http://www.asyura2.com/16/warb18/msg/299.html
Tweet |
トランプ氏、NATO共同防衛体制の見直し提言
[クリーブランド 21日 ロイター] - 米共和党の大統領候補ドナルド・トランプ氏は20日付の米ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで、北大西洋条約機構(NATO)の共同防衛に条件を付けるべきだとの考えを示した。
トランプ氏は、NATO加盟国であるバルト3国にロシアが侵攻したら防衛するかとの質問に対して、米国は、加盟国が義務を果たしている場合のみ防衛する、と答えた。
北大西洋条約第5条は、加盟国への攻撃は全加盟国への攻撃とみなすと明記しており、加盟国は集団的自衛権を行使して共同防衛する。
安全保障当局者や一部の共和党員からは、NATOの共同防衛体制を否定することは、過去66年間の米外交政策を放棄し、NATOの基本理念を脅かすことになるとの批判があがっている。
トランプ氏はこれまでにも、同盟国に対して防衛費の負担拡大を求める考えを示している。
http://jp.reuters.com/article/usa-election-nato-idJPKCN1020A8
トランプ氏が指名受諾演説 クリントン氏に敵意むき出し
クリーブランド=佐藤武嗣2016年7月22日12時50分
21日、米オハイオ州クリーブランドの共和党全国大会で、大統領候補の指名受諾を表明し、演説する実業家ドナルド・トランプ氏=AFP時事
写真・図版
米共和党の大統領候補に指名されたトランプ氏(70)は21日夜(日本時間22日昼)、オハイオ州で開かれた党全国大会で指名受諾演説を行った。外交・安全保障、経済政策とも米国益を最優先する「米国第一主義」が「我々の信条になる」と強調。環太平洋経済連携協定(TPP)に反対する姿勢を打ち出した。
米大統領選2016
大会最終日の21日、党から大統領候補に指名されたトランプ氏が登壇し、指名受諾を宣言。その後に演説し、「我々は米国を最優先する。グローバリズムでなく、アメリカニズム(米国主義)が信条になる」と強調。「米国を最優先しない政治家が率いる限り、米国は他国から尊敬されない」とオバマ政権を批判した。
既成政治を批判し、「私ほど仕組みを熟知している人間はいない。私だけが修正できる」と自信を示した。
貿易政策では「だましている国に立ち向かう新たな、公平な貿易政策を開始する」と強調。TPPについて「米国の製造業が破壊されるのみならず、米国が外国政府の支配下に置かれる」と指摘し、「米国の労働者を傷つけ、自由と独立を脅かす、いかなる貿易協定にも署名しないと宣誓する」と主張した。
また、貿易では北米自由貿易協定(NAFTA)は関係国と再交渉し、「我々が望む合意ができなければ、離脱する」と述べたほか、中国の知的財産権侵害を批判し、中国との貿易協定も見直す考えを示した。
外交・安全保障政策では、民主党のクリントン前国務長官時代に過激派組織「イスラム国」(IS)が勢いを増し、リビアやエジプトが崩壊したとして、その外交手腕を疑問視。「IS打倒のため、同盟国と協力する」としたが、具体的方策には言及しなかった。
また、「我々は劣化した米軍を再建し、米国が防衛する国々に相応の負担を払うよう求める」と語った。以前、駐留経費を日本側が全額負担しなければ在日米軍を撤退させるとし、自国防衛のための日韓両国の核兵器保有を容認する考えも示唆しているが、演説では日本には触れなかった。
一方、移民政策では「不法移民やギャング、暴力を防ぎ、薬物の流入を防ぐため、国境に巨大な壁を建設する」と強調。自分が大統領になれば、「犯罪や暴力はなくなる」と述べた。
また大規模減税で「雇用を呼び戻す」と訴え、積極的に設備投資を進める考えも示した。
演説では、11月の本選で対決するクリントン氏への敵意をむき出しにし、国務長官時代に公務で私用メールアドレスを使った問題に触れ、「彼女が達成したのは、ひどい犯罪に関与し、その罪から逃れたことだ」と指摘。大企業から多額献金を受けているとして「彼らは彼女のすべてをコントロールしている。彼女は操り人形だ」と断じた。(クリーブランド=佐藤武嗣)
関連ニュース
トランプ氏、ちぐはぐ二人三脚 副大統領候補ペンス氏と
クルーズ氏、トランプ氏支持表明せず 会場大ブーイング
トランプ氏、電気ショックの行方 久保文明・東大教授
トランプ陣営、一転盗用認める 夫人演説「誤って流用」
