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トランプが描く新たな米国、最高参謀が明らかに
大統領首席戦略官バノン氏がトランプイズムを説明
2017.3.1(水) 古森 義久
米メディアとトランプ氏「毎日が戦いになる」 バノン首席戦略官
米メリーランド州ナショナルハーバーで開催された保守政治活動会議(CPAC)で発言するスティーブ・バノン首席戦略官・上級顧問(2017年2月23日撮影)。(c)AFP/Mike Theiler〔AFPBB News〕
?トランプ政権の政治的理念、政策面の最高参謀とされるスティーブ・バノン大統領首席戦略官がついに公開の場に姿を表わし、トランプ大統領が推進する政治の特徴を雄弁に語った。
「トランプイズム」とも呼ばれるトランプ氏の政治的理念は、リベラル派が好む「大きな政府」の解体を目指し、アメリカ合衆国の国家主権や国民の利益を最重視することが特徴なのだという。
知る人ぞ知る政治活動家だったバノン氏
?2月23日、バノン氏は首都ワシントン近郊で開かれた保守系政治組織の「政治活動会議」の全米大会に登壇した。
?選挙戦中にトランプ陣営の選対本部長を務めたバノン氏は、ホワイトハウスで「首席戦略官」という従来の大統領府にはなかった地位に任じられた。常に大統領の傍につき、内政、外交の両面で助言を与え、国家安全保障会議の常任メンバーも兼務するポジションである。
?いま63歳のバノン氏は、保守的なオンラインニュースサイト「ブライトバート・ニュース・ネットワーク」(以下、ブライトバート)の会長や社長を長年務めた。「ブライトバート」は草の根の保守派に支持されるニュースや評論で知られ、全米で5000万近くの読者がいるという。
?キャリアの出発は海軍士官で、駆逐艦乗務や国防総省勤務を重ねたが、退役後はハーバード大学で経営学修士号を得て、ゴールドマンサックスにも務めた。ブライトバートの経営に成功しただけでなく、多岐なメディア事業への投資でも巨利を得てきた。
?バノン氏はこれまで一般の知名度こそ低かったが、政治の世界では知る人ぞ知る、有名な活動家だった。2016年8月よりトランプ陣営の選対本部長となり、トランプ氏を勝利に導いた。
「新たな国家的経済システムが必要」
?この日の政治活動会議で、バノン氏は進行役の質問に答える形で、就任から1カ月を迎えたトランプ大統領の理念や信念、施策などについて25分間ほど語った。
?バノン氏の発言の骨子は次の通りである。
「トランプ氏の長所は当初の方針を決して曲げないことだ。大統領に就任してから、多くの人たちが妥協するよう勧めたが、本人は『アメリカ国民に誓ったことは変えられない』と明言し、公約を必ず履行すると強調している」
「トランプ大統領の目標の1つは行政国家の解体だ。行政国家とは、税制、規制、貿易協定などのシステムが経済成長を阻み、アメリカ合衆国の主権を侵害するような官僚的な国家のことだ」
「第2次大戦後の政治と経済のコンセンサスは破綻している。一般の国民に、エリート層や国際機関よりも多くの権限を与えるシステムに移行しなければならない。新たな国家的経済システムが必要なのだ」
「私たちの国は、独自の文化と確固とした存在理由に基づく国家なのだ。その経済システムも、単にグローバルな市場の一部というのではなく、米国民にとって独特の意味を持つ市場経済なのだ」
「経済ナショナリズムこそが重要であり、TPP(環太平洋パートナーシップ)からの離脱はその表れだった。TPP離脱は、近代の米国史でも最も重要な瞬間を刻んだ」
「一部のメディアは経済ナショナリズムに激しく反対している。野党の言動とまったく同じだ。私たちは公約を実現するために、そうしたメディアと毎日、激しく戦っている」
?この日、バノン氏は大統領首席補佐官のラインス・プリーバス氏とともに会議場の壇上に上がっていた。バノン氏とプリーバス氏は「メディアは私たち2人が不仲だと報道しているが、事実ではない」と言って肩を抱き合ったりした。
?バノン氏の服装はネクタイなしのジャケット姿で、かつてはやしていたアゴひげは剃っていた。バノン氏はトランプ大統領よりもずっと明確に、そして豊かな表現力でトランプ氏の政治理念を説明した。バノン氏の説明によって、米国の経済利益を最優先し、国家主権を重視するトランプ政治のイデオロギーが改めて明確になった。
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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49304トランプ氏、NATOに防衛費「入ってきている」−実はまだわずか
Toluse Olorunnipa、Justin Sink
2017年3月2日 10:21 JST
•
• 大統領演説中のアドリブ、NATO加盟国の防衛予算増額の動き反映
• 「防衛支出に対する義務がさらに果たされると期待」−NSC報道官
トランプ米大統領は2月28日夜の議会演説で、北大西洋条約機構(NATO)加盟国から軍事同盟を支える「資金が入ってきている」と述べ、自らの国際的課題の重要な要素の一つで成功したと宣言したが、側近は内容の説明に追われている。
大統領は演説で、政権の「非常に力強く率直な議論」により、NATO加盟国に防衛支出を増加させることに成功していると述べた。そこは予定原稿から逸脱した数少ない部分で、大統領は「実は資金が入ってきている。素晴らしい」と付け加えていた。
だがそう述べるにはまだ早い。資金が入っているというのは、NATO加盟28カ国の厳しい防衛予算の現実とは食い違うようだ。トランプ大統領の複数側近は1日、大統領が述べたほど直ちにではないものの、事態は進展していると釈明した。
「(とりわけ)大統領や副大統領、国防長官が訴えてきたことに対する加盟国の反応は極めて前向きだ」と、国家安全保障会議(NSC)の報道官、マイケル・アントン氏は1日、電子メールに記した。「今後の各国の予算編成を通じて防衛支出に対する義務がさらに果たされると期待している」という。
応分支出をしている?
