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ネオコンがイランを殲滅すると主張していたのは1991年で、その計画は続いている(その1)
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201702070001/
2017.02.07 20:34:55 櫻井ジャーナル
イランの核問題に関してイランとP5+1(中国、フランス、ロシア、イギリス、アメリカの国連常任理事国とドイツ、EU)が合意、JCPOA(合同包括行動計画)に署名したのは2015年7月14日のことだった。
しかし、これでイランに平和が約束されたわけではない。アメリカのネオコンはイランの核兵器でなく、存在そのものを問題にしているからだ。この点、サウジアラビアもネオコンと同じである。
ネオコンのポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)は1991年の段階でイラク、シリアと同じようにイランを殲滅すると主張していた。イラクの「大量破壊兵器」にしろ、シリアの「人権弾圧」にしろ、イランの「核」にしろ、殲滅のための口実にすぎない。実際、「イランの核」が大きな問題として取り上げられたのは2002年、イラクを先制攻撃しようとジョージ・W・ブッシュ政権がしゃかりきになっていた頃のことだ。
ビル・クリントンが大統領だった2000年2月、CIAは買収済みのロシア人核科学者を介してイラン政府高官へ核兵器に関する欠陥設計図を渡したと言われている。「マーリン作戦」だ。イランを核兵器開発へ誘導して失敗させようとしたのか、核兵器開発を口実にして軍事侵略しようと目論んだと信じられている。(James Risen, “State of War : The Secret History of the CIA and the Bush Administration,” Free Press, 2006)
設計図がイラン側へ渡された2年後、イランの反体制派が核兵器疑惑を公にする。その反体制派とはムジャヒディン・ハルクの政治部門だという「イラン国民抵抗評議会」。イスラエルの情報機関から情報をえたという。それ以降、核を口実にしてイランへ軍事侵略しようとアメリカは目論んでいたが、その流れが2013年に大きく変わった。
変化の切っ掛けは国務長官の交代。2013年2月1日、国務長官がヒラリー・クリントンからジョン・ケリーに交代したのだ。長官に就任した翌月にケリーはウィリアム・バーンズ国務副長官やジェイク・サリバン国家安全保障担当副大統領補佐官を含むチームを軍用機でオマーンへ派遣、イラン側の代表と会談させ、ここからアメリカとイランの交渉は始まったと言われている。
ケリーの前任者であるヒラリーは巨大金融資本の影響下にあり、投機家ジョージ・ソロスの指示に従って動いてことを示す電子メールがあきらかにされているが、上院議員時代は巨大軍需企業ロッキード・マーチンの代理人と呼ばれていた。
彼女が国務長官を務めていた2011年春にアメリカはリビアやシリアに対する侵略を本格化、その年の10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制はNATO軍の空爆とアル・カイダ系武装集団LIFGを主力とする地上部隊の連係攻撃で倒され、その時にカダフィは惨殺された。それをCBSのインタビュー中に知らされたヒラリーは「来た、見た、死んだ」と口にし、喜んでいる。人が殺されたことを聞いてこれほど素直に喜ぶ人は多くないだろう。
彼女が親しくしているグループの中にはユーゴスラビアを先制攻撃して破壊したマデリーン・オルブライトやネオコンとしてウクライナの合法政権をネオ・ナチで倒したビクトリア・ヌランド、父親がサウジアラビアの要職についていたことがあり、母親がムスリム同胞団(注)の幹部だというフーマ・アベディンが含まれている。
アルブライトはズビグネフ・ブレジンスキーの弟子であると同時にスーザン・ライスの師でもある。ヌランドの結婚相手はネオコンの中枢グループにいるロバート・ケーガン。アベディンは一時期、ネオコンのアンソニー・ウェイナーと結婚していた。(その2へ続く)
(注)1929年にエジプトのハサン・アル・バンナーが創設したとされている。1954年にエジプトのガマール・アブデル・ナセルを暗殺しようとして失敗、非合法化されたが、このときに保護したのがサウジアラビア。その結果、ムスリム同胞団はサウジアラビアの国教であるワッハーブ派の影響を強く受けることになった。(Stephen Dorril, “MI6”, Fourth Estate, 2000)
ワッハーブ派はサラフ主義に基づく運動で、18世紀にサウジアラビアを支配しているイブン・サウード家と結びつくことで勢力を拡大した。イブン・サウード家は破壊、殺戮、略奪を正当化するのに都合が良い宗派だということで手を組んだようだ。このコンビに目をつけ、利用したのが「大英帝国」である。ムスリム同胞団もイギリスとの関係が指摘されている。
2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)が作成、バラク・オバマ政権へ提出された文書によると、反シリア政府軍の主力はサラフ主義者/ワッハーブ派、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQI。シリアのアル・ヌスラはAQIの別名だともしている。
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