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核は運べるか 北朝鮮ミサイルの謎を暴く(Wedge)
http://www.asyura2.com/16/warb17/msg/784.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 6 月 01 日 09:07:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

核は運べるか 北朝鮮ミサイルの謎を暴く
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/6928
2016年05月31日(Tue)  能勢伸之 (フジテレビ解説委員兼ホウドウキョク「週刊安全保障」アンカー) Wedge


【北朝鮮の弾道ミサイル能力を読み解く4つのポイント】
1. 日本にとってまず脅威となるのは、技術も運用も確立済みのノドンやスカッドER
2. 現在、日本にとって迎撃しにくいのはムスダン。ただし、4月の発射実験は3連続で失敗?
3. ムスダンの発射実験失敗で米国本土に届く弾道ミサイルの開発も揺らぐ可能性
4. 北朝鮮が発射実験に成功したとする潜水艦発射弾道ミサイルは将来の日本にとって大きな脅威


 36年ぶりに開かれた北朝鮮の朝鮮労働党大会で、新設された「党委員長」に就任した金正恩氏は、過去4回の核実験を背景に「核強国の地位に堂々と上がっただけに、それ相応の対外関係を発展させていかなければならない」(党中央委員会活動報告5月7日)と核保有の意義を強調した。だが、「核」は、敵地への運搬ができなければ、「核兵器」にならない。



4月23日に実施された潜水艦発射弾道ミサイルの発射試験は、日本にとって大きな意味を持つ(AP/Aflo)


 では、北朝鮮が今年に入って次々打ち上げた様々な弾道ミサイルはその役割を担えるだろうか。まず、党大会開会の辞で、金正恩氏が「わが軍隊と人民は……初の水素爆弾実験と地球観測衛星『光明星4号』の打ち上げを成功させ……」と意義を強調した、「銀河」。2月7日、衛星の軌道投入に使用された「銀河」は、防衛省では「テポドン2派生型」と呼ばれ、弾頭を大気圏に再突入できる技術力があれば、射程は1万2000kmと米本土もカバーし、事実上の弾道ミサイル≠ニなる。


 金正恩氏が2カ月前、「核攻撃能力の信頼性をより高めるため、早期に核弾頭の爆発試験と、核弾頭搭載が可能な様々な弾道ミサイルの発射実験を行うと表明し、準備を命じ」(3月15日付朝鮮中央通信)ていたが、その言葉に沿う形で発射されたのは移動式中距離弾道ミサイル、ムスダンだ。4月15日に1回、同28日には2回と、計3回発射されたが、韓国軍はいずれも失敗と評価している。


 さらに、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM/KN-11)発射試験(4月23日)も実施しているが、約30km飛んだところで爆発したとして、韓国軍は、飛翔が短く失敗と見ている。北朝鮮メディアが伝える党大会の金正恩氏の発言に、ムスダンやSLBMを示唆する言葉はなかった。


 北朝鮮の保有する弾道ミサイルは大まかに4系統に分かれる。


 まずはおなじみ≠フノドンに至るスカッド系統だ。1981年にエジプトから入手した旧ソ連の液体推進のスカッドB弾道ミサイルのコピー及び発展型で、別々のタンクに入った液体の燃料と酸化剤をエンジンで燃やし、噴射する。全長を長くして、推進剤を増やし、弾頭も小型化して、射程を1000kmに延伸したスカッドER、スカッドBの直径、全長ともに1・5倍に拡大、エンジンも大型化した射程1300kmのノドンなどがある。ノドンなら東京が射程に入る。


■北朝鮮の弾道ミサイルその歴史と能力


 米国防総省の資料では、ノドンの移動式発射機は、50両以下とされる。見方を変えれば、この数だけ、ノドンは連射が可能ということになる。この系統のミサイルは、噴射口が1つで、4方向から噴射口に突き出したベーンという板を動かして、噴射の向きを変え、ミサイルの飛翔方向を調整する。



