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米上院委員会で国防長官とJCS議長はシリア政府軍への攻撃に沈黙、国連車両空爆の証拠は示せず
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201609230000/
2016.09.23 21:42:21 櫻井ジャーナル
アメリカ上院の軍事委員会にアシュトン・カーター国防長官とジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長が9月22日に登場、19日に国連の車列がアレッポで攻撃されて12名が死亡した攻撃について証言した。
ホワイトハウスの公式見解と同じように、ふたりはロシアかシリアの仕業だと主張したが、議員から質問を受けるとダンフォードは証拠を持っていないと答え、カーターは実行者かどうかには関係なくロシアに責任があると語っている。リビアと同じように飛行禁止空域を設けるべきだとする意見に対してダンフォードは、ロシアやシリアと戦争になるとしたが、これは正しい。
アレッポで車列が攻撃される2日前、シリア北東部の都市デリゾールではダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)に対する大規模な攻勢を準備していたシリア政府軍をアメリカが主導する連合軍のF-16戦闘機2機とA-10対地攻撃機2機が空爆、60名とも80名ともそれ以上とも言われるシリア軍兵士が殺された。しかも空爆から7分後にはダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の部隊が地上でシリア政府軍に対する攻撃を開始、空と陸で連携していた可能性が高いことが明らかになっている。現在の戦闘システムや現地の状況から考えても「ミス」だった可能性はほとんどない。この出来事についてカーターとダンフォードは語っていない。
アレッポの出来事に絡み、ロシア国防省は車列の横を迫撃砲を引いた車両が走っている映像を発表、アレッポで空爆があった頃、トルコのインシルリク空軍基地を飛び立った攻撃用ドローンがその上空を飛行していたことを示す証拠を持っていると発表している。
この現場には「偶然」、「白ヘル」が現れた。人道的援助を行っているとグループだとされているが、アル・ヌスラによるシリア政府軍兵士の処刑に立ち会うなど、胡散臭い存在で、アメリカやイギリスのエージェントだとも言われている。CIAからカネが流れていることは確かなようだ。
国連の車列をロシア軍かシリア軍が攻撃したと言い始めたのはSOHR(シリア人権監視所)。この「団体」は2006年に創設された当時からひとりで運営され、その背後にはイギリスのMI5、アメリカのCIA、アメリカの情報機関と緊密な関係があり、エドワード・スノーデンが所属していたブーズ・アレン・ハミルトン、またプロパガンダ機関として有名なラジオ・リバティが存在していると指摘されている。
アル・カイダ系武装集団LIFGとNATOが連携して2011年10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制を倒し、その後に侵略戦争の中心舞台はシリアへ移動した。その際、リビア軍の倉庫から武器/兵器が持ち出されてトルコへ運ばれている。
調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュによると、輸送の拠点になったのはベンガジにあるCIAの施設。運び出された武器/兵器の中に化学兵器も含まれ、これをシリアで使い、政府軍に責任をなすりつけてNATO軍が直接、介入する口実にしようとしたと言われている。輸送にはマークを消したNATOの輸送機が使われたとも伝えられていたという。そうした事実をアメリカ国務省は黙認していた。
この武器輸送にリビア駐在アメリカ大使だったクリストファー・スティーブンスも関与していたとハーシュは指摘している。スティーブンスは2012年9月11日、ベンガジのアメリカ領事館が襲撃された時に殺されたが、その前日に彼は武器輸送の責任者だったCIAの人間と会談、襲撃当日には武器を輸送する海運会社の人間と会っている。
襲撃当時、スティーブンスの上司にあたる国務長官はヒラリー・クリントンであり、こうした秘密工作を彼女も知っていた可能性は高い。何しろ彼女は好戦的な性格で、リビアのカダフィが殺されたとCBSのインタビュー中に知らされると、「来た、見た、死んだ」と口にして喜んでいる。
スティーブンス大使が殺された2カ月後にCIA長官を辞めたデイビッド・ペトレイアスはヒラリーと緊密な関係にあることで知られ、このルートからも秘密工作を知らされていたはずだ。
その後、西側の政府やメディアはシリアのバシャール・アル・アサド政権の残虐さを宣伝するが、その主な情報源はSOHRやダニー・デイエムなる人物。SOHRと西側情報機関との関係はすでに指摘した通り。
また、デイエムはシリア系イギリス人で、シリア政府による「流血の弾圧」を主張し、外国勢力の介入を求めていた。ところが2012年3月に「シリア軍の攻撃」を演出する様子を移した部分を含む映像がインターネット上へ流出してしまい、デイエムの正体が露見してしまった。その後も西側メディアは謝罪や訂正をせず、似たようなプロパガンダを続けている。
2012年5月にはホムスで住民が虐殺され、西側の政府やメディアはシリア政府軍が実行したと宣伝しはじめる。この出来事を利用してバシャール・アル・アサド体制を倒そうとしたわけだが、事実との間に矛盾点が多く、すぐに嘘だとばれてしまう。
例えば、現地を調査した東方カトリックの修道院長は反政府軍のサラフィー主義者や外国人傭兵が実行したと報告、その内容はローマ教皇庁の通信社が伝えた。ドイツのフランクフルター・アルゲマイネ紙もキリスト教徒やスンニ派の国会議員の家族が犠牲になっていると伝えている。
その修道院長は、「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」と語っている。西側のメディアが破壊と殺戮を広めるため、偽情報を流しているというわけだ。現地で宗教活動を続けてきたキリスト教の聖職者、マザー・アグネス・マリアムも外国からの干渉が事態を悪化させていると批判している。
日米欧の有力メディアはアメリカ支配層のシナリオに沿った話を拡散し、それを信じている、あるいは信じた振りをしている人も少なくない。ここにきて支配層の嘘に気づいた人は増えているようだが、西側世界の流れは嘘に基づいている。
日本が降服して間もなく、映画監督の伊丹万作はこんなことを書いている。
戦争が本格化すると「日本人全体が夢中になって互に騙したり騙されたりしていた」。
「『騙されていた』と言う一語の持つ便利な効果に搦れて、一切の責任から解放された気でいる多くの人々の安易きわまる態度を見る時、私は日本国民の将来に対して暗澹たる不安を感ぜざるを得ない。」
「『騙されていた』と言って平気でいられる国民なら、恐らく今後も何度でも騙されるだろう。いや、現在でも既に別の嘘によって騙され始めているに違いないのである。」(伊丹万作『戦争責任者の問題』映画春秋、1946年8月)
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