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世界でのゲリラ戦に傾斜するIS、拠点の弱体化で サウジ爆弾テロは何を意味するか 
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投稿者 軽毛 日時 2016 年 7 月 06 日 19:14:48: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

世界でのゲリラ戦に傾斜するIS、拠点の弱体化で

戦闘での敗北と支配地域の後退で「外部」の賛同者を触発 
By MARIA ABI-HABIB AND WILLIAM MAULDIN
2016 年 7 月 6 日 11:48 JST

 ヨルダンで最近、過激派組織「イスラム国」(IS)による攻撃が相次いていたさなか、首都アンマンに駐在する欧米諸国の当局者はISの幹部らが支持者に向けて発した通信内容を傍受した。その内容は国境を越えてシリアで戦闘員に加わるよりも、国内でテロを拡散するよう呼びかけるものだった。

 ISに賛同するすべての組織や団体に向けて発信されたこの呼びかけと、ISのスポークスマンによる似たような演説の後に、シリアとイラクの外で複数の攻撃が発生した。ISはシリアとイラクの掌握地域で「カリフ(預言者ムハンマドの後継者)」を最高指導者とするイスラム国家の樹立を宣言している。この1週間で、ISとのつながりが疑われる、もしくはつながりが確認された賛同者による攻撃がトルコ、イラク、そしてバングラデシュで相次いだ。

 欧米の当局者によると、ISは急ごしらえで費用のかかる戦闘集団の維持や、死傷などによる戦闘員の減少に直面するなか、安上がりで派手なゲリラ作戦に戻りつつある。ISは世界的な活動を拡大しており、複数の大陸にまたがって個人や組織を触発している。

支配地域外での攻撃が活発化 

 戦闘での敗北や掌握地帯の後退で原油などの重要なISの収入源が失われるのに伴い、シリアやイラク以外での攻撃頻度は増えている。米当局者や安全保障関係の顧問らの話によると、ISの戦術面での変化はこうした支配地域の喪失が契機となっている。

 ISの支配地域や収入は互いに反目する米国とロシアが主導する空爆から継続して圧迫されているため、欧米やアラブ諸国の当局者は、この先もさまざまな攻撃が続くと予想している。米フロリダ州オーランドで発生した銃乱射事件がその一例だ。この事件の実行犯はISから指令を受けていたわけでも、連絡をとっていたわけでもないのは明らかだが、それでも実行犯はISへの忠誠を誓っていた。オーランドの事件では同性愛者の利用が多いナイトクラブが現場となり、49人が犠牲となった。

 イラクの首都バグダッドで起きた自動車爆弾による大規模な爆発では、現場が人出の多い場所だったこともあり、150人余りが死亡した。この爆発は、ISが拠点としていたファルージャを6月下旬に失って以降、イラクで発生したものとしては最も大きな攻撃だった。長く堅牢な拠点としてきたファルージャの陥落はISにとって大きな痛手となった。

 トルコのイスタンブールでは6月28日に、アタチュルク空港で3人の自爆テロ犯による攻撃が発生し、45人が死亡、230人余りが負傷した。ISは犯行声明を出していないが、トルコの当局者はISの仕業だとしている。今月1日にバングラデシュの首都ダッカで発生したカフェの攻撃では、ISが犯行声明を出した。

 トルコの当局者は米国に対し、空港での攻撃を計画したのはシリアでISの大隊を指揮していたチェチェン共和国の熟練戦闘員だと伝えた。

 サウジアラビアでは4日、3都市で爆発が起き、少なくとも4人が死亡。サウジ当局はテロによる攻撃だとしているが、犯行声明は出ていない。

 ISが中核となる支配地域の外に活動の重点を移動させた理由について、専門家らの間に統一見解はないようだ。

領地を失った代償

 一部のテロ専門家は、国際的に広がる攻撃はISに対する米国主導の空爆と関連している可能性が高いと指摘する。米ブルッキングス研究所でイスラム世界と米国との関係を研究するプロジェクトを統括しているウィリアム・マカンツ氏は「ISがこうした攻撃を行っているのは、彼らが窮地に立たされているからだという見解に賛成だ」と話す。「自分たちの領地を攻撃した代償を敵に払わせているというのが彼らの論法だ」

 こうした攻撃はISが広めているプロパガンダや同調者の募集活動と合致しているとの指摘もある。米中央情報局(CIA)の元職員で現在は同研究所に所属するブルース・リーデル氏は「ISはいかなる状況下でも、こうした行動をとるだろう」と述べた。「新しい(事実)は、中東以外での彼らの能力が高まっていることだ」

 米政府関係者によると、アタチュルク空港の攻撃でトルコと米国は情報収集活動で協力している。この攻撃は、この1年間にISが関与した自爆テロと同様に、トルコ政府が米国主導の有志連合によるシリア空爆を支持したことへの反発が背景にある。

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縮小するISの支配地域
 ISが米軍の空爆による後ろ盾を得たクルド人部隊によってシリア国境の町コバニから追い立てられた2015年半ば以降、ISは「トルコ自体に敵意を一層募らせた」と、米シンクタンクのアトランティック・カウンシルに所属するシリアの専門家アーロン・シュタイン氏は話す。トルコは国内での戦闘員や物資の移動を禁止し、米国にはトルコ南部にあるインジルリク空軍基地をIS攻撃の拠点として使用することを認めた。

