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コラム:トランプ大統領、北朝鮮に「禁断のカード」切るか
3月24日、ティラーソン米国務長官は今月、北朝鮮に対する「戦略的忍耐」はすでに終わり、同国の核開発の野望に歯止めをかけるために「あらゆる選択肢がテーブルの上にある」と警告した。写真はトランプ大統領。1月、ワシントンの米国防総省で撮影(2017年 ロイター/Carlos Barria)
Peter Apps
[24日 ロイター] - ティラーソン米国務長官は今月、北朝鮮に対する「戦略的忍耐」はすでに終わり、同国の核開発の野望に歯止めをかけるために「あらゆる選択肢がテーブルの上にある」と警告した。その言葉通り、米韓両軍の部隊は幅広い軍事シナリオに向けて準備を進めている。
4月末まで行われる米韓の合同軍事演習には、実に30万人が参加する。1953年に朝鮮戦争が停戦して以来、朝鮮半島ではこうした演習が日常的な光景となっている。近年では、その規模は拡大し、より現実的なものとなった。
少なくともビル・クリントン氏以降の歴代米大統領は皆、北朝鮮の核兵器開発問題に取り組み、その対応として想定される幅広い軍事行動についての提言を受けてきた。
これまでのところ、攻撃実行を決意した大統領は1人もいない。
これは主として、北朝鮮の報復によって朝鮮半島と、恐らくはさらに広い近隣地域を血の海に巻き込む可能性を考えれば、どの選択肢も好ましからぬものだったからだ。さらに悪いことに、かつての朝鮮戦争がそうであったように、半島における武力衝突によって米国が中国との戦争に引きずり込まれる可能性さえある。
だが、金正恩朝鮮労働党委員長が率いる北朝鮮が核弾頭やミサイル実験を進めるなかで、多くの専門家は、米国政府が最終的に軍事行動に踏み切る可能性は徐々に高まっていると考えている。
トランプ大統領は、北朝鮮政府が米国を核攻撃できる能力の開発を許さないと発言している。だが、仮にトランプ氏が北朝鮮の施設への限定的な攻撃を命じたとしても、同国の核開発プログラムは一時的に減速するだけだろう。そして、このような作戦は北朝鮮による残虐な報復を招く可能性がある。北朝鮮の体制打倒という、より大きな目標を定めるとすれば、多大な労力が必要となるだろう。
だとすれば、米国がこれまで、経済制裁やミサイル実験妨害のためのサイバー攻撃といった代替的手段の継続を選択してきたのも無理はない。最近になって地上配備型ミサイル迎撃システムである「高高度ミサイル防衛システム(THAAD)」を韓国と日本に配備したことは、ある程度の備えにはなるはずだが、北朝鮮のミサイルに対してどれだけ有効かは未知数だ。
米国政府がさらに強く出るとすれば、最も可能性が高い行動は、北朝鮮のミサイル・核兵器関連とみられる施設に対する、奇襲による空爆だろう。それも圧倒的な規模で行なわれることが望ましい。
こうした行動によって核開発プログラムを完全に破壊する可能性は小さいが、開発を遅らせることになる。うまく行けば、弾道ミサイルをディーゼル電気推進型の潜水艦に搭載するといった、北朝鮮政府のより野心的な兵器開発プログラムの一部が完了するのを防ぐことができる。
米空軍が保有するなかで最大と考えられている通常爆弾、3万ポンドの大型貫通爆弾「GBU−57」は、まさにこの種の標的を念頭に設計されたものだ。
当初はイランの核施設を破壊することを主目的としてジョージ・W・ブッシュ政権下で開発されたこの爆弾は、各地域の基地や米国本土から発進するB2ステルス爆撃機から投下することが可能だ。
通常のジェット爆撃機と違って、B2はほぼ探知されることなく北朝鮮の空域に侵入できるはずだ。恐らく、より現代的なF22戦闘機ラプター、あるいは、さらに新型で現在東アジア地域に配備されているF35統合打撃戦闘機が何機か帯同することになる。
では、なぜこのような攻撃がこれまで行なわれなかったのか。それは、イランの核施設に対する攻撃が行なわれなかったのと同じ理由だ。多くの専門家は、こうした攻撃によっても多くの施設が無傷で残ってしまい、想定される報復が悲惨な結果をもたらすと考えている。
イランに関して米国政府が懸念していたのは、イラン政府がペルシャ湾岸の石油・天然ガス関連施設や輸送路に報復を加え、ただでさえ不安定なグローバル経済に破滅的とも呼べる影響をもたらすことだった。北朝鮮に関しては、日本やグアムなどにある域内の米軍基地にミサイル攻撃を仕掛け、韓国に対して圧倒的な砲撃を浴びせる可能性を懸念している。
北朝鮮による砲撃の効果について、アナリストらの見解は分かれている。北朝鮮の砲兵部隊は最初の1時間で最大50万発の砲弾を韓国の首都ソウルに撃ち込めるとの声もあれば、より懐疑的な意見もある。
また、北朝鮮が自国のミサイルと弾頭が狙われていると考えた場合、先手を打って発射してくる恐れがある。標的として最も可能性が高いのは日本だろう。