北朝鮮は米国に届く弾道ミサイル開発に躍起だ(出所)防衛省「平成27年版防衛白書」など各種資料を基にウェッジ作成


 2つ目は、ムスダンに代表される旧ソ連の液体燃料の潜水艦発射弾道ミサイルR-27の系統だ。北朝鮮は、ソ連崩壊(91年)前後に、R-27と、そのエンジン4D10を約50基入手したとされる。4D10は、メインエンジン1基の他に、偏向可能な小型のロケットエンジン2基を組み合わせた構造。小型のロケットエンジンの向きを変えて、ミサイルの飛翔方向を制御する。


 R-27は旧ソ連時代に653発が試射され、579発が成功と安定した性能を示したとされる。ムスダンは、全長約9mのR-27を12m余に延長して、燃料と酸化剤の量を増やし、4D10、または、その北朝鮮版エンジンを使用したとみられ、最大射程は2500kmとも4000kmとも言われる。


 ムスダンは、最大射程なら日本を飛び越えるが、物理的には意図的に高く打ち上げて手前に落とす方法で日本を狙うことも可能だ。もし発射実験に成功して運用が開始されれば、日本のイージス艦に現在装備されている迎撃ミサイルでは迎撃が困難であり、日本にとって厄介な存在となりかねない。


 3つ目は、旧ソ連のOTR-21固体推進薬弾道ミサイルをベースに開発された短距離のKN-02ミサイル。液体の燃料よりも発射準備に時間がかからない固体燃料で、燃料と酸化剤を混ぜたゴム状の推進薬を充填したケースの中で燃焼させ、噴射する。射程150km程度とされるKN-02は、日本には届かない。 


 4つ目は、先述の「銀河」だ。第1段はスカッドのエンジン4基に偏向可能な小型ロケットエンジン4基、第2段はスカッドまたはノドンのエンジンを1基、第3段は固体推進モーターを使用しているとみられる。つまりこれまでの3系統の混成≠ニいったところ。米本土を狙う大陸間弾道ミサイルとして使用するなら射程1万2000kmに達する。ただし、一度、大気圏外に出た弾頭部が大気圏再突入の熱や振動に耐えられるのか、また、全長32mという大きさから発射準備が偵察衛星や偵察機から見られないように隠す竪穴式の発射装置「サイロ」の有無がカギとなる。


 北朝鮮メディアは、3月24日に、弾道ミサイル用の固体ロケットモーター、4月9日に大陸間弾道ミサイル用の液体燃料エンジンの試験の画像を公開し、それぞれ金正恩氏が現地指導したと報じた。それだけ、北朝鮮にとっては重要ということだろう。液体燃料エンジン試験の画像を見ると、噴射の筋に太いのと細いのとがあるのが分かる。これは、何を意味するのか。


 朝鮮中央通信は、3月9日、銀色の球体を前にした金正恩氏の「核爆弾を軽量化して弾道ロケットに合わせて標準化、規格化を実現した」との発言を複数の画像とともに報じた。その画像の中に、まだ詳細は不明ながら移動式の3段式大陸間弾道ミサイルと見られるKN-08の、第1段下部と思しき部分に大きさの異なる噴射口が映り込んでいた。4月9日の画像と比較すると、KN-08の1段目は、4D10系列の主エンジンと副エンジンを複数組み合わせたものとも推測され、同様に詳細不明な大陸間弾道ミサイルKN-14も同形式の可能性がある。



日本にとって無視できないムスダン(AFP/JIJI)


 ここで、気にかかるのが、ムスダンの失敗である。4月15日の失敗後、28日まで、北朝鮮の技術者が、何もしなかったとは考えにくい。2週間弱の期間では発見、改善できなかった、何か抜本的問題があることを示唆するのか。もし、それが4D10系エンジンに関わるなら、KN-08やKN-14移動式大陸間弾道ミサイルの性能への疑問符≠ノつながりかねない。


