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米中央軍司令官は下院軍事委員会でイエメンの戦況を懸念する発言をしたが、危機な状態はサウジ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201703300000/
2017.03.31 05:11:08 櫻井ジャーナル
ジョセフ・ボーテル米中央軍司令官は3月29日、下院軍事委員会でイエメンでアメリカの利権が危険な状態になっていると述べた。その原因はイランにあると主張したが、その根拠は示していない。そうした怪しげな主張に基づき、イランに対する軍事的な作戦を実行するべきだとも語っている。
イエメンの戦乱はサウジアラビアの軍事侵攻で深刻化した。アリ・アブドゥラ・サレーハ政権とフーシ派(アンサール・アラー)が軍事衝突したのは2004年。アメリカ軍がイギリス軍などを率いて2003年にイラクを先制攻撃したが、この侵略行為に抗議するため、フーシ派はモスクで反アメリカ、反イスラエルを唱和するようになった。そのフーシ派を政府は弾圧、首都のサヌアで800名程度が逮捕された。これが切っ掛けで戦闘が始まったのである。
サウジアラビアは2009年に空軍と特殊部隊を派遣するが、この年に「アラビア半島のアル・カイダ(AQAP)」が創設されている。アル・カイダ系武装集団を操っているのはアメリカ、サウジアラビア、イスラエルなどだ。戦況がAQAPにとって思わしくない展開になっていることからサウジアラビアはイエメンに対する本格的な軍事介入を開始、泥沼から抜けさせなくなっている。
ロシアを揺さぶるためにサウジアラビアとアメリカは原油価格を引き下げたと言われているが、そのロシアよりアメリカやサウジアラビアがダメージを受け、サウジアラビアの財政赤字は深刻化している。基軸通貨として扱われているドルを発行する特権で生きながらえているアメリカはドルを社会から回収することでインフレを防いでいる。そのひとつの仕組みが石油取引のドル決済、いわゆるペトロダラーだ。産油国がドルを集め、それをアメリカへ還流させている。金融取引の規制緩和で投機市場もドルを吸収してきた。
サウジアラビアは重要な産油国だというだけでなく、ドルを使ったアメリカのマルチ商法を維持する上でもなくてはならない存在。そのサウジアラビアが揺らぐとアメリカも揺らいでしまう。かつてドル離れを目論んだイラクやリビアは破壊されたが、現在、ロシアや中国もドル離れを進めている。
昨年12月、ボーテル司令官は大統領選で勝利したドナルド・トランプに対してシリアの反政府軍、つまりアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を支援し続けるように求めていた。マイケル・フリン前DIA局長やマーティン・デンプシー前統合参謀本部議長とは逆の考え方だ。シリアでもイエメンでもボーテルが参加している作戦は同じだと言えるだろう。
そうした人物がイランを攻撃したがるのは必然。2007年3月5日付けのニューヨーカー誌でシーモア・ハーシュはアメリカ政府がサウジアラビアと手を組み、イラン、イランを後ろ盾とするヒズボラ、そしてイランの同盟国であるシリアに対する秘密工作を始めたと書いている。この侵略勢力にボーテルも所属しているわけだ。
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