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今年はビルダーバーグGの会合に戦争好きのブリードラブ前NATO欧州連合軍最高司令官が出席
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2016.06.20 12:41:51 櫻井ジャーナル
今年6月9日から12日にかけてドイツのドレスデンで開かれたビルダーバーグ・グループの会合にフィリップ・ブリードラブ米空軍大将が出席した。言うまでもなく、この人物は今年3月までSACEUR(NATO欧州連合軍最高司令官)を務めていた人物で、ロシアとの軍事的な緊張を高めることに熱心だった。そうした目的のため嘘もついていた。退役後、6月にはフォーリン・アフェアーズ誌(CFR/外交問題評議会が発行)に論文を書き、その中でも「ロシアの脅威」を主張している。
本ブログでは繰り返し書いてきたが、ヨーロッパにおける軍事的な緊張を高めてきたのはアメリカ/NATOである。1990年に東西ドイツが統一される際、アメリカのジェームズ・ベイカー国務長官はソ連のエドゥアルド・シュワルナゼ外務大臣に対し、統一後もドイツはNATOにとどまるが、東へ拡大させることはないと約束したことが記録に残っている。「純真」なゴルバチョフはこの約束を信じたが、約束は守られなかった。
ソ連が消滅してから8年後の1999年にチェコ、ハンガリー、ポーランド、そして2004年にブルガリア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、2009年にアルバニア、クロアチアといった具合だ。当然、NATO加盟国はロシアに接近していくわけだが、それをブリードラブのような好戦派はロシアの脅威が増していると表現する。
そして2014年2月22日にアメリカはネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)を主力とする勢力を利用してウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ大統領を暴力的に排除した。つまり、クーデターを成功させた。ウクライナはズビグネフ・ブレジンスキーがロシアを制圧する要石だと認識していた国だ。(クーデターについての詳細は割愛する。)
このクーデターを現場で指揮していたビクトリア・ヌランド国務次官補はヒラリー・クリントンと親しく、彼女の夫はネオコンの大物として有名なロバート・ケーガン。ヌランドはヤヌコビッチを排除する工作を展開している最中、ジェオフリー・パイアット駐ウクライナ米国大使と電話で「次期政権」の人事について話し合っているのだが、その音声が何者かによって2月4日にインターネット上へアップロードされた。その中でヌランドが高く評価していたアルセニー・ヤツェニュクは実際、クーデター政権で首相になっている。
その会話には2012年6月から国連事務次長を務めているジェフリー・フェルトマンの名前も仲間として登場した。フェルトマンは1991年から93年にかけてローレンス・イーグルバーガー国務副長官の下で東/中央ヨーロッパを担当してユーゴスラビア解体に関与、04年から08年にかけてはレバノン駐在大使、2009年からアメリカ国務省で近東担当次官補を務めた人物。レバノン駐在の大使だった当時、イラン、シリア、ヒズボラを露骨に敵視していたことでも知られている。
ネオコンとは対立関係にあったロバート・ゲーツ元国防長官の回顧録によると、ソ連が消滅した際、リチャード・チェイニーはソ連やロシア帝国だけでなく、ロシアそのものを消し去りたがっていたという。社会、文化、歴史、そしてロシア人そのものを地上からなくしたいということだろう。チェイニーを含むネオコンのロシアに対する憎悪は尋常でない。
ヒラリー・クリントンもそうした尋常でない嫌露派のひとりだ。本ブログでは何度も書いたが、この人物は世界に破壊と殺戮を広める上で重要な役割を果たしてきた。ビルダーバーグ・グループは昨年の会合にヒラリーの旧友を呼び、今年はブリードラブが出席している。欧米支配層はロシアや中国に対して戦争を仕掛けるつもりだろう。
アメリカには戦争好きの外交官だけでなく、戦争ビジネスやカルト教団と結びついた好戦的な軍人がいるが、その一方でロシアよりダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)やアル・カイダ系武装集団を危険だと考えているマーチン・デンプシー元統合参謀本部議長やマイケル・フリン元DIA局長のような軍人もいて、実際、統合参謀本部の反対でイラクに対する先制攻撃は約1年間、延期されたと言われている。ただ、ヒラリー・クリントンのような人物が大統領になった場合、どこまで抵抗できるかという問題がある。
フォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号に掲載されたキール・リーバーとダリル・プレスの論文では、ロシアと中国の長距離核兵器をアメリカの先制第1撃で破壊できると主張している。核戦争でアメリカは生き残れると考えているのだろうが、この論文をヒラリー・クリントンたちが信じているとするなら、人類にとって深刻な事態だ。
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