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緊張状態が続く尖閣諸島。「周辺空域には偶発的な事故を防ぐため、敵の挑発にも冷静に対処できる、能力の高い自衛隊員が配備されている」(宇都さん) (c)朝日新聞社
米国抜きに語れない日本の防衛政策 脱米「自主防衛」の現実味はあるのか?〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161208-00000274-sasahi-soci
AERA 2016年12月12日号
中国、トランプ、北朝鮮、日本を取り巻く環境がきな臭くなっている。専守防衛に徹し、海外に展開できる装備は持たない自衛隊。安保法とトランプ大統領の誕生で、どう変わろうとしているのか。AERA 12月12日号では「自衛隊 コストと実力」を大特集。最新兵器から出世レース、ミリメシまでいまの自衛隊に密着している。
軍事力増強を進める中国、「在日米軍撤退」「日本核武装」発言のトランプ次期大統領。防衛省・自衛隊がピリピリしている理由(わけ)を追った。
* * *
「米国は世界の警察官であり続けることはできない」。こんなトランプ発言をとらえ、永田町では「自主防衛」が政治家の口をつく。そもそも自衛隊にどういう兵器があるのだろう。
憲法9条で戦力不保持を掲げる日本は「専守防衛」が基本。日本が攻められたら、自衛隊は侵略を跳ね返す「盾」で、敵国へ攻める「矛」は米軍の持つ攻撃型兵器という役割分担だ。
目立つのが警戒監視の充実ぶり。海上自衛隊は固定翼哨戒機P-3C(後継はP-1)で船や潜水艦を監視する。上空は航空自衛隊が早期警戒機E−2C(同E−2D)や早期警戒管制機E767で警戒。滞空型無人機グローバルホークも導入する。
領空侵犯の恐れのある航空機を見つければ、F-15が主力の空自戦闘機がスクランブル(緊急発進)。ステルス性が高くレーダーに探知されにくい最新鋭のF-35Aも配備予定だ。
装備には最新の情勢も反映する。中国の海洋進出をふまえ、海自は護衛艦や潜水艦、哨戒ヘリコプターを増やす。離島奪還に備え、上陸部隊を運ぶ輸送艦を改修。陸上自衛隊には上陸に使える輸送機オスプレイや水陸両用車AAV7が加わる。
●敵基地攻撃つのる誘惑
北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射を受け、弾道ミサイル防衛(BMD)システムは2007年から配備。撃ちもらしをなくそうと新システムも検討中だ。
一方、「専守防衛」なので持てないと政府が国会で説明してきた兵器もある。大陸間弾道ミサイル、長距離戦略爆撃機、攻撃型空母──。もし米軍に頼らず「自主防衛」を目指すなら、敵国を攻撃するこうした兵器も必要になるかもしれない。
だが、約5兆円の防衛費からの大幅増、憲法解釈変更へと踏み切れるのか。日米の分担も見直しになる。極東有事では米海軍第7艦隊のため、海自のP-3Cが敵潜水艦に対応するが、そうした協力を白紙にするのか。
防衛省幹部は「中国に独力で対抗するなら防衛費は今の3倍の15兆円。社会保障費がかさむ財政難ではありえない。日米協力も今さら切り分けられない」と語る。それでも省内には、北朝鮮の弾道ミサイル対応に限るとして、「敵基地攻撃」の兵器を持つべしとの主張がくすぶる。「判断は1秒を争うのに、遠く離れた米国と脅威認識を常に共有できるとは限らない」(別の幹部)とみるからだ。
敵基地攻撃の必要性は国会でも議論されてきた。「ミサイルを防ぐ手段が他にない場合に敵国の基地をたたくことは違憲ではないが、そのための兵器はいま自衛隊にない」というのが政府の見解。稲田朋美防衛相は9月、「さまざまな角度から慎重に検討したい」と答弁した。
元海将で、米国で01年の同時多発テロ時に防衛駐在官も務めた伊藤俊幸・金沢工業大学大学院教授は、こうクギを刺す。
「自主防衛の名の下に他国領土の攻撃に踏み込むなら、国民に相応の覚悟が求められる。中東で空爆を続ける欧米はテロで報復されても、世界平和を掲げて、攻撃をやめることはない」
(朝日新聞専門記者・外交安保担当/藤田直央)
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