トランプ夫人、オバマ夫人の演説盗用か 米メディア酷評
http://www.asahi.com/articles/ASJ7Q21XFJ7QUHBI005.html
米 共和党大会最終日 トランプ氏が指名受諾演説へ
7月22日 9時00分
動画を再生する
アメリカ大統領選挙に向けた共和党の党大会は最終日を迎え、大統領候補に指名されたトランプ氏が日本時間の22日午前に受諾演説を行います。従来の政治に不満を感じる人々の支持を集める一方、その過激な言動などに根強い批判があるトランプ氏が、全米に向けてどのようなメッセージを打ち出すのか、注目を集めています。
中西部オハイオ州で4日間にわたって開かれてきた共和党の全国党大会は、最終日の21日夜(日本時間の22日午前)に開会し、日本時間の午前11時半ごろから大統領候補に指名されたトランプ氏が受諾演説を行います。
トランプ氏が事前に公表した演説の概要によりますと、民主党のオバマ政権下でアメリカは安全でなくなり、世界はより不安定化したなどとして、その外交政策を一時担っていた民主党のクリントン前国務長官を非難しています。そして、アメリカの利益を最優先するアメリカ第一主義の下、社会や生活を立て直すと訴える見通しです。
トランプ氏は、これまでの選挙戦で従来の政治に不満を感じる人々の支持を集める一方、その過激な言動などに不信感を持つ人は少なくなく、最新の世論調査でトランプ氏を嫌いだと答えた人の割合は全体の57%に上っています。
そのトランプ氏が、正式な大統領候補として初めてとなる本格的な演説で全米に向けてどのようなメッセージを打ち出すのか、注目を集めています。
反対する人たちと支持する人たちがデモや集会
共和党の党大会は、大統領候補に指名されたトランプ氏が受諾演説を行う最終日を迎えましたが、会場周辺ではトランプ氏の主張に反対する人たちがデモや集会を続けました。
トランプ氏、「米国第一」前面に…指名受諾演説
2016年07月22日 12時01分
指名受諾演説をするトランプ氏(21日夜、米オハイオ州クリーブランドで)=栗原怜里撮影
指名受諾演説をするトランプ氏(21日夜、米オハイオ州クリーブランドで)=栗原怜里撮影
【クリーブランド(米オハイオ州)=尾関航也】米オハイオ州で開かれた共和党大会は最終日の21日夜(日本時間22日午前)、大統領候補に正式指名されたドナルド・トランプ氏(70)が指名受諾演説を行い、「米国第一」の訴えを前面に打ち出した。
米メディアが報じた演説草稿では、環太平洋経済連携協定(TPP)への反対も明確にし、本選の戦い方をうかがわせた。
トランプ氏が「謙虚な気持ちと感謝を持って米大統領候補への指名を受ける」と述べると、会場は代議員ら1万人近い聴衆の喝采に包まれた。
演説では、25日からの民主党大会で同党指名を受けるヒラリー・クリントン前国務長官(68)への対抗心をむき出しにし、「敵と我々の最大の違いは、こちらは米国第一だということだ」と国益最優先の立場を強調した
このうち人種や性別などによる差別に反対する地元のグループおよそ200人は、「憎しみと恐れを乗り越えよう」とか「多様性はこの偉大な国の礎だ」などと書かれたプラカードを掲げて、クリーブランド市内を行進しました。警察官が警備に当たるなか、参加者たちは「トランプ氏は退場しろ」とか「愛は憎しみより勝る」などと声を上げて、トランプ氏が大統領候補に指名されたことへの懸念を表明していました。
一方、別の場所では、トランプ氏を支持しているというキリスト教右派の団体が党大会初日から連日集会を開いていて、最終日の21日もイスラム教徒や不法移民の排斥などを訴えました。
これに対し、トランプ氏に反対する人たちが「お前たちは本当のキリスト教徒ではない」などと訴えて対抗したため、一時、大勢の警官隊が出動し、緊迫した状態となりました。
今回の共和党大会では、トランプ氏の支持者とトランプ氏に反対するデモ隊との間で衝突が起きることなどへの懸念から、警察やFBI=連邦捜査局などは、各地からの応援を含めおよそ5500人の態勢で警備に当たってきましたが、これまでのところ目立った衝突は起きていません。
http://www.yomiuri.co.jp/world/20160722-OYT1T50096.html
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160722/k10010604191000.html
