http://www.asyura2.com/17/asia23/msg/884.html
Tweet |
韓国国防部(省に相当)は18日、9・19軍事合意から1年の成果を自画自賛し「空中では軍事境界線(MDL)を中心に機種ごとの飛行禁止区域を設定し、南北間で事前に通知されない飛行は一切行っていない」と説明した。その一方で国防部は「過去に北側はこちらの地域に対する偵察や監視を行うため無人機を浸透させていたが、これも全く行われなくなった」と強調した。
ただし韓国軍の監視や偵察の能力が低下した事実には言及しなかった。飛行禁止区域の設定によって無力化した前方の無人機監視領域について、韓国軍はこれを有人偵察機のU2、金剛(RC800)、ハイタカ(RF16)などで補うとしているが、これもまともに行われていないことが分かった。
合同参謀本部が保守系野党・自由韓国党の李種明(イ・ジョンミョン)議員に提出した「9・19軍事合意中間評価」によると、韓国軍は軍事合意以降、ハイタカの標的となる574カ所のうち、10%に当たる59カ所が監視範囲制限の影響で識別されていないと評価した。米国の監視・偵察機U2もこれまでの3565カ所の標的のうち、143カ所の標的を識別できず、その識別率が4%低下した。李議員は「飛行禁止区域の設定で偵察区域が後方に押し戻され、北朝鮮に対する偵察能力が弱体化した」と指摘し「飛行禁止区域の解除など、特段の措置を下さねばならない」と主張した。
国防部はこの日、東海と西海の北方限界線(NLL)周辺の緩衝区域における敵対行為について「全面中止を忠実に実行している」と説明したが、これについても「事実とは異なる」との指摘が相次いでいる。李議員は「現在、西海地域ではおよそ13門、東海地域では3門ほどの海岸砲が開かれていることが分かった」と主張した。すでに知られている西海の海岸砲のほかに、東海でも海岸砲がすでに開かれているというのだ。9・19軍事合意によって艦砲や海岸砲の砲口、砲身にはカバーを掛け、砲門は閉じることになっているが、北朝鮮はこれを堂々と開けている。これについて韓国軍は「換気のため一時的に開けたものと理解している」と説明した。
韓国軍周辺では「9・19軍事合意の多くが北朝鮮だけに有利」との指摘もある。韓国と北朝鮮は監視所(GP)の試験撤去を進め、いずれも11カ所のGPを撤去したが、影響で南北間のGP数の割合はその格差がさらに広がった。撤去前も韓国側は60カ所、北朝鮮側は160カ所で2倍以上の差があったが、双方が同じ数のGPを撤去したことで、その差は3倍に広がった。
西海NLLに近い咸朴島の要塞(ようさい)化も同様だ。韓国軍が軍事活動を中断した一方で、北朝鮮は無人島の占領作戦を進め、江華島近くの咸朴島に仁川国際空港や仁川港が識別範囲に入る探知距離40−80キロのレーダーを設置した。板門店共同警備区域(JSA)は非武装化されているが、当初合意された南北の自由往来は北朝鮮側の非協力的な態度によって実現していない。韓国政府は今年5月にこの地域を開放したが、見学が可能なのは韓国側だけだった。
一時中断していたミサイルなど発射体による挑発も再び日常化した。北朝鮮は今年だけでイスカンデル・ミサイルや超大型放射砲(多連装ロケット砲)など「新型4点セット」による挑発を10回強行した。しかし韓国国防部は「ここ1年の間に北朝鮮による9・19違反行為は1件も発生しなかった」と強弁している。予備役将校の団体「星友会」は「北朝鮮は軍事境界線周辺での拡声器放送やビラ散布の中断、陸海空における敵対行為の中止など、彼らに有利な部分だけを実行に移させ、ミサイル挑発は続けている」「今後政府は9・19軍事合意の破棄などを検討すべきだ」と主張した。
一方で文在寅(ムン・ジェイン)大統領は今月17日、韓国大統領府で行われた主席・補佐官会議で「(非武装地帯〈DMZ〉など前方の地域はもちろん)後方の基地でも地雷の除去作業を計画通り進めよ」と発言したことが分かった。これを受けて大統領府国家安保室は韓国軍の各司令部に文大統領の指示を伝えたという。与党などからは「米朝実務者協議再開の動きが表面化すれば、韓半島での地雷除去などで南北対話の雰囲気を高めることができる」と期待する声も上がっている。
ヤン・スンシク記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
記事入力 : 2019/09/19 10:20
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/09/19/2019091980036.html
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。