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8月15日の追悼式に欠席したことを問われて立ち往生した稲田国防相は米国で中国との戦争を示唆
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201610020000/
2016.10.02 06:19:26 櫻井ジャーナル
9月30日に開かれた衆院予算委員会で稲田朋美防衛相は涙ぐみ、言葉を詰まらせたと報じられている。辻元清美議員から8月15日の全国戦没者追悼式に出席しなかったことなどを問われた結果だ。
稲田が欠席したのは8月13日から16日にかけてジブチを訪問したためだが、その訪問が必要だったのかどうかが疑問視されている。その時に置かれた立場で言動がくるくる変化するのは政治家にありがちなことだが、彼女も例外ではなかった。
稲田防衛相は9月17日から南スーダンを訪問することになっていたが、これは15日に防衛省が訪問の中止を発表している。稲田が抗マラリア薬服用の副作用によるアレルギー症状を発症したのが原因だという。
しかし、彼女は15日に羽田空港からアメリカへ向かい、その日にCSISで元気に講演している。このシンクタンクは1962年にジョージタウン大学の付属機関として設立されたが、CIAとの緊密な関係が知られるようになり、1987年に関係は解消されたことになっている。現在はネオコン系と見られている。
そのCSISで稲田は15日、元気に講演した。司会進行は日本でおなじみのマイケル・グリーン。その講演の中で彼女はアメリカ海軍が行っている「航行の自由作戦」への支持を表明、両国は共同で「巡航訓練」などを南シナ海で実行すると語っている。
「航行の自由作戦」に加わるように聞こえるが、そうなると日本と中国との関係は決定的に悪化する可能性がある。今年6月後半、中国の程永華駐日大使は南シナ海に関する要求で譲歩したり主権を放棄することは戦争が勃発する事態になってもありえないと日本側に警告したと言われ、稲田の発言は中国との戦争を厭わないという宣言と理解されても仕方がないからだ。中国と戦争を始めるということは、ロシアとも戦争を始めるということだ。
非常に挑発的な内容なのだが、演説の様子から判断すると、彼女は自分の発言を理解できていなかったようだ。「先生に与えられた課題をこなそうと一生懸命の生徒」にしか見えない。子どもの演説だ。そうした人物が予算委員会で立ち往生しても不思議ではない。
ところで、アメリカはジブチをアフリカ支配の拠点にしている。その国へアメリカはJCTF(統合連合機動部隊)約1800名を駐留させ、無人機(ドローン)の基地もあり、偵察だけでなく攻撃も実行されている。そこへ自衛隊も派遣されているわけだ。
南スーダンは2011年7月にスーダンから分離独立した国。1983年から2005年にかけての内戦を経てのことだ。
内戦が始まった大きな理由は油田の発見にある。アメリカの巨大石油会社シェブロンが1974年に現在のスーダンと南スーダンの国境周辺で油田を発見、南スーダンにあたる地域でSPLM(スーダン人民解放軍)が反政府活動を開始したのである。SPLMを率いていたジョン・ガラングはアメリカのジョージア州にある特殊部隊の本拠地、フォート・ベニングで訓練を受けた人物だ。
内戦の途中、1990年代の終盤にスーダンでは自国の石油企業が成長、アメリカの石油企業は利権を失っていき、中国やインドなど新たな国々が影響力を拡大し始めていく。言うまでもなく、アメリカの巨大資本にとっては好ましくない展開だ。
そうした状況の中、アメリカでは2001年1月にネオコン/シオニストに担がれたジョージ・W・ブッシュが大統領に就任した。この年の9月11日にニューヨークの世界貿易センター、バージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃され、国内ではファシズム化の推進、国外では侵略戦争を開始する。
攻撃から10日後、統合参謀本部を訪れたウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官はかつての同僚から、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺がイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランを攻撃する計画を立てていることを聞かされる。(証言はココやココ)
ジョージ・W・ブッシュ政権はイギリスやノルウェーと手を組み、スーダンの南部を拠点にしていたSPLMとスーダン政府を停戦させ、油田地帯は両者で分け合う形で南部は独立した。所期の目的、石油利権の獲得を一応、手にできる状況になったので、戦闘を止めたと言えるだろう。戦乱が続くかどうかは、欧米の巨大資本が自分たちの取り分に満足しているかどうかで大きく左右される。こうした展開を見れば、国境線に油田がある理由がわかる。(ウォルフォウィッツ・ドクトリンにあるように、ネオコンは最終的に世界の富全てを自分たちの取り分にしようとしている。)
ちなみに、スーダン西部にあるダルフールでも資源をめぐる戦闘が2003年から激しくなった。当初、欧米の国々は南スーダンの石油利権に集中、ダルフールの殺戮を無視していたが、アメリカのネオコン/シオニストはダルフールへ積極的に介入した。その資源に目をつけた隣国チャドの政府が反スーダン政府のJEM(正義と平等運動)へ武器を供給したことも戦闘を激化させる一因になった。チャドの背後にはイスラエルが存在していると生前、リビアのムアンマル・アル・カダフィは主張していた。
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