http://www.asyura2.com/17/asia22/msg/887.html
Tweet |
ジャワ島横断鉄道 国際入札案 「日本と建設」再び反故に? インドネシア、財政重視
【ジャカルタ=鈴木淳】インドネシアのジャワ島を横断する鉄道建設計画で、ジョコ政権内に国際入札にかける案が浮上している。これまで「日本と建設する」としていたが、コストを重視して中国など他国からも計画を募る可能性が出てきた。ジョコ政権は2015年に別の高速鉄道計画で日本案から中国案に乗り換えた経緯がある。再び約束を反故(ほご)にすれば、日本との関係悪化は避けられそうにない。
ジャワ島横断鉄道は首都ジャカルタと第2の都市スラバヤ間(約750キロ)を結ぶ計画。既存の国鉄路線を大幅に改修し、所要時間を現在の11時間から半分以下に縮める。日本は当初、踏切の廃止などによる高速化を提案し、インドネシア側も一度は合意していた。その後、インドネシア側が突如、全線の電化を要求し、8000億円超とされるコストの問題などから計画は迷走し始めた。
インドネシア側が特に懸念するのは、財政負担の増加だ。日本は当初、円借款を軸に検討し、インドネシア側も受け入れを検討していた。だが、昨年7月の内閣改造で財政規律を重視するスリ・ムルヤニ財務相が就任すると、借金を増やさない官民パートナーシップ方式(PPP)によるインフラ開発を主張するようになった。
インドネシア運輸省は昨年12月、「日本と協力することで合意した」と一方的に発表した。ジョコ大統領の腹心、ルフット海事担当調整相が何度も訪日し、政府関係者らに日本と計画を進める意向を示した。だがジョコ政権はその裏で他国にも計画を打診、中国などが関心を示したとされる。
ジャカルタ・バンドン間の高速鉄道計画は日本案から中国案に乗り換えた
運輸省はこのほど全線電化やPPPを条件に国際入札をする案をまとめた。日本と建設するとした内容を事実上、白紙に戻す内容だ。ただ、ジョコ政権内で意見が割れており、最終的には大統領の判断に委ねられる。
日本にとっては、先に手を挙げたものの不透明な形で中国案が採用された高速鉄道計画(ジャカルタ・バンドン間)の二の舞いという「悪夢の再来」(政府関係者)の可能性が出てきた。
同計画では日本の新幹線方式を導入することがほぼ確実とみられていた。だが、14年10月のジョコ政権誕生で風向きが変わり、最終的にはPPPでインドネシア政府の負担を求めなかった中国案が採用された。菅義偉官房長官が「常識では考えられない」と発言するなど、両国関係はこじれた。
ジョコ政権は8月にも計画の概要を決めたい考えだ。
[日経新聞7月12日朝刊P.8]
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。