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シリア 67人死亡 サリンなど神経ガス使用か
4月5日 6時51分
内戦が続くシリアで空爆が行われたあと、多くの市民が化学兵器の使用が疑われる症状を訴え、これまでに子どもを含む67人が死亡、およそ200人が病院で手当てを受けています。現地で活動しているNGOは、被害を受けた人々の症状から猛毒のサリンなどの神経ガスが使われた可能性が高いという見方を示しました。
シリア北西部イドリブ県の反政府勢力が支配する町で4日、激しい空爆があり、その後、付近にいた市民の多くが呼吸障害やおう吐、けいれんなど、化学兵器の使用が疑われる症状を訴えました。
シリア国内で医療機関を支援しているNGOによりますと、これまでに子どもを含む67人が死亡し、およそ200人が病院で手当てを受けています。
このNGOはNHKの取材に対し、被害を受けた人々は瞳孔が収縮するなどの症状を見せており、猛毒のサリンなどの神経ガスが使われた可能性が高いという見方を示しました。
シリアではアサド政権が4年前に化学兵器の廃棄に応じたあとも、塩素ガスなどを使った攻撃を続けていると指摘されていて、今回も反政府勢力は政権側によるものだと非難していますが、政権側は国営通信を通じて、これを否定し、反政府勢力による自作自演だと反論しています。
国連人権理事会が設けたシリアの人道状況を調べている調査団は4日、声明を出し、「攻撃を実行した者を特定しなければならない」として、国連が主体となり、現地調査を行う必要性を強調しました。
国連安保理 緊急会合へ
ニューヨークの国連本部では4日、イギリスとフランスが安保理で緊急の会合を開くよう議長国のアメリカに要請しました。
これを受けて、アメリカのヘイリー国連大使は記者団に、「シリアで起きた化学兵器による攻撃は極めて深刻な事態だ」と述べ、5日午前10時(日本時間5日午後11時)に緊急の会合を開催することを明らかにしました。
また、国連のデュジャリック報道官は4日の定例の記者会見で、「化学兵器の使用は、いかなる場合も世界の平和と安全にとって、重大な脅威であり、国際法の深刻な違反だ」と述べ、厳しく非難しました。
米 攻撃を非難
シリア北西部での空爆で化学兵器が使用された可能性が出ていることについて、アメリカのトランプ大統領は4日、声明を出し、アサド政権による攻撃だとの見方を示したうえで、「女性や子どもを含む無実の市民に対する化学兵器を使った攻撃は無視できない。アメリカは同盟国とともにこの耐え難い行為を非難する」としています。
一方、ホワイトハウスのスパイサー報道官は、大統領が補佐官と対応を協議しているとしながらも、「これからどこに向かうのかに踏み込みたくない」と述べ、具体的な対応への言及は避けました。
アメリカのオバマ前政権は、アサド大統領の退陣を強く求めてきましたが、トランプ政権の高官は「シリアの人たちが自分で決めることだ」などと発言していて、アメリカが方針を転換する可能性があると受け止められています。
さらにスパイサー報道官は、2013年にもシリアで化学兵器が使用された際、オバマ前政権がシリアへの軍事行動の可能性を示唆しながら結局は見送ったことに触れ、「今回の攻撃もオバマ前政権の弱さと優柔不断さが招いた結果だ」と述べ、オバマ前政権に批判の矛先を向けました。
関連ニュース
シリア 化学兵器使用か 67人死亡 政権側は否定4月5日 5時28分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170405/k10010937371000.html
シリア 化学兵器使用か 67人死亡 政権側は否定
4月5日 5時28分
内戦が続くシリアで空爆が行われたあと、多くの市民が化学兵器の使用が疑われる症状を訴え、これまでに子どもを含む67人が死亡し、およそ200人が病院で手当てを受けています。反政府勢力はアサド政権側が化学兵器を使ったと非難していますが、政権側は、これを否定し、反政府勢力による自作自演だとしています。
シリア北西部イドリブ県の反政府勢力が支配する町で4日、激しい空爆があり、その後、付近にいた市民の多くが呼吸障害など化学兵器の使用が疑われる症状を訴えました。
