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好戦派の意向を受けてダーイッシュなどを育成、支援しているCIAに対し、特殊部隊からも反発の声
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201609210000/
2016.09.21 10:25:54 櫻井ジャーナル
アメリカの特殊部隊もアメリカ政府のシリア戦略に対する不満を高めているようだ。アメリカの秘密プログラムで訓練されているシリアの戦闘員が「聖戦主義者」だということを皆知っているとグリーン・ベレー(米陸軍の特殊部隊)の隊員は語っているという。
こうしたアメリカの特殊部隊員によると、一般に「テロリスト」と呼ばれている勢力を支援しているのはジョン・ブレナンCIA長官をはじめとするCIAの勢力で、アサド体制を打倒するために「聖戦主義者」を使っている。この「聖戦主義者」の大半はイスラムに関して無知だと言われている。つまり、単なる傭兵だ。歴史的にCIAと特殊部隊は関係が深いのだが、CIAやその黒幕たちは特殊部隊にも愛想を尽かされ始めたのだろう。軍隊内で好戦派に同調しているのは戦争ビジネスと結びついている、あるいは結びつきたいと考えている人びとのようだ。
シリアの要衝、アレッポにあるアル-ライからアメリカの特殊部隊の隊員が「自由シリア軍(FSA)」という衣装をまとったアル・カイダ系武装集団に追い出される場面とされる映像がインターネット上にアップロードされている(例えばココやココ)が、その背景にも特殊部隊のオバマ政権の政策に対する不満が反映されていそうだ。
本ブログでは繰り返し書いていることだが、バラク・オバマ政権はイスラエル政府やサウジアラビアなどと同様、最優先事項をバシャール・アル・アサド政権の打倒におき、その目的を達成するための手先としてサラフ主義者/ワッハーブ派やムスリム同胞団を中心とする武装勢力を育成、支援してきた。
リビアのムアンマル・アル・カダフィ体制がNATOとアル・カイダ系武装集団の連携作戦で倒された後、リビア軍の倉庫から武器/兵器が持ち出されてトルコへ運ばれているのだが、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュによると、輸送の拠点になったのはベンガジにあるCIAの施設。つまり武器の輸送はCIAが黒幕だった。運び出された武器/兵器の中に化学兵器も含まれ、これをシリアで使い、政府軍に責任をなすりつけてNATO軍が直接、介入する口実にしようとしたと言われているが、そうした事実をアメリカ国務省は黙認していた。輸送にはマークを消したNATOの輸送機が使われたとも伝えられている。
そして2012年9月11日、ベンガジのアメリカ領事館が襲撃されてクリストファー・スティーブンス大使も殺された。領事館が襲撃される前日、大使は武器輸送の責任者だったCIAの人間と会談、襲撃当日には武器を輸送する海運会社の人間と会っている。
西側の政府やメディアはシリアでの戦闘を独裁政権と民主化を求める人民の戦いだと宣伝、「内乱」と表現していたが、それが間違いだということは2011年3月にシリアで戦闘が始まって間もない段階で指摘されていた。
そうした情報を発信したひとりが東方カトリックの修道院長。2012年5月にホムズで住民が虐殺された直後に現地を調査、住民を殺したのは反シリア政府軍のサラフ主義者や外国人傭兵だとローマ教皇庁系の通信社経由で報告した。
その修道院長によると、「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」また、現地で宗教活動を続けてきたキリスト教の聖職者、マザー・アグネス・マリアムも外国からの干渉が事態を悪化させていると批判していた。
2012年8月にDIA(国防情報局)の作成した文書がシリアにおける反乱の主力をサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてAQI(アル・カイダ系武装集団)だとし、西側、湾岸諸国、そしてトルコからの支援を受けていると報告していることも本ブログで何度も書いてきた。当然、この報告書はオバマ政権に提出され、そうした事実を知った上で反シリア政府軍への支援を続けてきたのである。