特に大統領が発言の際に念頭に置いていたのはラトビアとリトアニア、ルーマニアだと、ホワイトハウス高官は匿名で述べた。これら3カ国は国内総生産(GDP)の2%分の防衛費を支出するというNATOの目標に到達する計画を立てているという。
トランプ氏は選挙期間中にNATOについて繰り返し「時代遅れだ」と述べており、米国以外の加盟国が応分の防衛費を負担しない限り、加盟国が攻撃にあった際に米国が防衛義務を果たさない可能性があると警告していた。
NATO加盟国は2014年、GDPの2%に相当する防衛予算計上の目標を定めた。近年は防衛支出を拡大させている国も出ているが2%目標に到達している国は少なく、昨年は全加盟国中、米国、英国、エストニア、ポーランド、ギリシャのみだった。
原題:Trump Says Money ‘Pouring’ Into NATO But So Far Barely a Trickle(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-02/OM5QKO6K50XV01
トランプ氏、NATOに防衛費「入ってきている」−実はまだわずか
Toluse Olorunnipa、Justin Sink
2017年3月2日 10:21 JST
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• 大統領演説中のアドリブ、NATO加盟国の防衛予算増額の動き反映
• 「防衛支出に対する義務がさらに果たされると期待」−NSC報道官
トランプ米大統領は2月28日夜の議会演説で、北大西洋条約機構(NATO)加盟国から軍事同盟を支える「資金が入ってきている」と述べ、自らの国際的課題の重要な要素の一つで成功したと宣言したが、側近は内容の説明に追われている。
大統領は演説で、政権の「非常に力強く率直な議論」により、NATO加盟国に防衛支出を増加させることに成功していると述べた。そこは予定原稿から逸脱した数少ない部分で、大統領は「実は資金が入ってきている。素晴らしい」と付け加えていた。
だがそう述べるにはまだ早い。資金が入っているというのは、NATO加盟28カ国の厳しい防衛予算の現実とは食い違うようだ。トランプ大統領の複数側近は1日、大統領が述べたほど直ちにではないものの、事態は進展していると釈明した。
「(とりわけ)大統領や副大統領、国防長官が訴えてきたことに対する加盟国の反応は極めて前向きだ」と、国家安全保障会議(NSC)の報道官、マイケル・アントン氏は1日、電子メールに記した。「今後の各国の予算編成を通じて防衛支出に対する義務がさらに果たされると期待している」という。
応分支出をしている?
特に大統領が発言の際に念頭に置いていたのはラトビアとリトアニア、ルーマニアだと、ホワイトハウス高官は匿名で述べた。これら3カ国は国内総生産(GDP)の2%分の防衛費を支出するというNATOの目標に到達する計画を立てているという。
トランプ氏は選挙期間中にNATOについて繰り返し「時代遅れだ」と述べており、米国以外の加盟国が応分の防衛費を負担しない限り、加盟国が攻撃にあった際に米国が防衛義務を果たさない可能性があると警告していた。
NATO加盟国は2014年、GDPの2%に相当する防衛予算計上の目標を定めた。近年は防衛支出を拡大させている国も出ているが2%目標に到達している国は少なく、昨年は全加盟国中、米国、英国、エストニア、ポーランド、ギリシャのみだった。
原題:Trump Says Money ‘Pouring’ Into NATO But So Far Barely a Trickle(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-02/OM5QKO6K50XV01
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