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インドネシア大統領、中国の横暴に毅然と抵抗宣言 南シナ海でインドネシアにも及び始めた中国の海洋拡張政策(JBpress)
http://www.asyura2.com/16/warb18/msg/137.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 6 月 30 日 00:28:30: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

南シナ海のナトゥナ諸島沖で、中国の漁船(右)を拿捕するインドネシア艦船。インドネシア海軍が公開(2016年6月21日公開)。(c)AFP/INDONESIAN NAVY〔AFPBB News〕


インドネシア大統領、中国の横暴に毅然と抵抗宣言 南シナ海でインドネシアにも及び始めた中国の海洋拡張政策
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47211
2016.6.30 北村 淳 JBpress


 中国が受注したインドネシアの高速鉄道建設プロジェクトが難航していると伝えられているが、その一方で、両国の間に領海および海洋権益をめぐる問題がにわかに勃発し、緊張が高まっている。


 6月23日、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は、南シナ海・ナトゥナ諸島沖のインドネシア海軍コルベット「イマムポンジョル383」上で主要閣僚や軍首脳とともに閣議を開き、同海域の防衛を強化し、インドネシアの主権を維持することを明言した。


■インドネシア海軍コルベットが中国漁船を拿捕


 閣議の前の週の6月17日、ナトゥナ諸島北方沖のインドネシアの排他的経済水域(EEZ)に12隻の中国漁船が許可を得ずに侵入し、操業しようとしている現場を、インドネシア海軍が発見した。


 インドネシア海軍艦艇が警告を発しながら、中国漁船群に接近したところ、11隻の中国漁船は逃走したが、すでに網を入れていた1隻はインドネシア海軍コルベット「イマムポンジョル383」に捕捉された。その中国漁船はインドネシア軍艦の警告を無視して逃走をはかったため、「イマムポンジョル383」は警告射撃を実施して追跡し、中国漁船を拿捕した。


 今回の事件が発生した水域を含むインドネシアのEEZ内において漁業活動をするには、インドネシア当局の許可が必要である。中国船に限らず、このような許可なき漁船が操業することはできない。そのため、インドネシア海軍による中国魚船拿捕は主権国家にっては何ら問題のない行動である。


 しかし、中国漁船を拿捕した「イマムポンジョル383」に対して中国海警局巡視船2隻は「中国漁船は中国の伝統的な漁場で操業していたのであり、何ら違法性はない。直ちに解放せよ」と威嚇的に警告を発した。また、中国政府当局も「インドネシア軍艦の発砲により中国漁民が負傷した。このような武力の行使は国際法に違反する」とインドネシア側の行動を強く非難した。


 実は、今年の3月にも、同海域で違法操業中の中国漁船をインドネシア当局が拿捕しようとした事件が発生している。このときは、取り締まりに当たっていたインドネシア巡視船の取締官が、拿捕して連行しようとした中国漁船に移乗したところ、中国海警局巡視船2隻が急行してきて、拿捕された中国漁船に体当たりを始めたため、取締官たちはインドネシア巡視船に脱出せざるをえなくなってしまった。その結果、インドネシア側が一時拿捕した漁船と違法操業していた乗組員たちは、中国側に奪還されてしまったのである。


 その後も、この海域での中国漁船の違法操業が頻発したため、ジョコ大統領は、それまで海軍艦艇が常駐していなかったナトゥナ諸島周辺海域に海軍コルベットを展開させて、中国漁船に目を光らせる方針に転じたのであった。


■ナトゥナ周辺海域も“中国の海”


 中国当局は、以前には明確に「ナトゥナ諸島の主権はインドネシアに属しており、中国がこれに対して異議を申し立てたことはない」と明言していた。ところが中国政府は、6月17日の拿捕事件の発生を受けて19日、「ナトゥナ諸島周辺海域は、中国の伝統的な漁場であるだけでなく、中国とインドネシアの海洋権益が重なり合う場所である」と表明するに至った。


 この中国当局の新しい立場は、さすがにナトゥナ諸島の領有権まで主張するものではないものの、「ナトゥナ諸島周辺海域は“中国の海”に属する」という主張を開始し始めたものであるとみなすことができる。


 南シナ海における“中国の海” とは「九段線」という極めて曖昧な領域概念で示されている。その九段線は連続線ではない九つの断片的な線であるため、南シナ海の“中国の海”の境界線が明示されているわけではなく、おおよその範囲が示されているに過ぎない(下の地図)。



九段線とナトゥナ諸島


(* 配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで地図をご覧いただけます。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47211


 そのように大雑把な九段線から類推すると、ナトゥナ諸島はこれまで中国政府当局が明言して来たように“中国の海”の外側に位置していると考えるのが自然である。しかしながら、今回中国政府が主張し始めたように、ナトゥナ諸島周辺海域の北東部は“中国の海”とオーバーラップしている水域が存在しているとも考えられなくもない。


 もちろん、ここで言う“中国の海”とは、中国共産党政府が勝手に主張している九段線という、極めて大雑把な境界線に基づいた、中国だけが正当性を主張している概念である。インドネシアはじめ中国以外の国が受け入れなければならない国際法的根拠は全く存在しない。


 しかし中国は、自らが勝手に作り出した九段線や“中国の海”などを振りかざして、国際社会に幅広く受け入れられている(そして中国にとって都合の良い部分は中国も援用している)国際海洋法秩序を部分的に否定しようとする海洋権益拡張政策を推し進めている。