いずれの行動も、米韓両政府による北朝鮮制圧に向け準備されたシナリオの発動を促し、恐らく北朝鮮の現体制は終焉を迎えることになるだろう。
ここ数年、米韓両国軍は、北朝鮮の攻撃を阻止するための演習から、非武装地帯(DMZ)を越える全面的な侵攻作戦の立案へと関心を移している。
これは本格的な作戦行動であり、近年の歴史において米国やそれ以外の国が戦ってきたどんな戦争よりも大規模なものになろう。攻撃部隊は山岳地帯、組織的な抵抗に加え、化学兵器や核兵器、放射線兵器といった潜在的な脅威に立ち向かわなければならない。
いくつかの兆候からすると、米国は単に北朝鮮体制上層部を抹殺することで、戦闘激化を防ごうとするかもしれない。
韓国の聯合ニュースによれば、今月の演習には米海軍特殊部隊シールズの「チーム6」も参加している。2011年にアルカイダの指導者だったオサマ・ビンラディン容疑者の暗殺を実行した部隊だ。引用された韓国軍幹部の発言によれば、チーム6は韓国側特殊部隊とともに、北朝鮮首脳陣に対する攻撃シミュレーションに取り組んでいるという。
こうした選択肢の実行は非常に難しいだろう。北朝鮮の防空網によりヘリで部隊を送り込むのは困難で、金正恩氏は厳重に警護されていると見られている。
今のところ正恩氏は、誰からも妨害されることなく核開発計画を強化していけると考えているようだ。だが米政府としても、それをただ指をくわえて見ているつもりはないかもしれない。
トランプ氏は米国の歴代大統領のなかでも最も予測困難な人物の1人だ。北朝鮮に対する軍事的選択肢を行使するというリスクを冒すような米国の指導者がいるとすれば、それがトランプ大統領だったとしても不思議はない。
厄介な選択だ。行動することが惨事の引き金になる可能性もある。だが、何もやらないままでは、さらに悲惨なものとなるかもしれない将来の紛争を招いたと、非難されることになるかもしれない。
*筆者はロイターのコラムニスト。元ロイターの防衛担当記者で、現在はシンクタンク「Project for Study of the 21st Century(PS21)」を立ち上げ、理事を務める。
*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)
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http://jp.reuters.com/article/apps-northkorea-idJPKBN17005W?sp=true
2017.3.29 10:10
【北朝鮮情報】北の核実験準備は「最終段階」 米研究機関が分析発表
北朝鮮・豊渓里にある核実験場の衛星写真=7日(デジタルグローブ/38ノース提供・ゲッティ=共同)
【ワシントン=加納宏幸】米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイト「38ノース」は28日、北朝鮮北東部、豊(プン)渓(ゲ)里(リ)の核実験場を今月25日に撮影した衛星写真から、6回目の核実験に向けた準備が「最終段階」にあるとする分析結果を発表した。
実験場の坑道入り口に3、4台の車両か運搬用トレーラーが確認された。坑道内から伸びた通信ケーブルが地上に敷設され、トレーラーにつながっている可能性があるという。ケーブルは核実験の開始やデータの収集に使われる。
坑道から水が排出されていることも確認された。坑道内にある実験の観測や通信に使われる機器の乾燥状態を保つためとみられる。
同サイトはこうした動きは「実験準備の進展を強く示唆している」と指摘。一方で、北朝鮮が衛星で監視されていることを前提に偽装することもあるため注意が必要としている。
http://www.sankei.com/world/news/170329/wor1703290025-n1.html
北朝鮮が核実験の準備進める 米研究グループが指摘
3月29日 7時51分
アメリカの研究グループは、北朝鮮の核実験場の最新の衛星写真の分析結果を発表し、実験データの収集などに使われると見られるケーブルのようなものが新たに敷かれていて、核実験の準備が進んでいることがうかがえると指摘しました。
アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の研究グループは28日、北朝鮮北東部のプンゲリ(豊渓里)にある核実験場を25日に撮影した衛星写真の分析結果を発表しました。
それによりますと、過去に核実験が行われた北側の坑道の入り口付近に、実験データの収集などに使われると見られるケーブルのようなものが新たに敷かれているのが確認できるということです。また、坑道から水を排出する作業が行われていて、実験用の通信機器の設置などのためだと見られるということです。
