http://www.asyura2.com/16/warb18/msg/303.html
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ライス米大統領補佐官が来週訪中、南シナ海問題で自制求める方針
[ワシントン 22日 ロイター] - 米国のライス大統領補佐官(国家安全保障担当)はロイターのインタビューに応じ、来週に訪中するとした上で、南シナ海問題で事態を深刻化させないよう中国政府に求める方針を明らかにした。
オランダ・ハーグの仲裁裁判所が今月12日、中国が南シナ海で主権を主張している独自の境界線「九段線」に法的根拠はないと認定して以降では、最も高位の米国要人による訪中となる。
ライス氏は、米国政府としては事態の抑制を目指しているものの、米軍は引き続き南シナ海で「航行し、飛行し、作戦を展開する」だろうと述べた。中国側はこうしたパトロールが「悲惨な結果」をもたらしかねないと警告している。
訪中の期間は24─27日で、緊張が高まるなか、両国の全般的な関係の維持を目指す。22日に正式発表となる運びだ。
ライス氏は「この2週間、中国側とはコミュニケーションを維持しており、われわれはお互いの認識を明確に理解している」と説明。「われわれは全ての当事国に自制を求める」と述べた。
同氏は訪中の期間中、習近平国家主席と会談する予定。また、中国側とは北朝鮮問題や経済問題、人権問題も話し合う見通し。米当局者によると、9月に中国で開かれる20カ国・地域(G20)サミットの場における米中首脳会談に向けた地ならしも図る。
http://jp.reuters.com/article/southchinasea-usa-idJPKCN1021AZ
ARF声明案 南シナ海言及へ 国際法に基づく問題解決の重要性強調
07/22 06:34
ラオスで、来週開かれるARF、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域フォーラムの議長声明の草案に、中国の海洋進出を念頭に、国際法に基づく問題解決の重要性を強調する文言が盛り込まれていることがわかった。
ARFで議長を務めるラオスが作成した草案では、南シナ海などにおける「航行と飛行の自由」の重要性を指摘したうえで、「国連海洋法条約など、国際法を通して、争いを平和的に解決することが重要だ」と強調している。
一方、南シナ海における岩礁の埋め立てなどについては、「複数の参加国から懸念が表明されたことを留意する」との表現にとどめて、名指しを避け、中国に一定の配慮を示している。
ARFには、ASEAN諸国に加え、日本の岸田外相らが出席する予定。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00331149.html
南シナ「九段線」主張の根拠崩壊 中国の海洋大国化はどうなる
2016.07.20 17:45
南シナ海での中国の海洋進出をめぐり、オランダのハーグにある国際仲裁裁判所が出した判決が波紋を広げています。この裁判の結果を、中国はどのように受け止めたか、今後の中国の南シナ海、東シナ海での活動や日米への影響について、元外交官の美根慶樹氏に寄稿してもらいました。
【図解】ニュースでよく見る「領海」や「接続水域」何が違うの?
1990年代からフィリピン・中国間で対立
[写真]1997年5月、フィリピン人議員がスカボロー礁に上陸した。スカボロー礁。中国ではこれを含む島や岩礁を「中沙諸島」としている(ロイター/アフロ)
7月12日、国際仲裁裁判所は、フィリピンが申し立てていたスカボロー礁(中国名「黄岩島」)やスプラトリー諸島(南沙諸島)などにおける中国との紛争について裁判結果を公表しました。スカボロー礁では1990年代の終わりころから両国間で紛争があり、2012年には双方が艦船を派遣してにらみ合う状況に陥り、後にフィリピン側は引き上げましたが、中国船は居残ったままの状態になっています。
また、スプラトリー諸島では、やはり1990年代から紛争があり、2015年に入ると中国は埋め立てや建設工事を急ピッチで進めました。中国は1990年代から海洋大国になることを国家目標とし、領海法の制定、巨額の予算措置など積極的に手を打ってきました。その中には台湾の中国への統合を実現することも含まれます。
しかし、こうした中国の行動は現状を一方的に変更するものであり、周辺の各国は危機意識を高めました。米国は艦艇をその付近の海域に航行させ、自由航行の重要性をアピールしました。