その報告書では、アメリカ政府が方針を変えなければ、シリア東部にサラフ主義の支配地が作られるとDIAは予測していたが、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になった。
アメリカ、あるいはその同盟国とダーイッシュとの関係はアメリカの副大統領が軍の元幹部も指摘している。例えば2014年9月、空軍のトーマス・マッキナニー中将はアメリカがダーイッシュを作る手助けしたとテレビで発言、マーティン・デンプシー統合参謀本部議長(当時)はアラブの主要同盟国がダーイッシュに資金を提供していると議会で発言、同年10月にはジョー・バイデン米副大統領がハーバード大学で中東におけるアメリカの主要な同盟国がダーイッシュの背後にいると語り、2015年にはウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官もアメリカの友好国と同盟国がダーイッシュを作り上げたと述べている。
そして2015年8月、マイケル・フリン元DIA局長はアル・ジャジーラの番組へ出演した際、自分たちの任務は提出される情報の正確さをできるだけ高めることにあり、情報に基づく政策の決定はバラク・オバマ大統領が行うと指摘している。つまり、オバマ政権の決定がダーイッシュの勢力を拡大させたというわけだ。
9月17日にアメリカ軍が主導する連合軍のF-16戦闘機2機とA-10対地攻撃機2機はシリア北東部の都市デリゾールで、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を攻撃していた政府軍の部隊を空爆、当初の発表では62名が殺された。その後でシリア政府軍は死者の数を80名以上としている。アメリカ軍の攻撃はGPSを使っているので、誤爆はありえないとされている。つまり、意図的にシリア政府軍を攻撃したのだ。
しかも、空爆から7分後にダーイッシュの部隊が地上でシリア政府軍に対する攻撃を開始、空と陸で連携していた可能性が高いことが明らかになり、ロシア政府の広報担当官、マリア・ザハロワは「どのように考えても、私たちは恐ろしい結論に到達してしまう。つまり、ホワイトハウスはダーイッシュを守っているのだ。疑いようがない。」と語っている。こうしたことは遥か前から明らかだったが、核戦争の勃発を避けようとしてきたロシア政府もそうしたことを口にする事態になったということだろう。アメリカとの協調を図ってきたウラジミル・プーチン大統領に対する信頼を失わせ、ロシアを不安定化させることが攻撃の目的だと推測する人もいる。
世界を核戦争へ近づける攻撃をアメリカが仕掛けたその日、ニューヨークでは爆破事件が引き起こされて29名以上が負傷する。そしてシリアのアレッポでは19日に国連の車列が攻撃され12名が殺されたと伝えられた。
3年前、シリア政府軍が化学兵器を使ったという偽情報(この件に介しては過去に何度か触れているので、今回は割愛する)を流し、アメリカ主導の軍隊によるシリア攻撃を正当化する宣伝を展開した「人権擁護団体」は今回も登場、ロシア軍とシリア軍が空爆したとする話を流しているのだが、現場の状況は武器を使った攻撃ではなく、放火の可能性が高いことを示しているようだ。
この現場には「偶然」、「白ヘル」が現れた。人道的援助を行っているとグループだとされているが、アル・ヌスラによるシリア政府軍兵士の処刑に立ち会うなど、胡散臭い存在で、アメリカやイギリスのエージェントだとも言われている。(現在、アメリカ政府はアル・ヌスラ/アル・カイダ系武装集団を仲間として扱っている。)
CIAが資金を供給するために利用しているUSAIDを通じ、アメリカの国務省は「白ヘル」に2300万ドル(総額か年額か不明)提供していることを認めている。しかも、シリアで活動している「白ヘル」の責任者ラエド・サレーはアメリカへの入国を拒否されている人物。FBIは彼を「テロリスト」だと認識しているようだ。その「白ヘル」を創設したジェームズ・ル・メジャーには出身国のイギリスだけでなく、日本、デンマーク、オランダの政府が資金を出しているようだ。
有力メディアを支配しているアメリカの好戦派は人びとを騙しきれると考えているかもしれないが、メディアの信頼度が大きく低下、彼らの幻術にはほころびが見える。騙された振りをしていた方が目先の個人的な利益になると考える人も、アメリカが崩壊を始めれば、「自分は騙されていただけだ」と叫び始めるのだろう。
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