こうしたことから、研究グループは断定を避けながらも、核実験の準備が進んでいることがうかがえると指摘しました。その一方で、北朝鮮には偽装する能力もあり、実験が差し迫っているかについては慎重な見方が必要だともしています。
また、研究グループは、核兵器の原料となるプルトニウムの抽出につながる原子炉の稼働が再開した可能性が高いと指摘しているニョンビョン(寧辺)の核施設で、今月、放射性廃棄物などの運搬に使うと見られる貨車が確認され、活動が続いているとも指摘しました。
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NHKスペシャル スクープドキュメント 「北朝鮮“機密ファイル” 知られざる国家の内幕」NHKオンデマンド
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170329/k10010928771000.html
北朝鮮 6回目の核実験は多重核爆発方式か=専門家が分析
2017/03/29 15:18文字拡大 文字縮小 印刷 twitter facebook
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が6回目の核実験を準備している兆候が相次いで捉えられている中、実際に核実験を行う場合の爆発の威力や方式に関心が集まっている。
http://img.yonhapnews.co.kr/etc/inner/JP/2017/03/29/AJP20170329002100882_01_i.jpg
核起爆装置とみられる物体の前で指示を下す金委員長(資料写真)=(聯合ニュース)
韓米情報当局は、北朝鮮が北東部の咸鏡北道・豊渓里の核実験場で6回目の核実験の準備を進めてきたことを把握している。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の命令が下されれば数時間以内に核実験が可能だというのが当局の見解だ。
情報当局筋は29日、「現在、豊渓里の動向は北が過去に準備してきた核実験の最終段階のパターンと類似している」とし、「事実上全ての準備がほぼ終わったと評価できる」と述べた。ただ、北朝鮮は内外の環境を考慮した上で、結果を最大化できる時点を選んで核実験を行うとみられるという。
北朝鮮が過去5回の核実験を準備した際は、坑道の入り口に偽装幕を張り、核兵器を運搬して組み立てた後、放射能や人工地震波探知などの計測装置を設置し、坑道の中の計測装置と地上の統制所を結ぶ数百メートル〜数キロのケーブルを敷く手順で作業が行われた。
韓米情報当局は、現在豊渓里の核実験場ではここまでの作業が完了したと推定している。
最終的には計測装置と地上統制所の間のケーブルを連結し、土や小石、砂、石こう、コンクリートなどを利用して坑道の入り口を封鎖する。ここまでの作業はまだ行われていないとみられるが、このような最終作業はすぐに終えることができる。
専門家は、今回北朝鮮が核爆弾数発を同時に爆発させる多重核爆発、またはウランを利用して威力を増加させる増幅核分裂弾、プルトニウムとウランを混合した核爆弾の実験を行うと観測している。
このうち、核爆弾3〜5発を同時に爆発させる多重核爆発実験の可能性が高いとみられる。核爆弾1発を爆発させる実験では核兵器を最適化させる正確なデータを抽出するのが難しいため、ウランの比率や起爆装置を変えて複数発を爆発させることで実験の信頼性を確保するというものだ。
6回目の核実験の爆発の威力も注目される。
北朝鮮研究で知られる米ジョンズ・ホプキンズ大韓米研究所は11日、北朝鮮の坑道の掘削作業の規模からみて、核実験の威力は5回目の実験の10キロトン(1キロトン=TNT火薬1000トンの爆発力)の14倍に及ぶと推定した。
韓国科学技術政策研究院の李春根(イ・チュングン)研究委員も「北はすでに自ら核兵器の小型化を実現したと主張しているだけに、今回は威力増幅型核爆弾を実験する可能性がある」とし、「爆発威力は150から200キロトンの間になるとみている」と話した。
北朝鮮の核実験爆発威力は、1回目(プルトニウム)が1キロトン以下、2回目(プルトニウム)が3〜4キロトン、3回目(高濃縮ウランと推定)が6〜7キロトン、4回目(北朝鮮は水爆と発表、増幅核分裂弾)が6キロトン、5回目(増幅核分裂弾)が10キロトンだった。
ynhrm@yna.co.kr
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http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2017/03/29/0200000000AJP20170329002100882.HTML
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