 ISが世界に向けて攻撃を呼びかけるのに伴い、このテロ集団の脅威はますます拡大し、阻止するのがより困難になっている。ISはプロパガンダや演説の中で、世界中の一匹狼や、より緊密に統率されている組織の両方に攻撃を呼びかけている。

 オーランドの実行犯はISへの忠誠を誓う前、レバノンの武装勢力「ヒズボラ」に忠誠を誓っていた。ヒズボラはシーア派組織であり、スンニ派主体のISとは対立関係にある。この実行犯こそ、イデオロギー的な思考能力の不足にも関わらず、誰もがISの名の下にテロ行為を拡散できることを示す証しだ。

 オーランドの攻撃は、先週のイスタンブールの空港や、3月に起きたブリュッセルの攻撃とは一線を画している。トルコとベルギーの当局者によると、これらの国で起きた攻撃の実行犯の一部はシリアでISと一緒に戦った経験があり、ISからの指令を受けていたからだ。

 中東以外の戦闘員に指令を出している背景には、ISに加わろうとする外国人がトルコからシリアに入国する際の主要通過地点だった国境のポイントへアクセスできなくなっていることがある。支配領域を金銭面で支援する力が失われていることも一因だ。米当局者によると、ISの戦闘員は2万5000人から2万人に縮小した。

支配地域から出る人に現金要求

 ISが支配地域から出ようとする人に現金を要求するようになったことは、そうした兆候の一つだ。ISの支配地域から最近逃げてきた複数のシリア人の話で分かった。ISはそれまで、支配地域から人を出さないようにしてきた。この変化はISが現金を必要としていることと、能力以上に拡大しすぎたことを示しているのかもしれないと、彼らは話している。

 バングラデシュの首都ダッカで発生した攻撃について、安全保障アナリストはイスラム国家という「理想郷」を作るというISの約束が保守的なイスラム教徒にとって強力な動機になったと指摘する。社会的・経済的な変革が進みつつあったバングラデシュの社会で、生きる意味を探し求めていた若者をISが標的にすることができたのはこのためだ。

 実行犯の5人が攻撃前の数カ月間、姿を消した際、彼らはどこから見ても普通の学生たちだった。授業に出席し、友人たちと一緒に時間を過ごし、インド映画のボリウッドスターに夢中だった――。

 彼らが1日に再び姿を現したとき、テロ攻撃を実行する技能を身につけていた。各国大使館が並ぶガードの堅い地区に侵入し、重装備の大規模な警察隊を11時間近くも押しとどめ、20人の一般人と2人の警察官を殺害する能力をだ。

 ある米当局者は、エジプトのシナイ半島やリビアにいるISの正式な系列組織が台頭してきた際には大きな懸念となっていたが、以前考えられていたほどにはISの中核組織と緊密に調整しながら活動を行っているわけではないようだと指摘する。

 同当局者は「われわれが言えることは、どの組織も一つとしてISの中核組織と緊密な関係にないということだ」とし、「彼らの間に多額の資金の流れは見えない」と話した。

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【社説】サウジ爆弾テロは何を意味するか
イスラム教の聖地メディナも標的
2016 年 7 月 6 日 15:26 JST

 世界各地で連日のようにジハード(聖戦)が起きているが、4日にはサウジアラビアで3件の爆弾事件があった。この攻撃が偶然だとは考えにくい。過激派組織「イスラム国」などのジハーディスト集団が何より望んでいるのは、親米のサウジ王室を破壊し、イスラム教の聖地を支配下に収めることだろう。

 3件の攻撃は、オーランド、イスタンブール、ダッカ、バグダッドで最近起きた残虐行為に比べて犠牲者の数は少なかった。メディナの「預言者のモスク」に対する自爆攻撃で亡くなったのは警備担当者4人、ジェッダの米領事館近くでは1人が自爆したのみだ。東部のカティーフでも死亡したのは自爆犯だけだった。ただ、いずれも大惨事になる可能性は十分あった。

 この社説が掲載される時点で犯行声明は出ていないが、標的の選び方はイスラム国による犯行であることを示唆している。国際テロ組織アルカイダは一般に、イスラム教徒に対する無差別攻撃に批判的だ。最も気がかりなのは、預言者ムハンマドが埋葬されていると言われる預言者のモスクへの攻撃だ。サウジの正統性はイスラム教の聖なる場所を守ることにかかっている。爆弾攻撃が成功すればサウジの能力に疑問符がつくうえ、近代化を目指すムハンマド・ビン・サルマン副皇太子が反感を招く恐れもある。副皇太子は日々の生活における宗教の役割を薄めようと努めている。

 こうした状況を踏まえると、サウジ政府はテロ対策の倍加を迫られるだろう。テロ対策は、国内外の宗教学校や過激なイスラム教聖職者に対する長年の支援を打ち切ることで強化できる。だがそれには、米国との密接な協調や同国からの支援が必要になってくる。米国は、改革派のサウジ王室が権力の座にあることが自国の国益だとみている。オバマ政権はこの関係にダメージを与えており、これを修復することは次の米大統領の優先事項になるだろう。

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