd4a6a73eabf5cf0fc5a8a42
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安井式40WパワーアンプとAccuphaseのP-6100の対決
https://yurikamome.exblog.jp/24265944/
パワーアンプの製作で、安井式の選択の成功だった。
あるイベントで、パワーアンプのみ安井式にしてデモンストレーションを行った。多くがオーディオに興味がある人しか来なかったそのイベントでは、おおむね好評というレベルではなく、足を運んでくれた人は皆一様に予想以上のクオリティーに驚いていた。
あるマニアが「そのアンプ、貸してくれませんか」というお話。その方のお宅で、アキュフェーズのアンプとタンノイの高級スピーカと組み合わせると言う機会を得た。
ラインナップはパワーアンプがP-6100、プリアンプがC-2420。スピーカーはタンノイのカンタベリー。
基本的にバランス伝送で接続されていて、スピーカーはバイワイヤリングで接続されている。
今はハイエンドはバランス伝送が常識的な流行と言うことになっている。(実はバランス伝送というのは家庭用のケーブルが長くても数メートルというオーディオシステムでは、デメリットの方が大きいと言うことをあまり知られていないのは、ものを作る側で、しかも高いものを売りたい方としてはありがたいことだと思う)
始めに聴いた印象で、このシステムのスケール感は快感を感じさせる。
伸びやかなきめの細かい音も色気を感じたし、ピアノの共鳴による基音より低い音も雄大に響いていて、それでいて立ち上がりがよかった。でもハイエンドによくありがちな1枚ベールをかぶった印象はやはりここでもあった。
そんなシステムのおよそ100万円のパワーアンプとの対決なのだけど、安井式のパワーアンプはアンバランス伝送なので、アキュフェーズのプリアンプのC-2420はアンバランスの出力も装備されているのでいるので、こちらを使って接続。
カンタベリーは能率が8Ωで96dBもあるので、スピーカーから2〜3mのリスニングポジションで40Wの出力でもダイナミックレンジとしては生のオーケストラ以上の音が出せるので、全く出力としては問題なし。
重さも大きさも全然違うこの対決は大変楽しみだったけど、結果は惨憺たるものだった。
自宅ではスピーカーの外まで拡がっていた音場が全く拡がらないどころか奥にくすんでしまっていて、しかも詰まった印象。
アキュフェーズできこえていたピアノのハンマーが弦を叩くその感じが全くしない。
よくハイエンドにありがちな、スケール感はあるのだけど1枚ベールをかぶったそんな感じが更にひどくなったような印象だった。ホールトーンが自然に引かないどころか、きこえるべきホールトーンがない。
明らかに自宅で鳴らすのとは、出張デモで鳴らすのとなり方が違う。
実験用に用意していったコモンモードフィルターをプリとパワーの間に挿入したところ、大きな改善があったものの、それでもアキュフェーズの足下に及んだとは到底言いがたいのは変わらない。自宅で聴いたときのようなホールに包まれるような感じが全くしない。
アンプを自宅に持ち帰りいつもの環境で試してみると、さすがにカンタベリーのスケール感にはかなわないのだけど、透明感と立ち上がりでは明らかに我が家の環境の方が勝っていると思う。
安井先生にそのことを話してみたところ、「プリアンプも対応していないと、音は拡がりませんよ」とのこと。
この経験は大きかった。音をよくする秘密が一つ解った気がした。
なぜたった数メートルのケーブルに大金を投資しなければいけないのか、なぜ試聴したときと買ったときでは音が違うのか、その原因の大きなものを見つけた気がした。
そして、それは後の実証実験でたぶん正しかった。
https://yurikamome.exblog.jp/24265944/
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