トランプ氏を鍛えた「試練の90年代」
20年前の負債やトラブルが大統領指名候補の素地に
開業したばかりのカジノ施設「トランプ・タージマハール」の会合に参加する若き日のドナルド・トランプ氏(1990年4月、米ニュージャージー州アトランティックシティー) ENLARGE
開業したばかりのカジノ施設「トランプ・タージマハール」の会合に参加する若き日のドナルド・トランプ氏(1990年4月、米ニュージャージー州アトランティックシティー) PHOTO: FRED W. MCDARRAH/GETTY IMAGES
By BETH REINHARD AND PETER GRANT
2016 年 7 月 22 日 06:45 JST
ドナルド・トランプ氏の不動産帝国はその時、34億ドル(約3600億円)の負債を抱えて破綻の瀬戸際にあった。その後間もなくして離婚する妻のイバナさんからは1000万ドルの慰謝料を請求されていた。マンハッタンの5番街を歩いていたトランプ氏は、紙コップを差し出して小銭をねだる盲目の男性を見て、この物乞いの純資産が彼よりはるかに多いことに気付いた。
そうした1990年代初めの試練の時代が、トランプ氏の血となり肉となった。彼は生き延びた。この厳しい経験こそが彼の持ち味を磨き、21日夜に受諾演説を行う共和党大統領指名候補にまで押し上げたのだと、トランプ氏は自らの過去を振り返る。
トランプ氏によれば、彼は失敗に直面したことで、いつまでも色あせない成功のイメージをつくり上げる方法を学んだ。「するべきことをしなければならない」。トランプ氏は15日に行ったウォール・ストリート・ジャーナル紙とのインタビューで、当時から現在まで続く自らの強気な生き方について話した。「相手の弱点を突くべきだ」。「これまでに一筋縄ではいかない人たちと交渉してきた。私が彼らより手強い男でなかったら、今ここに座ってあなたと話してはいないだろう」
トランプ氏は自己破産を回避し、不動産をもとに過剰な借り入れを行う代わりに自らのブランドを活用することで富を築いた。選挙運動用のTシャツに自分の名前を入れたり、「トランプ」の名を冠したゴルフ場で記者会見を開いたりするずっと前から、自らが所有するあらゆるものに「トランプ」のスタンプを押し、その名前と富を結び付けてきた。
共和党大会で父のドナルド・トランプ氏について語る娘のティファニー・トランプさん(英語音声、英語字幕あり) Photo: Getty Images
この時代に彼は貴重な資産の一部を失い、その軽率な行動や訴訟癖で他人との関係を悪化させた。だが一方で、敵を徹底的に攻撃するやり方や、自己のイメージを管理する方法を習得した。トランプ氏によると、資金面の苦労や離婚をめぐる報道などで、長男のドナルド・トランプ・ジュニアや長女のイバンカ、次男のエリックの3氏は傷付いた。それでも、彼らは大統領選でトランプ氏の側近として頭角を現した。「当時のつらい経験で3人はタフになり、一致団結することを学んだのだと思う」。トランプ氏は自著「ジ・アート・オブ・ザ・カムバック」の中で、大変なプレッシャーの下で事業活動をしていたこの頃を「自分が最も輝いていた時代」と呼んでいる。
今週、共和党の大統領候補に正式指名されたトランプ氏は、政界にその名を刻むはるか以前に、マンハッタン5番街に建設した68階建てのトランプ・タワーで、「トランプ・ブランド」の最初の大きな一歩を踏み出した。トランプ・タワーはニューヨーク市が財政危機から抜け出したばかりの1983年に完成し、成功を収めた。彼が高級なトランプ・ブランドを構築することに成功したのは、トランプ・タワーの素晴らしい大理石のように、自らのセレブ度を高めたからでもある。元モデルの妻イバナさんを脇に従えた派手な生活をひけらかし、金持ちや有名人の中心に身を置いた。
程なくして、トランプ氏の名前は航空会社のトランプ・シャトルや、トランプ・タージマハール(アトランティックシティーのカジノ施設)など、彼の投資対象のほとんどに冠された。1990年までにトランプ氏に約1億ドルを貸し付けたミッドランティック銀行のベン・バージン氏は、「彼はカネを借りまくり、多額の債務を抱え、それを大量に使った」と話す。トランプ氏は、彼の事業が「借りすぎ」だったことは認めながらも、資金難に陥ったのは不動産価格が下落したためだと釈明した。当時、米経済は急速に悪化に向かい、彼は債務を返済できなくなっていた。
