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米国の好戦派に同調して英仏政府がロシアとの戦争に向かって進み、露政府は自国民に帰国を勧告
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2016.10.18 12:52:56 櫻井ジャーナル
イギリスではロシア系の放送局RTの銀行口座が閉鎖される一方、内部告発支援グループのWikiLeaksの象徴になっているジュリアン・アッサンジがインターネットに接続できなくなっているという。民主主義の衣を脱ぎ捨て、情報統制を強化しているわけだが、それだけのことをしなければならない何かが迫っているのかもしれない。
また、フランスのフランソワ・オランド大統領はシリアに飛行禁止空域を設定するように、つまり西側に制空権を握らせるように要求、10月19日に予定されていたロシアのウラジミル・プーチン大統領との会談をキャンセルした。シリアにおける飛行禁止空域の設定はロシアやシリアとの戦争になると、好戦派のジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長でさえ言っていること。オランド大統領はフランス国民の意思には関係なく、ロシアとの関係断絶を狙っている。
アメリカ軍の中にもロシア軍との核戦争を望むかのような発言をする人物もいる。そのひとりがマーク・ミリー陸軍参謀総長で、ロシアに対し、かつて経験したことがないほど激しく叩きのめしてやると演説した。第2次世界大戦でドイツ軍に攻め込まれたソ連では2000万人以上の国民が死亡し、工業地帯の3分の2を含むソ連全土の3分の1が荒廃に帰している。それ以上の破壊が可能だとすれば、核戦争しかない。
それに対し、ロシア政府は外交官や社会的地位の高い人びとに対し、西側で生活している家族を帰国させるように呼びかけたと伝えられている。西側と中露との間で軍事的な緊張が高まっていることにともなうメッセージのようだ。
そのシリアでは昨年9月30日からシリア政府の要請を受けたロシア軍が空爆を開始、外国勢力に雇われた傭兵部隊、つまりアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュが劣勢になり、アメリカ政府の要請で攻撃の手を緩めたりしたが、それでもシリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すことは困難になっている。
シーモア・ハーシュがニューヨーカー誌の2007年3月5日号に掲載された記事で書いていたが、その当時にはアメリカがサウジアラビアやイスラエルと手を組み、サラフ主義者やムスリム同胞団を使って意に沿わぬ政権、つまりシリアやイランの現政権やヒズボラを倒そうとしていた。
この構想は、1991年にポール・ウォルフォウィッツが口にしたプランに合致する。元欧州連合軍最高司令官のウェズリー・クラークによると、彼はシリア、イラン、イラクを5年から10年で殲滅すると口にしていた。
その翌年の初めには国防総省のDPG草案という形で、アメリカの世界支配プランが作成されている。旧ソ連圏だけでなく、西ヨーロッパ、東アジアなどの潜在的なライバルを潰し、膨大な資源を抱える西南アジアを支配しようというものだ。
こうしたプランに拘束され、ネオコンは身動きがとれなくなっている。侵略軍が崩壊しつつあるシリアへのテコ入れとして、アメリカやサウジアラビアはイラクから9000名以上の戦闘員をシリアへ移動させることにし、「モスル奪還」を演出してバラク・オバマ政権の得点にしようと目論んでいるようだ。
その演出がヒラリー・クリントンへの支援になるとも考えているだろうが、それで彼らの妄想、世界制覇が現実になるとは思えない。この好戦派はイギリスやフランスの子分たちを従え、ロシアと核戦争する姿勢を見せているのだが、彼らが本気なのかどうかに関係なく、核戦争に突入する可能性はある。ブレーキが間に合うかどうか不明だが、この危機から脱するためには人びとが欧米信仰から目覚めねばならない。
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