シリア国内で医療機関を支援しているNGOによりますと、これまでに子どもを含む67人が死亡し、およそ200人が呼吸困難などを訴えて、病院で手当てを受けています。
シリアでは、アサド政権が4年前に化学兵器の廃棄に応じたあとも、塩素ガスなどを使った攻撃を続けていると指摘されていて、今回も、反政府勢力は政権側によるものだと非難していますが、政権側は国営通信を通じて、これを否定し、反政府勢力による自作自演だと反論しています。
シリアの内戦でアサド政権側が優勢となる中、イドリブ県は今も反政府勢力の数少ない拠点となっており、去年12月に政権側が北部のアレッポを制圧したあと、次の標的になることが懸念されていました。
国連人権理事会が設けたシリアの人道状況を調べている調査団は4日、声明を出し、「攻撃を実行した者を特定しなければならない」として、国連が主体となり現地調査を行う必要性を強調しました。
国連安保理 緊急会合開催へ
ニューヨークの国連本部では4日、イギリスとフランスが安保理で緊急の会合を開くよう議長国のアメリカに要請しました。
これを受けて、アメリカのヘイリー国連大使は記者団に、「シリアで起きた化学兵器による攻撃は極めて深刻な事態だ」と述べ、5日午前10時(日本時間5日午後11時)に緊急の会合を開催することを明らかにしました。
また、国連のデュジャリック報道官は4日の定例の記者会見で、「化学兵器の使用は、いかなる場合も世界の平和と安全にとって、重大な脅威であり、国際法の深刻な違反だ」と述べ、厳しく非難しました。
英外相「紛れもない戦争犯罪」
イギリスのジョンソン外相は4日、ロンドンで開かれた記者会見で、「この攻撃にアサド政権が関わっていたことが証明されれば、この政権が憎むべき存在だということが改めて、はっきりするだろう」と非難したうえで、「市民に対する攻撃に化学兵器を使用することは紛れもなく戦争犯罪に当たり、責任追及は免れない」と述べました。
仏大統領「アサド政権支持の国は重い責任」
フランスの大統領府は4日、オランド大統領の声明を発表し、「2013年の時のように、アサド大統領は国際社会で禁じられた手段で市民を攻撃した」として、4年前にシリアの首都ダマスカスの郊外で化学兵器が使われ多数の死傷者が出たことにも言及し、アサド政権を非難しました。
そして、「アサド政権は証拠を否定し、同盟国を頼りに罰を免れようとするだろうが、政権を支持する国は政治的にも人道的にも重い責任を負うことを改めて思い知るだろう」と述べ、アサド政権を擁護するロシアを暗に批判しました。
また、エロー外相も4日、声明を発表し、「国際社会が、この問題に注目し、責任を明確にして化学兵器の使用を根絶しなければならない」と述べ、国連の安全保障理事会でこの問題を協議するよう呼びかけました。
薗浦外務副大臣「英仏と連携」
薗浦外務副大臣は4日、滞在先のロンドンで記者団に対し、「イギリスやフランスなどと連携して、事実関係をまず確認したい」と述べ、国連の安全保障理事会の緊急会合の開催を求めたイギリスやフランスと連携して、対応していきたい考えを示しました。
そのうえで、こうした非人道的な状況が繰り返される事態を防ぎたいとして、シリアの化学兵器の廃棄をめぐる国際社会の取り組みに関与していく姿勢を示しました
ロシア国防省 関与を否定
シリア北西部での空爆に化学兵器が使われた可能性が出ていることについて、ロシア国防省は4日、「この地域で空爆は行っていない」として、ロシア軍の関与を否定しました。
ロシア軍は、シリアを拠点とする過激派組織IS=イスラミックステートをせん滅するとして、おととし9月からシリアでアサド政権の政府軍を支援して軍事作戦を続けています。
しかし、去年12月にアサド政権の政府軍とともに北部の要衝アレッポを制圧した際には、反政府勢力側の多くの市民が犠牲になったとして、欧米などから厳しい批判を受けています。
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化学兵器使用か シリア北西部 空爆で58人死亡4月4日 19時23分動画
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