WSJのイベントで父トランプ氏について語る長男のドナルド・トランプ・ジュニア氏。インタビュアーはWSJのジェラルド・ベーカー編集局長とジェラルド・サイブ・ワシントン支局長(英語音声のみ)
トランプ氏は、一部は彼のブランドのおかげもあって救済された。債権団は債務再編に応じた。彼らはトランプ氏が自己破産せず、その名前に傷が付かないなら、彼の不動産はそのほうが高い価値を保てることを認識していた。1991年に破産法の適用を申請したトランプ・タージマハールの債権団を代表していたウィルバー・ロス氏は、トランプ氏とともにタージマハールのカジノを訪れた時、トランプ・ブランドの価値の大きさを目の当たりにした。「まるでロックスターのようだった。胸元が大きく開いたドレスを着た女性が、トランプ氏にせがんで背中に彼の名前をサインしてもらっていた。今の彼が得ている人気と同様のものだ」
トランプ氏は、大統領選で不正確な発言をしたり、立場を翻したり、政策に精通していないことが明るみに出たりしたが、スターとしての力と、怒れる有権者を決起させた「アメリカ・ファースト(米国最優先)」のメッセージのおかげで、史上のどの共和党大統領候補よりも多くの有権者を引き付けた。1990年代にトランプ氏の弁護士団の1人だったジェイ・ゴールドバーグ氏は、「彼は実際よりも良く見える、特筆すべき個性をつくりあげた」とし、「何本の矢が放たれても彼は生き残ることができる」と語る。
1990年、株式アナリストのマービン・ロフマン氏はタージマハールの財務上の安定性に疑問を呈した。これに怒ったトランプ氏は訴訟を起こすと脅した。ロフマン氏は謝罪文(訳注=ロフマン氏の勤め先だった証券会社ジャニー・モンゴメリー・スコットの幹部が用意したもの)に署名したが、その後これを撤回しようとした。ロフマン氏はその日、勤め先を解雇された。同氏は提訴し、勤め先から75万ドルを獲得する一方、トランプ氏と和解(和解金は非公開)した。現在、引退しているロフマン氏は当時を振り返り、「私は彼のブランドを攻撃していた」と述べ、「それはトランプ氏には容認できないものだった」と語った。トランプ氏は、ロフマン氏を含め批判者たちに反撃するのは適切な行動だと述べた。
トランプ氏は2016年、これと似た報復への執念深さをみせた。同氏を批判する者や反対派を攻撃し、一部メディア機関のイベント立ち入りを禁止した。同氏はまた、元アドバイザーのサム・ナンバーグ氏を相手取って1000万ドルの賠償訴訟を起こした。同氏が守秘義務に違反したとの理由からだった。
奇跡のカムバック
1990年代初頭、トランプ氏は自己破産の瀬戸際まで追い詰められたが、その後自身の「帝国」の再建に成功した
1990199219941996
June 1990
トランプ氏と銀行団は34億ドル(約3600億円)の負債再編計画を発表。トランプ帝国は崩壊を免れる
PHOTO: NEW YORK POST ARCHIVES/GETTY IMAGES
トランプ氏、最初の妻イバナさんと離婚
PHOTO: RON GALELLA/WIREIMAGE/GETTY IMAGES
トランプ氏と債権者、航空会社「トランプ・シャトル」売却で合意
PHOTO: PAM BERRY/THE BOSTON GLOBE/GETTY IMAGES
所有していたヨット「トランプ・プリンセス」を売却
PHOTO: JACQUES SOFFER/AFP/GETTY IMAGES
アトランティックシティーのカジノホテル「トランプ・プラザ」と「トランプ・キャッスル」が破産法の保護下に
マーラ・メープルズさんと結婚
PHOTO: RON GALELLA/WIREIMAGE/GETTY IMAGES
マンハッタンの旧ガルフ&ウェスタン・ビルディングに「トランプ」の名前をライセンス供与
PHOTO: RICHARD DREW/ASSOCIATED PRESS
トランプ・ホテルズ・アンド・カジノ・リゾーツ(現トランプ・エンターテインメント・リゾーツ)を新規株式公開
PHOTO: KATHY WILLENS/ASSOCIATED PRESS
ナンバーグ氏は法廷文書で、トランプ氏がこのように報復しようとしている背景には、ナンバーグ氏が大統領選のライバル候補だったテッド・クルーズ氏を当初は支持していたこと、そしてトランプ陣営のスタッフ間の男女関係に関する新聞報道の情報源としてナンバーグ氏が誤って特定されたという事情があるとしている。トランプ陣営は、ナンバーグ氏の主張を「明らかな間違いだ」と述べた。