 まさに、今回の「ナトゥナ諸島周辺海域の一部は中国の伝統的漁場であり、すなわち“中国の海”に属している」という中国政府の主張は、これまで差し控えていた南シナ海最南端での中国の権益を拡張しておこうという中国政府の姿勢の表れに他ならない。


■やがては領有権の主張も


 今回、中国政府は「ナトゥナ諸島周辺海域の一部が中国とインドネシアの権益がオーバーラップする水域である」という主張をし始めたが、ナトゥナ諸島の領有権自体については疑義を呈してはいない。


 しかし、ナトゥナ諸島の領有権と同じく、その周辺海域に関しても、かつては“中国の海”に属しているといった主張はしていなかった。したがって、将来的には「ナトゥナ諸島周辺は、伝統的に中国の漁場であっただけではなく、ナトゥナ諸島も歴史的には中国の領域であった」と主張し始める可能性も否定できない。


 実際に、中国では「明朝滅亡後に満州族の支配に抵抗した広東省潮州周辺の漢族が、ナトゥナ諸島に王国を建てて、19世紀にオランダに占領されるまでナトゥナ諸島を支配した」といった“歴史”がまことしやかに語られている。


 そこで、ジョコ大統領は閣僚を率いて、中国共産党政府の先手を打つ形でナトゥナ諸島を訪れて、問題となっている海域内の軍艦上で「ナトゥナ諸島の主権はインドネシアにある。その周辺200海里内はインドネシアの排他的経済水域であって、中国の主権が及ぶ水域とオーバーラップする海域は存在しない」というアピールを身をもって成した。このアピールは、今後インドネシアがナトゥナ諸島とその周辺海域での国益を保持していくために必要不可欠な行動であったと言えよう。


■日本とは対照的な毅然とした姿勢


 ただし、インドネシアの海洋戦力は中国人民解放軍と比較すると極めて貧弱ではるかに劣勢である。中国側がジョコ大統領の対中強硬姿勢をどのように評価し、どのような「次の一手」を繰り出して来るかは分からない。


 とはいうものの、ジョコ大統領はじめインドネシア政府・軍首脳は、中国の横やりに対して毅然として領土領海そして海洋権益を防衛する意思を示したのである。その姿勢は、「尖閣諸島は自国の領域である」と口先で言い立てているのみで、何ら具体的行動に打って出ず、相変わらず「アメリカ頼み」の姿勢から脱却していない日本とは好対照と言わざるをえない。


 ちなみに、インドネシア政府は、中国による海洋侵攻戦略の脅威に対抗するために、ナトゥナ諸島並びに周辺海域の軍備を増強するとともに、国防費を100兆ルピアから250兆ルピアに増額するという。

 

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コメント
 
1. 2016年6月30日 12:14:06 : YWmNRP8lWI : 64UDkTQLgG4[6]
>中国が受注したインドネシアの高速鉄道建設プロジェクトが難航していると伝えられているが、その一方で、両国の間に領海および海洋権益をめぐる問題がにわかに勃発し、緊張が高まっている。

====================================

まあそうなんだけど、そもそもインドネシアの政争が受注競争に影を差していたわけで日本が取れなかったのは前大統領ユドヨノから現大統領ジョコに代わる過程で日本の受注が外されたという。

受領した中国もインドネシアのそうした政治事情に巻き込まれたわけで、全部が中国だけの問題ではない。
東南アジア各国の権力政争劇は、昨日言っていたことと今日言っていることが全然違うような混沌としたものが多く、政変劇が突如として起こることもしばしばである。
中国嫌いの日本メディアは鬼の首でも獲ったかのように騒ぐが、日本が受注していたとしてもすんなり行ったかどうかわからない。

そもそもインドネシアの高速鉄道建設計画にしてからが、なにがなんでも必要といえるのかという疑問も呈されている。

なにが言いたいのかというと、本文の中国漁船拿捕の記事も風が吹いたら桶屋が儲かる方式の観測記事で東南アジアを観ないほうがいいよ、ということだ。

歴史的に東南アジアの国々は何が得かを考えて両てんびんにかけるという地政学的保険外交に長けている。
タイなどその代表国。
日本は外交と言うとまず親日か反日かで測りたがるが、そんなものは外交とはいわない。
現に親日国だから、という理由で期待したインドネシアのこの受注を日本は外されている。

あまり調子に乗らないようにしないとね。


2. 2016年6月30日 13:50:13 : nSEbtIfFAY : RwSSfxbskMA[2]
インドネシアが安倍日本の味方というわけではない。勘違いしないように。高速鉄道だけでなくAIIBにもインドネシアは加入している。

3. 2016年6月30日 15:40:46 : S9agqCf1VM : 1miS5g4phcM[3]
インドネシアも中国にやられて国防費上げたみたいだよ。
それじゃ日本も国防軍つくらないといけないね。
そういう世論誘導ですかね。

国家とか組織を超えたところの人達が描く謀略シナリオ。


4. 2016年7月01日 19:42:18 : Eb2COEpGLE : HsYbnn67ots[8]
何だと思ったら中国漁船の拿捕?

中国漁船はかつての日本漁船のように世界中の海に乗り出し、
よく拿捕されたり撃沈されたりしている。
珍しい話ではないな。

>もちろん、ここで言う“中国の海”とは、中国共産党政府が勝手に主張している九段線という、極めて大雑把な境界線に基づいた、中国だけが正当性を主張している概念である。インドネシアはじめ中国以外の国が受け入れなければならない国際法的根拠は全く存在しない。

九段線は蒋介石(現・中華民国)が主張したものだよ。
だから基本的には台湾も同じく権利を主張している。


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