 そんな状況のまま党大会を迎えたことが、金正恩氏の「敵対勢力が核でわれわれの自主権を侵害しない限り……先に核兵器を使用せず」との「活動報告」に盛られた核先制不使用表明の背景にあるのだろうか。


■日米韓のミサイル防衛にかかわる潜水艦発射能力



弾道ミサイル迎撃システムを備える海上自衛隊のイージス艦「こんごう」(GettyImages)


 実は日本にとっては、4月23日に試射された潜水艦発射弾道ミサイル(KN-11)の存在が大きい。たった30kmで散ったとしても、それが海中から飛び出し、点火することに成功したからだ。


 先述の通り韓国軍は失敗と評価したが、朝鮮中央通信(4月24日)は「最大発射深度での弾道ミサイル冷発射システムの安全性と新たに開発した大出力固体エンジンを利用した弾道ミサイルの垂直飛行態勢での飛行動力学的特性、階段熱分離の信頼性、設定された高度で戦闘部核起爆装置の動作正確性の確証を得ることを目的として……信頼性の完全な確証が得られ」として、発射準備が短くて済む固体推進薬のミサイルを海中の潜水艦から高圧ガスで撃ち出し点火、所定高度で核の起爆装置試験を行い、成功したと説明した。


 米ジョンズ・ホプキンズ大学の北朝鮮分析サイト「38ノース」は、衛星画像の分析から、北朝鮮が弾道ミサイルを撃つためのさらに大きな潜水艦を建造している可能性を指摘した。従来、北朝鮮の弾道ミサイルは地上発射だけだったので、日本も米国も韓国も北朝鮮の方角だけを警戒していたはずだが、潜航中の潜水艦からの発射となれば、警戒すべき方角が広がる。


 しかも、金正恩氏は「強力な核攻撃のもう1つの手段」(前掲)と評価していた。どの方角から飛んでくるか、予測しづらい潜水艦からの核弾頭。実現すれば、ノドンとともに日本にとって厄介な存在となるかもしれない。


 

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コメント
 
1. 2016年6月01日 09:32:24 : FHjUDv4Img : 5WvwBky7@yw[2]
核兵器は北朝鮮のような反米国家にとって最高で唯一の防御システム。
北朝鮮の兵力では、近代兵器を持つ周辺国から攻められたらひとたまりもない。
そのとき、国が亡びるときに反撃で一矢報い痛い目に合わせてやるぞというのが核兵器。
これがなければ、イラクやリビアのように簡単にやられて反撃もできない。
したがって、合理的に考えれば、北朝鮮が核先制攻撃することもない。やれば、反撃されて現体制はすぐに打倒される。
核で脅すこおとはあるだろうか?できるものならやってみろと言われて、やってみることはできないだろう。すぐに、反撃されるから。
つまり、何か相手に大きな痛手を与えるかもしれないという不気味さだけが核兵器の意義であり、北朝鮮にとってはそれで十分。
中国などが懸念するのは、日本や韓国などが対抗して核兵器を持つこと。しかし、イラクのような状況があった以上、北朝鮮は不安であり、核兵器を持とうとするのはやめさせられないだろう。結局のところ、米国が対話に応して緊張を緩和しなければどんどん北朝鮮の核開発は進む。技術のことだから、時間さえかければどんどん進むのは避けられない。

2. 2016年6月01日 21:16:20 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[1569]

核は日本を脅して金をせしめるには、良い手段だ

特に核の傘がなくなれば、脅し放題w


3. 2016年6月06日 03:14:32 : uzHiir5E9E : ZrnSWRKCkVo[3]
軍事オタクが何か書いている。今運搬できなくてもやがては出来るようになる。

日本で報道されているとおりだと北朝鮮はもうとうに何度も崩壊していなければおかしいがとにかく体制は存続している。日本の報道が信用できない点は確認しておこう。


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