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露軍がアル・カイダ系部隊などへの攻撃を再開、そうした集団を訓練する米特殊部隊員が殺された
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611170000/
2016.11.17 02:29:15 櫻井ジャーナル
ヨルダンにあるファイサル王子空軍基地の近くでアメリカの特殊部隊員3名がヨルダン兵に殺されたと報道されている。アメリカ兵は第5特殊部隊グループに所属、シリアで政府軍と戦う「穏健派」の戦闘員を訓練していたのだが、これはCIAの指揮下で行われていたという。
CIAと特殊部隊が共同で作戦を遂行することは珍しくない。例えば、1964年1月にスタートしたMACV-SOG(ベトナム軍事援助司令部・調査偵察グループ)。さまざまな秘密工作を実行するために編成され、メンバーは陸海空軍の特殊部隊やCIA、さらに海兵隊の偵察部隊も含まれていた。
MACVは1967年6月にICEXと名づけられた極秘プログラムをCIAと共同で開始、フェニックスと呼ばれるようになる。このプログラムを提案したのはNSC(国家安全保障会議)のロバート・コマーで、エバン・パーカーなる人物が指揮するようになる。このパーカーは第2次世界大戦ではOSSに所属、アメリカにおける破壊工作の源流とも言えるジェドバラのメンバーだった。このプログラムには暗殺を担当するチームも存在した。
CIAは実働部隊として、1967年7月にPRU(地域偵察部隊)という傭兵部隊を組織している。この部隊を構成していたのは殺人やレイプ、窃盗、暴行などで投獄されていた囚人たちが中心で、フェニックスは「ベトコンの村システムの基盤を崩壊させるため、注意深く計画されたプログラム」だ。
1968年3月にソンミ村のミ・ライ地区とミ・ケ地区で住民が虐殺される。これはフェニックス・プログラムの一環で、ウィリアム・カリー大尉の部隊が実行、犠牲者の数はアメリカ軍によるとミ・ライ地区だけで347人、ベトナム側の主張ではミ・ライ地区とミ・ケ地区を合わせて504人だという。
この虐殺は現場の上空にいたアメリカ軍にヘリコプターが下に降り、ヒュー・トンプソンという乗組員が農民を救出するまで続けられた。その際、トンプソンは同僚に対し、カリーの部隊が住民を傷つけるようなことがあったら、銃撃するように命令していたと言われている。(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012)
この事件が広く知られるようになったのは翌年。1969年11月にシーモア・ハーシュの記事をAPが流してからだ。その10日後、国防総省のウィリアム・ウエストモーランド陸軍参謀長は事件の調査をウィリアム・ピアーズ将軍に命令した。
ウエストモーランドは1968年3月までMACVの司令官で、ピアーズは情報機関と緊密な関係にあった。つまり、ピアーズは第2次世界大戦中、OSSに所属し、1950年代初頭にはCIAの台湾支局長を務めている。ウエストモーランドもピアーズも虐殺に深く関与しているわけで、適切な調査が行われるはずはなかった。
それでも報告書には事件の容疑者として30人の名前があがったが、実際に告発されたのは16人だけで、裁判を受けたのは4人。有罪判決を受けたのはカリー大尉だけだった。そのカリーもすぐに減刑されている。
また、MACV-SOGが逃亡兵を殺害するためにサリンを使用したとCNNは1998年6月に報道している。捕虜になり、北ベトナムに協力していたアメリカ兵を殺害することが目的だったという。
その作戦名はテイルウィンド(追い風)。最も重要な情報源は1970年7月から74年7月まで統合参謀本部議長を務めたトーマス・ムーラー提督で、作戦については部下からの報告で知っていたという。MACV-SOGの作戦は基本的にCIAのもので、正規軍のトップだったムーラーは関与していなかった。
この報道を「軍人組織」やライバルのメディアが激しく攻撃、CNN経営陣に依頼された弁護士は1カ月に満たない期間に報告書を作成、報道内容を否定してしまう。その中でムーラー提督を認知症の老人であるかのように表現しているが、ゴルフ場で普通にブレーし、別の事件で記者会見に登場するほどの健康体だった。番組を担当したプロデューサーのエイプリル・オリバーによると、放送では示されなかった重要な情報をCNNは隠しているという。(エイプリル・オリバーへの取材)つまり、報告書に説得力は全くない。
会社からの圧力に屈せず、報道を事実だ主張し続けた担当プロデューサーのジャック・スミスとエイプリル・オリバーは解雇されてしまう。その後、1999年にCNNはアメリカ陸軍の第4心理作戦群の隊員が2週間ほど本部で働かせ、アメリカがイラクを先制攻撃する際には政府の意向に沿った偽情報を発信しつづけた。今でも中東、北アフリカ、ウクライナ、東アジア、アフリカ、南アメリカなどへ破壊と殺戮を広げる手助けをしている。
MACV-SOGは1964年3月からダ・ナン沖のフェニックス島を拠点とし、北ベトナムに対する攻撃を始めた。同年7月に海軍特殊部隊のSEALに所属するふたりの隊員は20名の南ベトナム兵を率いてホン・メ島を襲撃、レーダー施設の破壊を試みている。
この作戦は失敗したのだが、北ベトナム軍は報復として8月2日に情報収集活動をしていた米海軍のマドックスを攻撃、アメリカ国内では米艦船に対して北ベトナムが先制攻撃したということにされ、好戦的な雰囲気を強めている。これがいわゆるトンキン湾事件だ。(Douglas Valentine, "The Phoenix Program," William Morrow, 1990)
ちなみに、オリバー・ノース中佐やリチャード・アーミテージなどイラン・コントラ事件に登場する人びとはフェニックス・プログラムに関係している。コリン・パウエル元国務長官も当時、ベトナムで活動していた。
本ブログでは何度も書いているが、CIAや特殊部隊が武器/兵器を与え、軍事訓練している「穏健派」はアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILなどとも表記)にほかならない。これは2012年8月にDIA(国防情報局)が作成、ホワイトハウスに提出された文書も指摘していた。
この報告によると、シリアにおける反乱の主力をサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてAQI(アル・カイダ系武装集団)だとし、西側、湾岸諸国、そしてトルコからの支援を受けている。
その報告書が作成された当時のDIA局長、マイケル・フリン中将はアル・ジャジーラの番組で、自分たちの任務は確度の高い情報を提出することにあり、その情報に基づいて政策を決定するのは大統領の仕事だとしている。つまり、バラク・オバマ政権の決定がダーイッシュの勢力を拡大させたというわけだ。
Head to Head - Who is to blame for the rise of ISIL?
オバマ大統領が育てた「テロリスト」を攻撃するためにロシア政府は重航空巡洋艦(空母)クズネツォフ提督を中心とする艦隊をシリア沖へ派遣したわけで、「テロリスト」が拠点にしてきたアレッポなどを攻撃するのは当然のこと。勿論、「トランプの反応を探っている」わけではない。
アメリカで大統領選挙が展開されていた時期、西側の有力メディアなどはロシア軍が学校や病院を攻撃して死傷者が出ていると宣伝していたが、その間、ロシア軍は攻撃を休んでいた。そのため、宣伝に迫力はなかった。これは「クリミアへのロシア軍侵攻」と似たバターン。「予定稿」に基づいて「報道」したが、ロシア軍が動かなかったということだろう。つまり、西側支配層の描くシナリオ通りに物事は進んでいない。
次期アメリカ大統領もこれまで主導権を握ってきた勢力の思惑とは違う人物になり、現在、閣僚人事などで政権乗っ取りを図っているようだ。フリン中将の動向に注目したい。
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