フィリピンは中国との話し合いで紛争を解決しようと試みましたが、結果が得られなかったので2013年、国際仲裁裁判所に提訴しました。中国はこれも拒否したので海洋法条約の規定に従って強制裁判の手続きを進め、2015年末から実質的審議が行われてきました。
ほぼ全面的に退けられた主張、中国に衝撃
[地図]中国が主張する南シナ海の「九段線」
今回下された判決は、ほぼ全面的に中国の主張を退けました。
中国の主張の中で根幹となっているのは、「九段線」で囲まれた海域(これは南シナ海のほぼ全域です)について中国は歴史的権利があるということです。「管轄権」を持つという場合もあります。
この主張について裁判所は「国際法上根拠がない」と断定しました。この判断によれば、「九段線」の主張は成り立たなくなり、また、この海域での行動の多くは国際法上違法になる可能性があります。そうなると海洋大国化計画を見直さなければならなくなるでしょう。
さらに判決は、スカボロー礁やスプラトリー諸島について次の趣旨の判断を下しました。
▽これらの岩礁はいずれも海洋法上の「低潮高地(注:低潮時にだけ海面に姿を現す岩礁)」や「岩」である。
▽これらの岩礁を基点として排他的経済水域(EEZ)や大陸棚の主張はできない。
▽一部の岩礁はフィリピンのEEZの範囲内にある。
▽中国による人工島の建設は、軍事活動ではないが違法である。
▽中国がフィリピンの漁船などの活動を妨害したのも違法である。
▽スカボロー礁で、中国の艦船は違法な行動によりフィリピンの艦船を危険にさらした。
中国はこの判決に対し12日、あらためて「仲裁裁判の結果は無効で拘束力はなく、受け入れず認めない」との声明を出しました。これは従来からの姿勢を繰り返したものですが、実際には強い衝撃を受けたと思われます。
習政権は行き過ぎた軍の行動抑えたいが……
南シナ海、東シナ海さらには台湾に対して最も強い態度を取っているのは中国の軍でしょう。習近平政権としては、中国を世界の大国にまで押し上げ、米国との関係強化も必要なので、軍の積極過ぎる行動は抑えたいはずですが、軍は中国国内の安定を維持するための要であり、抑制するのは極めて困難です。
裁判結果は、この困難な状況にさらに強烈なくさびを打ち込んだと思います。もちろん、中国が国際化し、合理的な対応をできるように変化する契機にするならば、このくさびは建設的な刺激となるでしょうが、早速19日から南シナ海で軍事演習を行うことを発表するなど、 果たしてそうなれるか、疑問をぬぐえません。
今回は南シナ海に関するものですが、中国は東シナ海、さらに台湾に対しても大した根拠を示さないまま歴史的権利を主張しています。かりにこれらについても裁判が行われれば、今回の裁判結果に見習って、中国の主張はやはり根拠がないと判断される可能性が出てきたと思います。実際にそうなると中国の行動は制約され、従来のようにふるまうことは困難になるでしょう。
日本や米国の主張の正当性を強化する判決
一方、今回の判決はフィリピンのこれらの岩礁に対する領有権を認めたのではありませんが、フィリピンの排他的経済水域を認めつつ、中国の主張と行動が海洋法条約など国際法に違反していると判断したのです。
これらの岩礁の法的地位は複雑です。日本が先の大戦で敗れた結果、スプラトリー諸島に対する権利を放棄したことも絡んでおり、南シナ海のかなりの部分の法的地位は確定していません。
中国とフィリピンは判決で終わりにするのでなく、今後話し合いを続ける意向を示しています。どういう形式で、どの範囲の国を含めるかなどについては問題が残っていますが、基本的に話し合いは歓迎すべきでしょう。
今回の判決は、南シナ海の現状を一方的に変えるべきでない、国際法に従って行動すべきだという米国や日本の主張が正当であったことを確認し、さらにその理由を具体的に示すもので、我々の立場が一段と強化されたのは間違いありません。中国は裁判結果を認めないとの一点張りですが、裁判結果を建設的に受け止め、話し合いによる解決の糸口にする余地が残されています。中国政府の賢明な対応を期待したいと思います。
■美根慶樹(みね・よしき) 平和外交研究所代表。1968年外務省入省。中国関係、北朝鮮関係、国連、軍縮などの分野が多く、在ユーゴスラビア連邦大使、地球環境問題担当大使、アフガニスン支援担当大使、軍縮代表部大使、日朝国交正常化交渉日本政府代表などを務めた。2009年退官。2014年までキヤノングローバル戦略研究所研究主幹
https://thepage.jp/detail/20160720-00000006-wordleaf?
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