かつてトランプ氏の下で不動産のマーケティング専門家として働いていたルイーズ・サンシャイン氏は「トランプ氏を攻撃するか、あるいはネガティブなことを言うと、やり返される。しかも倍返しになる」と述べた。
もう一人のトランプ批判者はジェームズ・グラント氏だった。金融ジャーナル「グランツ・インタレスト・レート・オブザーバー」の創立者である同氏は、トランプ氏の事業について早くも1987年に「ハウス・オブ・カーズ(トランプカードで組み立てた家)」だと形容した。すると驚いたことに、グラント氏は数年後になってトランプ氏から電話を受けた。
関連記事
トランプ氏と負債―その脱出劇
トランプ氏の1990年代のアナリスト解雇事件
トランプ氏、ファミリー企業は再びカジノに傾斜
トランプ氏の3人の子供が絶大な影響力 選対本部長更迭で
グラント氏によると、トランプ氏は「君、あの時はやってくれたな」と言った。そして「彼(トランプ氏)は、自分がそれ以降に成し遂げた大きな仕事について話し続けた。彼のしゃくに障ったのは、彼がトラブルに陥っていたことを私が当時正しく指摘したためだ」と語った。トランプ氏はこの説明に反論しなかった。
1990年代、銀行がトランプ氏向けの融資を再編していた当時、トランプ氏はジェット機とヨットを売却し、個人と家族の出費を月間45万ドルに制限された。妻のイバナさんとの結婚生活は、トランプ氏とマーラ・メープルズさんとの関係が報じられて破たんした。トランプ氏とメープルズさんは93年に結婚した。
トランプ氏は、自分が借金を返済できないと主張し、それを軽減するよう銀行に圧力を掛け続けた。一方で同氏は、公には豪華なイメージを維持し続けた。トランプ氏がオーナーだったプラザ・ホテルで行われたメープルズさんとの結婚披露宴は、きらびやかなイベントだった。
銀行関係者たちは、メープルズさんが宝石ブランドとして世界的に有名なハリー・ウィンストンの巨大な婚約指輪をはめているのを見て仰天した。当時、シティバンクの法律事務所ワイル・ゴットシャル&マンジェスの弁護士だったアラン・ポメランツ氏によると「その指輪はゴルフボールのように見えた」という。同氏は「われわれはトランプ氏に、『あの指輪を買うカネをどこで調達したのか』と尋ねた。すると彼は『払っていない。借り物だ』と述べた」という。
トランプ氏はインタビューで、「あの時代、セレブとして外に出る時、ハリー・ウィンストンのような有名な宝石商が宝石を貸し出してくれたものだ。恐らく彼らはそのことを言っているのだろう」と述べた。この結婚は6年後に破たんしている。
トランプ氏は1995年まで銀行グループに個人的な借金を返済しなかった。しかし同氏は早くも1992年に「復活」をメディアに宣言した。この年、同氏はニュージャージー州のカジノ規制当局に対し、自分の純資産は4億3700万〜16億ドルだと述べている。
トランプ氏の新たな事業モデルは、債務を増やさず、自分のブランドやマーケティング技術を売ることで取引を行うというものだった。
それは、より保守的な戦略であって、資金調達やスタッフに頼らず、無料のパブリシティー(広報宣伝活動)に依拠するトランプ氏の大統領予備選での選挙運動を予兆するものだった。トランプ氏は「名前をよく知られていて、その名前で素晴らしいブランドと評価を構築したことが良かったと思う」と述べた。そして「私は極めて高い支持を得ている。とても大きな利点だ。こんな政治家は一人もいない」と語った。
トランプ氏のライセンス供与戦略は1990年代半ばにスタートした。ゼネラル・エレクトリック年金信託と不動産会社ガルブレス&カンパニーがマンハッタンにある旧ガルフ&ウェスタン・ビルディングをホテル兼レジデンシャル・タワーに衣替えした時、「トランプ」の名前を冠した。
トランプ氏はこの事業モデルを世界中のコンドミニアムやホテル事業に利用し、衣料、ステーキ、マットレスなどさまざまな事業に彼の名前をライセンス供与した。その一部は、「トランプ大学」という名の不動産学校のように、破たんした。
前出のミッドランティック銀行のバージン氏は、トランプ氏が交渉の際、即興でものを言うことが時々あり、彼が約束したことを彼の弁護士が後日否定する場合があると述べた。
バージン氏は「彼の口は脳よりもはるかに早く動く」と述べ、「この悪弊が彼の指にも伝染しているようで、一部のツイートとなって表れている」と語った。著名な共和党議員やジャーナリストに対する個人的侮辱など、選挙運動期間中のトランプ氏の投稿はそれが原因だという。
