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北朝鮮・平壌の高麗ホテルから撮影した平壌の街並み(資料写真、2016年9月21日撮影)。(c)AFP/Ed JONES〔AFPBB News〕
北朝鮮崩壊の前に事前協議を、米国が中国に働きかけ 政権崩壊時に危惧される米中の軍事衝突
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47990
2016.9.28 古森 義久 JBpress
米国の超党派の大手外交政策研究機関が、北朝鮮の核武装などへの対応の報告書を発表した。報告書によると、北朝鮮の「金正恩政権の崩壊」に備えて、米国当局が中国に具体的な調整を働きかけているという。
オバマ政権の北朝鮮政策はこのところ行き詰まりの観があるが、実際には、極めて高い確率で起こり得る金政権の崩壊を待ち構えている様子が明らかになった。
■危惧される米中の軍事衝突
民主、共和両党の政治家や官僚、学者らから成る大手研究機関の「外交関係評議会」は9月中旬、「北朝鮮に対する先鋭的な選択=北東アジアの安定のための中国との関与」と題する報告書を発表した。
同報告書は、マイク・マレン元米統合参謀本部議長とサム・ナン元上院議員が議長を務め、17人で構成する専門委員会により作成された。内容は、北朝鮮の核兵器保有への動きを焦点に、現状の調査と政策の提案を主体としている。
同報告書はそのなかで「金正恩政権の崩壊は、数種類のシナリオの下で起こりうる。政権崩壊は北朝鮮の周辺諸国に予期せぬ重大な結果をもたらす」と強調していた。
そして、政権崩壊が引き起こす事態として、「北朝鮮からの困窮した難民の大量の脱出」「核、化学、生物各兵器と大量の通常兵器類の管理の混乱」「北朝鮮内部の反乱勢力への軍事的対応」を列記していた。
さらに注目されるのは、中国への働きかけである。同報告書によると、米国当局はこうした「政権崩壊後に起きうる非常事態」の危険性を中国当局に指摘して、米中協議を求めてきたものの、中国側はそれにほとんど応じていないという。
事前の米中協議がない状態で金正恩政権が崩壊した場合、米中両国の軍隊がともに北朝鮮領内に介入し至近距離で活動することになり、米中軍事衝突の危険が高くなる、と同報告書は警告していた。
■政権崩壊時の軍事作戦を事前に中国に通告
北朝鮮の政権崩壊に伴う米中衝突をどう回避すべきなのか。同報告書は主に米国政府への政策提案として、以下の諸点を指摘していた。
・米国とその同盟国である韓国や日本は、北朝鮮の金正恩政権崩壊後の朝鮮半島統一への動きが中国の利益に損害を与えないことを、中国当局に確約する。
・韓国政府は、中国のこれまでの北朝鮮での経済利益が守られることを確約する。中国の北朝鮮への投資は保護され、補償されることを中国当局に伝える。
・中国との軍事衝突を回避するため、北朝鮮崩壊時の国境管理、難民管理、港湾管理などに関する米韓側の方針を中国側に伝えておく。
・米韓合同軍司令部は、金政権崩壊の際の軍事作戦を、事前に中国人民解放軍側に通告しておく。
その上で同報告書は、朝鮮半島での米国の基本的な戦略目標は、あくまでも「韓国の安全、自由、繁栄を保証すること」であり、「中国を封じ込めることではない」と改めて強調していた。
■米国の軍事行動で金政権を崩壊させる可能性も
一方、同報告書は、北朝鮮の政権崩壊による南北統一などへの動きに対する中国の反応について、以下の諸点を指摘していた。
・中国当局は、北朝鮮の政権崩壊が米国の主導によって朝鮮半島統一へと結びつき、中国の隣に世界最強の米国の軍隊が迫り、事実上の封じ込めを強化されることを懸念している。
・しかし米軍は、現地の脅威のレベルに対応して朝鮮半島に駐在している。現在の北朝鮮政権は、米国の覇権との間の緩衝地帯というよりも、朝鮮半島の長期的な安定への障害となっていることを、中国側に認識させるべきである。
・これまで米国は、中国が朝鮮半島の安全保障に関して積極的な動きを示すことに反対してきた。だがその態度は改め、中国が北朝鮮の周辺諸国への脅威を抑えることをむしろ奨励するべきだ。
同報告書は、北朝鮮の金正恩政権がどのように崩壊するか、あるいは崩壊させるかについては触れていない。だが、北朝鮮による諸外国への攻撃が切迫したような場合は、米国が「北朝鮮の特定の軍事目標に対する空爆やミサイル攻撃を含む果敢な対応」を実行することを提案していた。米国の軍事行動で金正恩政権を崩壊させる可能性も示唆した提案と言ってよい。
また同報告書は、北朝鮮の軍事脅威に対して米国、韓国、日本は一体だとして、特に日本にとって北朝鮮の危険な行動は脅威であると強調していた。
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