開幕した共和党全国大会に登場したドナルド・トランプ氏(18日、米オハイオ州クリーブランド) ENLARGE
開幕した共和党全国大会に登場したドナルド・トランプ氏(18日、米オハイオ州クリーブランド) PHOTO: MIKE SEGAR/REUTERS
12年間にわたってトランプ氏の側近として働いていたエーブ・ワラック氏は、トランプ氏のために年金基金アドバイザー向けのスピーチ原稿を執筆した時のことを思い出す。「彼(トランプ氏)は演壇に立ち、『私の部下がスピーチの原稿を書いたが、聴衆の皆さんはそんなものを聞きたくない。皆さんは(トランプ氏の2番目の妻となる)マーラ(・メープルズさん)について、そしてわれわれ2人が今後どうするのかを聞きたがっている』と語った」。後年のトランプ氏の自由奔放な選挙演説をほうふつとさせる話だ。
1990年代にトランプ氏に協力した銀行の中には、その後、同氏に新たな融資を決してしなかった銀行が少なくない。不動産や金融業界での「退路を断つ」やり方は、トランプ氏が2016年の大統領選で政治的エスタブリッシュメント(支配層、主流)にふっかけた戦いを予兆させる。
トランプ氏は、自分は銀行との関係で「タフ」だったが、銀行のカネを必要としなかったと述べた。同氏は現在、同氏を支持しなかった共和党員たちに対して同様の態度をとっている。トランプ氏は6月にラスベガスで開催された選挙集会で、「彼らは一体誰を指名候補に選ぼうとしているのか?」と問い掛け、「私は他の候補を打ち負かした。徹底的に打ち負かしたのだ」と強調した。
関連記事
【社説】トランプ氏がカジノの町を壊したのか
トランプ流ビジネス術、支払いトラブルの痕跡
【社説】トランプ氏とマフィアの関係、早急な調査を
トランプ氏支持する富豪3人、共通する理由とは
トランプ氏とクリントン一家、過去の関係が公文書で明らかに
トランプ氏長女ブランドのスカーフ、引火懸念でリコール
トランプ氏、9月にワシントンに高級ホテル開業へ
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=newssearch&cd=2&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjZxLfGl4bOAhUEUZQKHTc7AjMQqQIIKygAMAE&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10352986937800543568904582202470134043022&usg=AFQjCNGOOyiqoMPt70fndybRtOil2S6S1Q
クルーズ氏、トランプ氏支持表明せず 会場大ブーイング
クリーブランド=佐藤武嗣、五十嵐大介2016年7月21日23時40分
共和党大会で演説をするクルーズ上院議員=20日、米オハイオ州クリーブランド、ランハム裕子撮影
20日の共和党全国大会には、米大統領選で共和党候補者指名争いに立候補していたクルーズ上院議員(45)が登場した。ところが、演説ではトランプ氏支持を表明せず、会場はブーイングが渦巻く異例の事態になった。
米大統領選挙2016
「昨夜、指名を獲得したトランプ氏を祝福する」。演壇に立ったクルーズ氏はこう切り出して演説を始めたが、トランプ氏の名前に言及したのは一度だけ。後段になっても支持に触れないクルーズ氏に会場からは「トランプ! トランプ!」と支持表明を促す声が飛んだが、無視し続けた。
最後も「良心に基づいて投票しよう」と呼びかけただけで、会場から大ブーイングが起きるなか、会場を後にした。
両氏は予備選・党員集会で中傷合戦を繰り広げた。だが、党大会で演壇に立って、指名候補に支持表明しないのは極めて異例だ。団結を示したいトランプ氏の思惑は外れ、またも亀裂が浮き彫りになった。
クルーズ氏の地元テキサス州代議員からは「クリントン氏を阻止しなければならないのに失望した」(ショーン・アイルランドさん)との批判がある一方、「誇りに思う。彼らしい選択だ」(ロランド・ガルシアさん)と筋を通したことを評価する声もあった。(クリーブランド=佐藤武嗣、五十嵐大介)
http://www.asahi.com/articles/ASJ7P3TVPJ7PUHBI00Q.html
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。